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架空の人物を生きること

今、実体験も織り交ぜた小説を書いている。
ノンフィクションというわけではないが、さまざまな描写は記憶を元にした想像だ。
書いていて思うが、世間の小説家のみなさんは経験もしていないことを、読んでいて頭に映像が流れるほどにリアルに描けるのはなぜなんだろう。
どんなリサーチをすれば、創り上げた人物たちに命が吹き込まれるのか。
感情を自分ごととして感じられるのか。
年齢も性別も自分とは異なる登場人物たちの、それもそれぞれの立場を一人で内在させる術は、どうやったら身につくのだろうと思う。

そして同時に、そんなに誰かの気持ちになることができるということは、現実での人間関係の中でも自分以外の人間の気持ちを分かりすぎてしまうのではないだろうか。
感受性が強いことは優しさに繋がるが、自分と相手の境界があいまいになることは時に苦しみになる。
職業柄、人間観察が癖になっている人も多そうだ。
いちいち他人の感情を自分のものにしていては身がもたないよなぁ。

小説家の方にいつか聞いてみたい。



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