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12/25 ニュースなスペイン語 Palabras del año(1):今年のことば(1)

「FundéuRAE」という財団が毎年発表する「今年のことば」の候補12語が出揃った。

日本の「今年の漢字」に当たる、この時期の恒例行事。

例年はもう少し早い発表だが、今年はクリスマスに重なってしまった。

2022年は「人工知能(Inteligencia artificial)」だった。

2023年を表す語とは?

今年のラインアップを何回かに分けて紹介しよう。

1.Amnistía

「恩赦」のこと。

小欄でも相当数登場した語。「amnistía」自体は普通名詞だが、今年、この語が意味してきたことは、かなり限定的で固有名詞的。

具体的には、2017年10月1日にカタルーニャ州で「違法な住民投票(referéndum ilegal)」を行ったことでスペインから起訴されている独立派メンバー、カルラス・プッチダモン(Carles Puigdemont)らを無罪放免にすることを指してきた。

そして、「恩赦法(ley de amnistía)」という語もよく見た(し、これからはもっと頻繁に見るだろう)。

新語ではないが、スペインを二分し、世間を騒がせたという意味で、小生としては「今年のことば」の第1候補に決まり!!

2.Ecosilencio

「eco-」は「環境」、「-silencio」は「沈黙」なので、何となく意味は分かるが、はて、日本語では何と言うのか。

ググってみると「グリーンハッシング(greenhushing)」という外来語があるみたいで、「環境に対する行いに関する情報を意図的に隠すこと(ocultar deliberadamente información relacionada con las prácticas ambientales)」とある。

特に、 様々な理由で、企業が、その自らの活動が環境に配慮していると明言することを避ける(empresas que, por diversas razones, evitan revelar las medidas que implantan para asegurar que sus acciones sean respetuosas con el medioambiente)ことを指すらしい。

ずいぶん昔の小欄(2022年2月3日)で、「lavado verde(greenwashing)」なる語を取り上げたが、これに類する概念みたい。

3.Euríbor

英語の「Euro InterBank Offered Rate」のことで、日本の経済界では「ユーリボー」で通じるようで、「欧州銀行間取引金利」という訳が付いている。

小欄では、恐らく、一度も取り上げてこなかった(ということは、小生の関心からもスルッと抜け落ちてきた語)。

お金は嫌いじゃないけど、お金の学問があんまり好きじゃなので・・・。このくらいにしておきます。

4.FANI

初めて見た語だが、「fenómeno aéreo no identificado」の頭文字だと聞けば、はて、「未確認飛行物体(OVNI(objeto volador no identificad))」のことかとも思うが……。

どうやら、本家のアメリカ航空宇宙局(NASA)が2022年に「UFO」に代わる語として「未確認空中現象(UAP(Unidentified Aerial Phenomena)」を発表したらしい。

ちなみに、古い記事(2022年5月4日)だが、UFOがバレンシア州のある地域に墜落したというガセネタ(bulo)を取り上げたことを思い出した。

写真は「恩赦にノーを!(Amnistía no)」と書いた幕を持った市民。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20231222/fundu-palabra-ano-2023/2469148.shtml