突然わが家にやって来た犬のこと

先住犬コロ様

不思議な犬だった。

忘れもしない、25年前の9月1日、2学期の初日の日だった。

婆ちゃんは、子供達を幼稚園に送り、いつもの陸上競技場に行った。

そして、走る仲間達と陸上競技場の外周を走り終わり、数人で道路脇に休憩していた。

すると、自転車を押したおじさんが、側を通り過ぎようとした。

その後ろを小さい犬が１匹歩いていて、私達の前でくたばる様に座り込んだ。

そのおじさんに犬の事を言うと、知らないと言って、そのまま行ってしまった。

皆んなで、撫でたりしていたが、その犬は何故か、婆ちゃんの座り込んでいるお尻の後ろに、ペタッとくっついて離れない。

走り仲間は、借家やマンション住まいで犬は絶対に飼えないと言う。

婆ちゃんはその１年前に、一戸建を新築していた。

たまたま新学期の始まる前の日の夕食時に偶然犬の話しになった。

今度の日曜にワンワン銀行（市運営の譲渡）に行って見よう。と言う話を家族でしていた。

その犬は、ノミ取り用の黄色い首輪をして、口の周りがカットされていた。

野良犬には見えなかったので、飼い主が探しているかも知れない。

取りあえず婆ちやんが、預かる事になり家に連れて帰った。

それから警察署に行き、犬の事を言うと、飼い主が１週間現れなかったら、処分するようになると言われた。

突然の事だし、婆ちゃん達家族は、犬の飼い方など全く知らない。

その犬がどんな犬種か、雄雌の区別も、何歳位かも分からなかった。

それで、近所の犬を飼っている人に聞くと、動物病院に連れて行くと良いと言われ、初めて動物病院に連れて行った。

病院で分かった事は、雌で、４ヶ月にいかない位だった。わが家で新しい歯に入れ変わった。

不思議なのは、1ヶ月間寝る時だけ家に入れて、昼間は放し飼いにしていたのに、他所に行かずわが家から離れなかった。

婆ちゃんが外出先から帰って来ると、尻尾を振りながら、出迎えて待っていてくれた。

立派な成犬に成長

ホントに不思議な犬だった。

子犬から成犬になるに連れて、容姿がどんどん変わって行った。

被毛が長く伸びて,成犬になるに連れて、なんか気品があると言うか、今までに１度も見た事のない犬種だった。

犬種の載っている本を買って、何と言う犬なのだろう。と皆んなで調べたりしもした。

コロ様の出生が判明

ある時、陸上競技場を走っている時、コロ様とそっくりな犬を６匹連れて散歩している方を見かけるようになった。

何回か見かけるようになり、思い切って「居なくなった犬がおられませんか？」と尋ねた。

それからコロ様の写真を持って行って見せると、他所に譲った犬が１匹分からなくなった犬がいたらしい。

それから了解を得て、やっとわが家の愛犬になった。

婆ちゃんには４人の子供がいたけど、コロ様と一緒に成長して行った。

特にコロ様のお陰で、長男が無事に成長していった恩は、忘れられない。

犬が飼い主を決める

皆さんは、私達家族がコロ様を飼ったと思われるかも知れませんが、コロ様が私達家族を選んで、やって来てくれたのです。

14年間でしたが、昨日のように思い出します。コロ様、ありがとう!