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アイスクリームの老舗ブランド"Ben & Jerry's"の称賛すべき企業ポリシー

アイスクリームのブランド"Ben & Jerry’s”を聞いたことはありますか?アメリカのアイスクリーム業界ではトップの売上を誇り、2019年には売上第一位となった、アメリカで知らない人はいない程のアイスクリームの老舗ブランドです。

一連のBlack Lives Matter運動に関して、創業者であるBen Cohen(ベン・コーヘン)氏ならびにJerry Greenfield(ジェリー・グリーンフィールド)氏が、ブランドの公式ウェブサイトに会社の表明を掲載しました。

タイトルは「Silence Is NOT An Option(沈黙はもう許されない)」。George Floyd(ジョージ・フロイド)氏の事件に言及し、白人至上主義ならびに警察による理不尽な暴力をどのように撤廃に追いやることができるのか、人々が実行できるレベルの行動をステップごとに分けて説明しています。

昨今の情勢に合わせて投稿をしたように思えてしまうかもしれませんが、実はBen & Jerry'sは過去より不等な扱いや人種差別、政治問題について常に声を上げ、時には創業者自身もデモに参加してきました。

2016年には”Democracy Awakening(民主主義の目覚め)”という人種差別、労働者の権利や賃金、安全な食糧や水の提供、医療制度、移民制度、教育制度の改革や改善などを主張する団体の一員として、「大企業や大富豪からの賄賂や癒着金などによって、政府は堕落している」と主張し、ワシントン州にて行われたデモに参加。結果的に、計300人にも及んだデモ逮捕者の中に創業者が2人とも入っているという事態に。

2017年には、提携している乳製品農家に雇われている労働者が法律で定められている最低賃金や休暇時間を与えられていない事態を見兼ね、農家への支払い資金を増加。この試みは"Milk with Dignity(牛乳にも尊厳を)"と呼ばれ、非情な労働環境で働かされている末端の移民労働者を救うステップとなりました。

2019年には、Advancement Projectsという人種による差別が廃止することを目的とする多人種により構成された国際団体と提携し、「システム化された人種差別と崩壊した刑事司法制度に終止符を打つ」という理念の元、"Justice ReMix'd"というアイスの新フレーバーを発表、限定発売しました。

様々な企業やブランドが、Black Lives Matter運動の活発化によって「私たちは黒人の人々を支援する」と表明したにもかかわらず、内部より告発され、隠されてきた人種差別が明るみになってきております。世の中の情勢や世論に合わせて会社のスタンスを表明するのではなく、Ben & Jerry'sのように常に差別や社会問題に目を向け、解決や改善に向けて各々の企業が成すべきことをする。それが企業という存在が本来あるべき姿なのかもしれません。

Source: Ben & Jerry's, CNN, FOODDIVE, statista 

Photo: Ben & Jerry's

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