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12/14 ニュースなスペイン語 Rotundo no:断固ノー

カタルーニャ州で2017年10月1日、違法な住民投票(referéndum ilegal)を決行した結果、スペインの裁判所から起訴されているカルラス・プッチダモン(Carles Puigdemon)ら独立派のメンバーを無罪放免にすることなどを定めた「恩赦法(ley de amnistía)」がいよいよ国会(正確には下院(Congreso de los Diputados))で審議入りした。

代表質問で、国民党(PP)党首アルベルト・ヌニェス・フェイホ(Alberto Núñez Feijóo)は、恩赦法には「断固ノー」を表明し、その理由(razones)を7つ挙げた。

恩赦法は:

① 不正の結果である(Es un fraude)
② 汚職の結果である(es corrupción)
③ 正当化の理由がない(es injustificable)
④ 国民の共存に反する(va contra la convivencia)
⑤ 民主主義の後退を意味する(supone una regresión democrática)
⑥ 三権分立の精神に反する(es contraria a la separación de poderes)
⑦ スペイン国民をバカにしている(es una humillación al pueblo español)

恩赦は「国内から見れば恥そのものだし、国際的に見ればみっともない所業(es una vergüenza nacional y un bochorno internacional)」と付け加えた。

さらに、恩赦法の審議が、家庭の経済負担を軽減したり(para aliviar la carga económica de las familias)、若者の失業を終わらせる(acabar con el paro entre los jóvenes)ための方策(iniciativas)よりも優先されたことを嘆いてみせた(ha lamentado)。

スペイン国民の評価を二分する恩赦法を「壁(muro)」と表現し、この壁を崩すために、あらゆる法的・民主的手段を講じ(utilizarán todos los recursos legales y democráticos)、国内外の法的機関から意見を聞く(recurrirán a todas las instancias nacionales e internacionales)とし、国内外での提訴をほのめかした。

そして、フェイホは上院(Senado)に「調査委員会(una Comisión de Investigación)」を設立するとも迫った。

国民党は上院で過半数(mayoría absoluta)を持っている強みを生かし、1日の小欄でも取り上げた、ジュンツ(Junts)との交渉(negociacions)について何も情報を出していない(continúa sin dar información)社会労働党(PSOE)を委員会で徹底的に追及するつもり。

先の会談について、スペイン国民は全てを正確に知る(exactamente todo)べきとし、「我々がすべてを明らかにし委員会を閉会するか、それとも、カタルーニャ独立派の連中が全員、出頭するかのどちらかしかない(No la cerraremos hasta saberlo todo y comparecerán todos)」とフェイホは強調した。

上院での法案審議をスムーズに進ませない国民党(11月16日の小欄)と、恩赦法で進展がなければ「内閣不信任案(moción de censura)」を提出すると脅すジュンツ(同12月1日)、そして、恩赦に厳しい世論(同11月20日)ーー。

首相ペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)はいくつかの海外の要人とのアポなど(varios compromisos internacionales)のため、本会議を欠席したが、心中は穏やかじゃないだろう。

進むも地獄、戻るも地獄――。

我が国の首相もそうだが、サンチェスもまさにこんな状況だろう。

写真は代表質問を行うフェイホ。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20231212/feijoo-carga-amnistia-23f/2466650.shtml