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3/4 ニュースなスペイン語 'Alberto':「アルベルト」

今日もコルド案件(caso Koldo)がらみのお話し。

カッコ付きのアルベルト、というのがポイント。

潮目が変わった。

これまで、元交通大臣のホセ・ルイス・アバロス(José Luis Ábalos)や、その元顧問のコルド・ガルシア(Koldo García)、そして、下院議長のフランシナ・アルメンゴル(Francina Armengol)といったスペイン社会労働党(PSOE)の面々を国民党が攻めるという構図だった。

しかし、今度は、逆に、社会労働党が国民党を攻める側に回った。

攻守が入れ替わった形。

この文脈で「アルベルト」と聞けば、もしや、国民党(PP)党首アルベルト・ヌニェス・フェイホ(Alberto Núñez Feijóo)にも調査のメスが入ったかと思ってしまうが、そうとも、違うとも、まだ、言えない。

実際は、社会労働党の報道官エステル・ペーニャ(Esther Peña)が、国民党の国会代表(portavoz en el Congreso)であるミゲル・テジャド(Miguel Tellado(写真))に下院(Cámara Baja)への出頭(comparezca)を求めた(exige)のである。

というのも、渦中のカルド・カルシアが、テジャドと「アルベルト」なる人物と会談したと発言していたことが裁判所の調書(auto)の中で示されたからだ。

ちなみに、この「アルベルト」が誰なのかは、まだ、一切、調書では明らかにされていない(el auto no especifica quién es)。

会談では、昨日紹介したバレアレス諸島州でのマスク購入をめぐり、同州が起こした返金クレーム(reclamción)を、時間をいたずらに引き延ばし(el tiempo pasase)、無効にさせる(dejase caer)ような裏工作(trama)があったのではないかと調書は見ている。

このことで、業者は余計な返金をしなくてすむようになったわけだから大儲けし、その恩恵を関係者らが受け取るーー。皆がウィン・ウィンとなる構図だ。

ペーニャは、さらに、社会労働党が先日、国会内に設置した調査委員会(comisión de investigación)にアルメンゴルを呼ぶ考えがあると明らかにした。

そして、アルメンゴルには、何が起き、それぞれの決定がなどのように成されたのかを国民が理解できるように(la ciudadanía pueda entender por qué pasó y por qué se tomaron ciertas decisiones)、冷静かつ詳細(con la mayor tranquilidad y transparencia)に、説明をするよう求めるという。

ただし、そのためには多少の時間の猶予(espacio de tiempo)が必要とし、即時の招へいはしないと加えた。

もし、小欄で紹介したことが事実なら、与野党が会派の垣根を超えて(←ふつう、良い意味で使うけどね、こういう表現は……)、ワルダクミをしてたということになる。

いやはや、闇の深さと広がりにため息が出る。

写真は新たに渦中に仲間入りしたテジャド。

それにしても……

アバロスに辞任を要求したアルメンゴルが、テジャドによって辞任を要求され、今度は、そのテジャドがアバロスの右腕によって、名指しされる……。

何なの、このブーメランの連鎖は。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20240301/psoe-exige-comparecencia-tellado-vinculacion-caso-koldo-explicacion/15993062.shtml