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無駄だと思ってたあなたとの時間が、人生を前進させてくれることに気づいたんだ

私は付き合いが悪い。
悪かったと思う。

モノづくりをする人ならわかってくれると思うんだけど
追われていて時間がない感覚。
いつもソワソワ、焦っている。

人と遊んでいる時間って、つい
「創作できない時間」という感覚を持ってしまう。

芸大を舞台にした漫画「ブルー・ピリオド」の中で
主人公の八虎(やとら)が、芸大生ではない旧友たちと
夜中まで飲み歩きながら
「帰って絵描きてぇ…!」
と心の中で叫ぶシーンがある。

あれだ。

友達も、家族も大事。
空いた時間はいくらでも遊びたい。
でも、それを全部やっていては、作品が作れない。
作品づくりにも、いくらでも時間が溶けていく。

デザイン系の学校に通っていた私は、学生時代から
家族の行楽に参加しないことが多かった。
成人式の着物を選びに行く時間も惜しくて
断り続けていたら
販売会について行った弟の顔に合わせて着物が購入されていた。笑

家族の時間を大切に思っていた母は、娘が飛び回って(もしくは部屋にこもって出てこなくて)いつも寂しかったと思う。
何度も「あんたは家族より大事なものがいっぱいだもんね」と言われてきた。

皮肉にも、その意識が少しだけ変わったのが、母の病気と死だった。
家族と過ごす時間、自分から意識してコミュニケーションをとること。
こまめに実家に帰って一緒にごはんを食べたり
親戚に連絡をしたり。
やっとするようになった。
もう、それを望んでいた母はいないのだけど。

先日「今年は登山に挑戦したい」と思い立った。
運動が目的でも、山を登ることが目的でもなくて
「湖を上から見てみたい」という独特の動機。
私、今のまちに引っ越してから
煮詰まると車で40分かけて湖を見に行くようになったんだ。

支笏湖という湖

恵庭の「イチャンコッペ」という山に登れば、支笏湖が見えると聞いて
地上から見る湖にやや飽きていた私は、今まで絶対にできないと思っていた
登山をやってみたいと思った。

父と母は、私たちが独立してから10年以上、二人で山登りに行っていた。
私は忙しいし、子どもも小さいしで興味を持つことはなかったけれど
今年は挑戦してみようと思って。

雪が溶ける前に、父と弟に店についてきてもらって、登山装備を一式揃えようと思っている。

その時に、思ったんだよね。

作業している時間
何かを生み出している時間
一人で考えている時間。
創作者にはそんな時間がまさに命、大切だけど
人と関わることって
人生を前に進めてくれるんだなぁって。

父が登山していなかったら、やってみる気になったかな?って。
腰が重すぎてあと3年くらいかかって、いざやろうとしたら体力が無さすぎて断念してそう。
ずっと後回しにしてしまった家族との時間を、楽しみにしている自分が嬉しい。

最近の私は、周りの大切な人に時間を割くことが多い。
仕事仲間や、一緒に進んで行きたいと思う人が周りに増えたからだ。

何度か「しゃおりさんって、周りの人のお世話とか焼かないで自分のことに集中したら、もっと稼げるんじゃないですか」と言われたこともある。

でも…
私、一人では進めないっていう自覚があるんだ。

どんなに、与える一方に見える時間があっても
私自身の目先の得がないように見えても

相手と共有するために、調べ物をしたり
新しい技術を身につけたり。
自分だけだと「まぁ、いっか」とだらけてしまうところ
早起きや夜更かしをして頑張れたり
期限を決めることができたり。
人のためだから、人と一緒だから進めることばかり。

だから、

「一緒にやろうよ!」
「話そうよ!」
「ごはん行こうよ!」

って言ってみる。
自分のために。

で、制作の仕事は毎月締切ギリギリになる。笑

でも、それもいいんだよ。

人と関わること、コミュニケーションにかかるコストを排除して
自分のやりたいことを極めることに全振りする人生を送って
仮に、大成功したら?

その時、周りに喜び合える友達がいなかったら、私、幸せって思えるかな?って考えた時、それは欲しいものじゃなかったんだよね

つまり凡人ってこと。
でも、幸せだと思う。

この方のツイートにも本当に共感した。
メリットデメリットじゃない、力ももらっているんだよね。

時間が足りないくらい好きな人たちと関わって、泣き笑いながらモノを作って、一人ではみられない景色を見たい。



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