3/10 ニュースなスペイン語 Ley de amnistía:恩赦法
コルド案件(caso Koldo)で国会内外が騒がしい中、恩赦法について大きな一歩が見られた。
本法を政権の最重要事項のひとつと考えるスペイン社会労働党(PSOE)にとっては、前進(el paso adelante)であり、英断(valentía)となる一歩。
だが、この恩赦法の成立に断固反対の国民党(PP)にとっては、残虐極まりない(atrocidad)法律であり、政府による横暴(tropelía)であり、腐敗政治(corrupción política)の権化となる一歩ということになる。
恩赦法については、小欄で何度も取り上げたので、「ニュースなスペイン語 amnistía」のキーワードでnote内を検索すれば、ゾロゾロ出てくる。
直近では、この法律が違憲(inconstiticional)の可能性があったり(1月19日の小欄)、下院(Congreso de los Diputados)での審議が始まったとたん、法案の内容に不満を表明したジュンツ(Junts)が反対票を投じ、審議が再び振り出しに戻る(同1月31日)など、いくつかの壁が立ちはだかっていた。
コルド案件のゴタゴタの裏側で、いろいろな調整や変更が議論されていたようだが、実は小生も全てはおさえきれていない。
紆余曲折の末、社会労働党と、カタルーニャ州の独立派政党、共和主義左翼(ERC)とジュンツの間で基本合意に達し、国会内の法律家委員会(Comisión de Justicia)を通過したという。
もろもろの調整や変更点や法律の内容については、実は、勉強不足のことが多いので、稿を改めるとして、ここでは、今後の大まかなスケジュールを確認しておこう。
6日に社会労働党らによって合意が取れた本法案は、来週14日に下院での最終的な承認(paso definitivo)を目指す。
国民党とボックス(Vox)は反対票(en contra)、その他の政党は概ね賛成票(a favor)を投じる見込みなので、何事もなければ(salvo sorpresa)、まぁ、同日、下院を通過する。
その後、上院(Senado)に審議は移るが、国民党が過半数(mayoría absoluta)を占める同院では、最大限の引き伸ばしが予想される(piensa retrasar al máximo los trámites)。
とは言え(en cualquier caso)、様々な理由を積み上げても、憲法が定める審議の上限は2ヶ月で、それ以上の遅れはないだろう(no podrá hacerlo más de dos meses puesto que ése es el límite que establece la Constitución)から、遅くとも、5月末までには恩赦法は成立し、施行されるだろうと見込まれている(con lo que la entrada en vigor se calcula para finales de mayo)。
まぁ、これは、凡人の思いつく、もっとも良心的なシナリオだが、手練れの野党たちは如何にして成立を遅らせることができるか!?
写真は首相省大臣(Ministro de Presidencia)フェリス・ボラーニョス(Félix Bolaños)。
恩赦法について、「世界から参考にされ(un referente mundial)」、「歴史に名を刻む(marcará historia)」だろうと自信をのぞかせる。
出典
https://www.rtve.es/noticias/20240307/comision-justicia-aprueba-ley-amnistia-congreso/16003062.shtml