刺されたあの子
その子のことが大好きで、ずっとプレゼント持って、通ってたひとがいたんだって。
そのひとは、その子が、大好きで、大好きで、こっちを向いてほしくて。
なのに、ある時、その子が言ったんだって。
「あんたのことなんか、ちっとも好きじゃないし、全然待ってないから!」
って、啖呵を切るように。
そしたらね、
次にそのひとが来たとき、その子、刺されちゃったって。
そのお店で働いていたってひとが、ため息をつきながら言ってたよ。
「いくらそう思っててもさ、それを言葉にしちゃいけないよね。商売だってさ、心がなきゃ。相手の存在をそういう風に扱えば、こういうことになっちゃうわけよ。」
刺されたその子は、そのまま帰らぬ人となった。
自分にとって、どうでもいいひとに、どうでもいい扱いをして、その子は命を落としたんだ。
なにが正解だったんだろう?と、私は思った。
どこかでいろいろな歯車が、ずれている気がした。
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