見出し画像

刺されたあの子

その子のことが大好きで、ずっとプレゼント持って、通ってたひとがいたんだって。

そのひとは、その子が、大好きで、大好きで、こっちを向いてほしくて。

なのに、ある時、その子が言ったんだって。

「あんたのことなんか、ちっとも好きじゃないし、全然待ってないから!」

って、啖呵を切るように。

そしたらね、
次にそのひとが来たとき、その子、刺されちゃったって。

そのお店で働いていたってひとが、ため息をつきながら言ってたよ。

「いくらそう思っててもさ、それを言葉にしちゃいけないよね。商売だってさ、心がなきゃ。相手の存在をそういう風に扱えば、こういうことになっちゃうわけよ。」

刺されたその子は、そのまま帰らぬ人となった。

自分にとって、どうでもいいひとに、どうでもいい扱いをして、その子は命を落としたんだ。

なにが正解だったんだろう?と、私は思った。

どこかでいろいろな歯車が、ずれている気がした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?