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4/5 ニュースなスペイン語 Huevera:卵パック

「ニュースな・・・」という程のことではないのだが、今まで、意識すらしたことが無かったことなので、取り上げておこう。

今日紹介する記事は

卵パックは、どうして、普通、10個入りではなく、12個入りなのかを考えたことがありますか(¿Te has preguntado alguna vez por qué las hueveras tienen, por norma general, una capacidad para almacenar 12 huevos en vez de una decena? )?

という一節から始まる。

日本では、普通、卵パックは10個入りなので、そもそも、冒頭の問から、しっくりこないかもしれないが、スペインの実状は、そう、12個入りが一般的(なんだそうだけど、じっくり、観察した記憶がないので、あまり、覚えてない)。

どうやら、数学がカギ(Las matemáticas son la clave)なんだそうな。

記事では

もし10進法を使えば、2か5でしか割り切れません。しかし、12進法なら、もっと割れる数字が増えます。つまり、2でも、3でも、4でも、6でも割り切れるんです(Si utilizáramos el sistema decimal sólo podríamos dividir por dos o por cinco, pero las docenas nos permiten ampliar los divisores, ya que es posible dividir por dos, por tres, por cuatro y por seis)。

という専門家の言葉を紹介している。

つまり、もっぱら実用的な理由による(La razón es meramente práctica)みたい(なんだけど、いまいち、割り切れる数が多いと、なぜ、便利なのかが分からない。小分けにしやすいとか、パックの形を変えやすいとか……かな)。

まぁ、とにかく、これが1番目の理由。

そして、2番目の理由が、卵が割れないようにするためには(Para evitar que se rompan)、偶数にすることで(número par de huevos)、隙間が空かないようにし(que no existan huecos entre ellos)、卵が転がり出ないように(que no se caiga ninguno)する並べ方(distribución;fila)が肝心だから。

で、これが、運搬(transportarlos)に適しているという。

まあ、12も10も同じ偶数だから、スペインでは10個でなく、12個パックが主流という理由にはならないなぁ。

3番目の理由はその起源にある。

古代ローマ帝国の慣習(lo imperial)と現在の英国にあたるブリタンニアの地方の慣習(lo local)が混ざり合った結果、12ペンス(12 peniques)が1シリング(un chelín)という単位(unidad)が確立した。

卵1個の値段が1ペンスに固定されていた(el precio de un huevo se fijó en un penique)ことから、卵12個を1つにまとめるという慣習が根付いた――。

ちなみに、日本の場合、かつて、企業が行なったアンケートに、「ダントツで過半数の日本人が、卵を買う際に10個入りがいいと答えた」という見解がネットにはある。

まぁ、ダースの習慣が薄い日本人っぽい。

小生は、卵が1パック10個入りでも、12個入りでも、どちらでもいいのだが、驚いたのは、「どうして卵は1ダースで売っているの(¿Por qué se venden los huevos en docenas?)?」との問いが、ネット上にたくさんでていること。

しかも、『ABC紙』や『La Vanguardia紙』など、名だたる新聞も、真剣に、取り上げているのが面白い。

写真は12個用の卵パック。

どうして卵はダース売りなのか――

少なくとも、2014年くらいから、同じ問が繰り返されているところを見ると、「卵」と「ダース」は、忘れた頃に取り上げるとウケる鉄板ネタなのかもね。

ちなみに、本文で取り上げた理由のうち、ローマ時代にも遡れる昔からの慣習という3番目の理由が、小生には、一番、しっくりくる。

他のふたつは10個パックが広まらない理由としては、ちと、弱い。

まだ、答えは出てない。

出典
https://www.rtve.es/television/20240402/por-hueveras-son-12-huevos/16040942.shtml