コロナウィルス、コロナワクチンと老化
はじめに
コロナウィルスによる重症化からの回復と、コロナワクチンの副作用からの回復には老化が大きく関わっているという私見を書きます。ちょっと斬新な視点からです。
当然治療法にも関わる大切な考え方と思っています。
2週間前まではそのような考えはまったくなく、自分でもその結論に至ったことが驚きです。コロナウィルスと関連の深いACE2(アンギオテンシン変換酵素2)を文献で調べて行く中で分かりました。
昨年より生理学的な老化を単なる好奇心で調べていました。 それとの繋がりもあって、それも驚きです。「人生に無駄はない」の言葉を実感しています。
1. ACE2の数と年齢
これまでは、ACE2の数は加齢と共に増えるので、子供と若者はその数が少ないので重症化しないと言われていました。 ネット検索では、この従来説を裏付けるようなデータがしっかりした文献を見つけることができませんでした。
それに対してて以下の内容の文献を見つけました。
PPLoSOne。2020; 15(10):e0240647
PMID:33112891の論文「SARS-CoV-2のエントリー受容体であるアンジオテンシン変換酵素2のバイオインフォマティック特性」があります。
肺のACE2の数は、年齢や性別が大きく関与していないと結論づけています。
2. コロナウィルスとコロナワクチンでACE2の数が減る
コロナウィルスやコロナワクチンとACE2が結合してその機能を失うといろいろな症状がでます。 ACE2に結合したコロナウィルス又はコロナワクチンは細胞に取り込まれます。 そして細胞表面にはACE2の根も無くなります。 ACE2の絶対数が減ります。
3.ACE2の機能
ACE2は体内の重要な酵素です。血管拡張、肥大化抑制、繊維化抑制、酸化抑制、血管再生などの重要な作用があります。
ACE2が働かないと肺では呼吸困難、心臓ではポンプ能力の低下(低血圧)や心臓の虚血による心筋梗塞と心不全が生まれます。 死に直結する症状がでます。
病気にからの回復にはACE2が重要な機能を担っていることが分かります。 そして減ってしまったACE2の数を増やすことが病気からの回復に必須であることも分かります。
4. ACE2の再生
細胞内で新しくACE2を作る仕組みがあります。 下図のFig.1の右下の部分を見て下さい。
そのFig.1で分かることは再生を促進するのがサーチュンとエネルギーストレスです。 もう一つはアペリンですが、サーチュンとエネルギーストレスとなればもう無条件に細胞の老化に関わることです。
ACE2の再生には細胞の老化の要素が関わっていることが分かります。
Fig.1 抜粋: Transcriptional, post-transcriptional,
and post-translational regulation of ACE2
by PMID: 27081112
子供と若者はどうして重症化が少ない?
コロナウィルスを吸い込み、肺に感染した場合を少し単純化して考えます。
1)ACE2の数と年齢は関係ないので、若くても、中年でも、高齢でも同じ数のACE2が肺にあります。 肺に入ったコロナウィルスとACE2は結合します。 結合したACE2の数は年齢に関係なく同じです。
2)同じ数のACE2の機能を失って同じように症状が現れます。 次にコロナウィルスとACE2の両者は細胞に取り込まれます。 ACE2の根ごと無くなります。 ACE2の数が減ります。
3)コロナウィルスによりACE2不足が生まれます。肺では血管拡張の低下や繊維化抑制の低下で虚血による呼吸困難が生まれます。それが悪化すると肺炎です。 それから回復にはACE2の再生によるACE2の数の回復が必要であることが分かります。
4)免疫力は年齢による差がありますが、免疫が対象としているのは異物であるコロナウィルスの排除と感染した細胞の排除です。 また免疫により発動される過剰な免疫反応(過剰サイトカイン)が対象とするものは基本的に免疫と同じです。 免疫が働いてACE2を直接再生する訳ではありません。
5)元気な子供はコロナウィルスに感染しても大した熱が出ない。
免疫反応を体内の化学反応として考えます。 感染してもそれに気かず元気に走り回っていますし大した熱も出てないので、子供特有の活発な免疫反応が現れている訳けでもありません。
以上の事実から免疫よりもACE2の再生を左右する要素が子供と若者はどうして重症化が少ないの答えになることが分かります。
Fig.1の図よりACE2の再生を左右する要素は細胞の老化に関わることです。 免疫が必要ないとは言っていません、免疫の力でコロナウィルス又はコロナワクチンの排除は必要でが、重症からの回復にはACE2の再生を促進する抗老化が回復を左右すると考えています。
細胞が若いとは何かとわざわざ説明も必要性もなく、子供と若い人のほっぺや肌は柔軟性があってプルプルです。 それは細胞が若い証拠です。 ACE2の再生が早いといえます。 細胞の老化が少ないので、コロナウィルスからの回復は早いです。
子供と若者は細胞が若く、ACE2の再生が早いことが推測されます。
まとめ
インフルエンザとコロナウィスルとの大きな違いはACE2との結合です。ACE2に対する作用がコロナウィスルを特徴づけています。
その点も併せて考えると、コロナウィルスとコロナワクチンによる重症化からの回復には細胞内でACE2の再生を高めることが大切とわかりました。 それに大きな影響を与えるのは免疫反応でなく、細胞の老化に関わる要素です。 細胞の抗老化が重要です。
具体的な治療法に対するアイデア
細胞のACE2の回復に有効なものはエネルギーストレス、すわわち食事でのエネルギー制限や糖質制限です。 また細胞の老化を改善するには、細胞内のゴミの排泄を高める糖尿病治療薬のメタホルミンを思い付きます。
これ以上の部分はこれから少しづづ調べていくつもりです。
老化に関するブログ
老化に関する私のブルグ記事が4本あります、その内から1本を紹介します、興味がある方はそちらを読んで下さい。
第4回 細胞は超巨大工場、DNAは生産計画書と設計図の例えで老化を理解
( 老化は病気、将来は治せるようになる )
参考資料
1)Bioinformatic characterization of angiotensin-converting enzyme 2, the entry receptor for SARS-CoV-2
Harlan Barker 1, Seppo Parkkila PMID: 33112891 2020 Oct 28;1
2)Vaibhav B. Patel, Jiu-Chang Zhong, Maria B. Grant, and Gavin Y. Oudit
Published: Circ Res. 2016 Apr 15; 118(8): 1313–1326.
PMID: 27081112
以上
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