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子育てママからみるまちづくりのジレンマ〜まちはスーパープレイヤーだけではつくれない〜

特定非営利活動法人自治経営 理事 水上幸子

こんにちは。最近、5年ぶりに出産し乳児に翻弄されながら毎日を過ごしています、リノベリングの水上です。今日はリノベリングの水上としてではなく、主婦であり二児の母である生活者の目線から、まちづくりについて思うところを書きたいと思います。

母になってはじめて “まち”を求める

普段の生活で、みなさんどのくらい“まち”を必要としていますか?まちづくりをお仕事にされている皆さんも、いざ家に帰ると私生活のなかで“まち”とのつながりを求める機会は意外と限られているのではないでしょうか。
まちづくりを仕事にしている私も、少なくとも子供を産み母になるまで “まち”とのつながりを感じることは少ない生活を送っていました。家をでてご近所さんと軽くご挨拶はするものの、たいした会話もなく忙しなく駅に向かい出勤する。帰宅時も誰とも出会うことなく帰宅する。自分自身が“まち”を必要としない生活を送っていたように思います。

しかし、子供ができてその生活が一変し見える世界も変わりました。お散歩と称して無意味に近所を出歩く機会が多くなり、歩くスピードはきわめて遅くなり、必然的に出会う人の数が多くなる。知らない人からも声をかけられ、人と話す機会が格段に増えました。その時はマンションで隣の家の人のこともよくわかないような環境でワンオペ育児をし、社会とも断絶された生活を送っていた分、この僅かな大人たちとの会話が自分を社会に引き戻してくれていたようにすら感じ、人生で初めて“まち”との関わりを欲していました。

コロナ禍の郊外で育まれた、より強い“まち”のつながり

その後、マンションから郊外の住宅地に引越して第二子を出産することになります。
郊外に引っ越してみて感じたのは、自分自身が家の周りつまり庭や軒先、玄関先で過ごす時間が増え、御近所さんとの関わりが否応なく生まれ始めたということでした。そして各所で言われているように、新型コロナが影響し我が家の周りでも“まち”との繋がりが強くなります。行き場を失い、家の中でエネルギーを完全に持て余していた子供たちが、自然に家の前の袋小路で頻繁に遊ぶようになったのです。当時引っ越して間もなかった我が家の娘もその輪に混じり、我が物顔で公共空間を私物化して色々なものを持ち込んで楽しんでいました。今では2階の窓越しに会話して、道路越しに糸電話を通す作戦を練っています笑。
子供たちが庭も道路も公園も関係なく自由に使い倒して楽しむ。稼ぐという視点はないけれど、民間のアイデアで公共空間を使い倒す、公民連携事業の原点はこういう風景なのかなと思わせる景色でした。そこに母親や父親が見守りのために自然に集まって、必然的に井戸端会議が始まり、そこにたまたま出てきた近所のおばあちゃんが加わり、子供たちに手作りの折り紙(クオリティ高め)や庭で育てたきゅうりをくれ、ついでに長めの昔話をきく。それこそが“まち”であり、ワンオペ育児で孤独に苦しんでいた自分が求めていたものでした。こうした“まち”のつながりの中での子育てであれば、当時ほど社会との断絶を感じることもなかったのではないかと思います。

まちづくりの分野には、まだまだママが少ない

先日世界経済フォーラムが発表した「ジェンダーギャップ指数」では156カ国のうち日本は120位というニュースが流れました。実際まちづくりの仕事をしていても、そのほとんどが男性あり、女性の中でも子育てをしている女性はさらに限られています。
実際、リノベリングが提供しているまちづくりに参画するためのプログラムも、サラリーマンの方々も参加できるようにと平日の夕方から夜にかけてのプログラムが多く、子供の夕飯やお風呂、寝かしつけの準備などが立て込むこの時間帯にママたちが参加するのは非常に困難です。(それでも参加くださっている方々には感服です。。)私自身、母になってはじめて“まち”を欲しその本質に触れたのに、ママ層がまちづくりに参加しづらい状況になっていることはまちづくりの大きなジレンマです。

まちはスーパープレイヤーだけではつくれない

まちづくりでは、事業をガンガン生み出して実践できる事業者の方々、いわゆるスーパープレイヤーたちが求められています。そういった方々は全国的にも注目され、多く特集されることによりみんなの憧れの的となって次のスーパープレイヤー候補者たちを刺激します。しかし、当たり前のことですが、スーパープレイヤーだけではまちは作れません。
忙しく駆け回るスーパープレイヤーの側で、その場に常に居て、周りの人たちとあたたかなコミュニケーションをとるおじいちゃん、ちょっとした日常的な気配りができるお母さん、新しいエネルギーを運んでくる学生たち、ただいるだけで周りが元気になる赤ちゃん、色々な属性の人が居てはじめて、魅力的な場所として育つのではないかと感じています。

誰しもが役割を担うまちづくり

私はまちづくりの会社に所属してはいますが、母であり主婦である生活者としての自分の方がまちづくりに貢献しているのではないかと思っています。誰しもが生活する中で“まち”づくりを担っているはずなのに、「まちづくり」という言葉を使うことで逆にそういった生活者との距離感を作り出しているようにも感じます。
こういった課題感からも、リノベリングでもいろんな層の人が関わり代を持てるような仕掛けを今考えています。“まち”に興味がある方が幅広く関われるまちづくりの手法であれるよう、一歩ずつ前進していければいいなと思います。

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