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4/15 ニュースなスペイン語 Alternativa legistativa:法的選択肢

ペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)首相は6日、来月9日に期限を迎える「国家非常事態宣言(estado de alarma)」を延長する考えはないと表明した。

現地時間の14日の国会論戦では、5月9日以降の「法的選択肢(alternativa legistrativa)」について、議論が行われた。

サンチェスは「スペイン政府は国家非常事態宣言を延長するつもりはない(La intención del Gobierno es no prorrogar el estado de alarma)」と非常事態宣言の解除を改めて主張した。そして、「この決定は専門家の意見と科学的な見地(la decisión responde al saber de los expertos y los científicos)」によるものと強調した。そして、緊急事態制限がなくとも、「人々の活動を制限するための選択肢はいろいろある(múltiples alternativas para restringir la actividad)」とも述べた。

こうした政府の見解に対して、国民党(Partido Popular)党首パブロ・カサド(Pablo Casado)は 「法的代替案(plan B jurídico)」を求め、緊急事態宣言に代わる法的縛りを要請した。こうした法的手段を講じず、憲法例外規定(excepcionalidad constitucional)を連発する首相を「恥知らず(desfachatez)」、「傲慢(arrogancia)」とまで批判し、しまいには「首相、あなたは恥ずかしくないのですか(¿A usted no se le cae la cara de vergüenza, señor Sánchez?)」と攻め立てた。

また、市民党(Ciudadanos)党首イネス・アリマダス(Inés Arrimadas)は「医療と法的な安全を保証するために(garantizar la seguridad sanitaria y la seguridad jurídica)」、どのような措置を解除後に講じるのかと正した。そして、「首相、あなたは5月9日以降、どうなさるおつもりか(Señor Sánchez, ¿qué tiene usted pensado hacer después del 9 de mayo)」と「一人称(en primera persona)」での回答を求めた。当事者意識を問う、と言い換えてもよさそうだ。

一方、ボックス党(Vox)党首サンティアゴ・アバスカル(Santiago Abascal)は緊急事態宣言の解除を主張したものの、決して政府に優しいことばはない。政府は、このままでは宣言解除後も「憲法で保障されている自由と人権を蹂躪し続ける(seguir pisoteando las libertades y los derechos constitucionales)」と述べた。そして、「10万人のスペイン人を死なせ、約600万人を失業に追い込んだ、世界最悪のコロナ対策(la peor gestión del mundo de la epidemia)を主導した」として、政府を厳しく批判した。

昨年、10月25日に発令された宣言が来月解除されることで、スペインのコロナ対策は新しい局面を迎えることになる。

写真はRTVEのアーカイブより。今月6日国家非常事態宣言の解除を発表するペドロ・サンチェス首相。