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後に続く後輩たちへ〜保護者や地域からのアンケートの受け止め方〜

はじめに


私は今年、教育実習生を受け持っています。
教師の仕事が人気がないこの時代に、教師を目指そうと思っている人は貴重だと思います。
実習生を見ていると、この仕事をしていて、嫌な思いを少しでもして欲しくないと言う思いをもつようになりました。
私自身、この仕事をあと何年続けられるか自信がありませんが、少しでも後に続く後輩たちの役に立てるよう、自分の経験を少しずつ残していこうと思います。

地域への授業公開


この時期になると、保護者や地域に授業を公開するという学校も多いかもしれません。公開すると、必ずと言っていいほどアンケートが配られます。皆さんは、そのアンケートにどんなことが書かれているか知っていますか?もしくは、どんなことが書かれていたら嬉しいでしょうか?どんなことが書かれていたら悲しいでしょうか?

アンケートというのは、街中でもよく目にするものですよね。その企業がより良くなっていくために、どんなことが必要か、一般的な意見を募ると言うものだと思います。では、学校はどうでしょうか。私が見ている限り、この仕事をしていて、努力していない先生はいません。一人一人、教育と言うものに対して熱意を持っている人がほとんどです。(少し前は、学校にも窓際族と呼ばれるような人もいました。)
その熱意を持った先生たちにどんなアンケートを書いてあげればいいのか、ということを保護者や地域の方には考えてもらいたいと思っています。

嬉しかったアンケート


では、私が今まで目にしてきたアンケートを紹介します。まずは嬉しいと思ったアンケートからです。
1 先生の感謝の気持ちが書かれた言葉
2 先生へのねぎらいの気持ちが書かれた言葉
3 先生を応援する気持ちが書かれた言葉
これらのアンケートは、私たちにとって本当に励みになりました。これから教師になる方々も、こういった言葉を大切にしていって欲しいと思います。この仕事は楽しいことばかりではありません。問題に直面し、辛い気持ちを経験する先生方も多いと思います。そういった時に、これらの励ましのアンケートの言葉を胸に、自分を支えてくれている保護者の人たちの顔を思い出して欲しいのです。
また、教師も人間ですから、自分へ励ましの言葉を送ってくれる保護者の子供には、目をかけてあげようと自然に思うものです。きっと、その温かい言葉への感謝の気持ちを、その保護者のお子さんに返していこうと、自然に働きかけているのです。


悲しかったアンケート


次に、悲しかったアンケートの回答です。
1 授業が面白くなかった
2 子供が先生のことを嫌がっている
3  先生はうちの子のことをわかってくれない
といった、読んだ人の気持ちを傷つけるような言葉が並べてあるものです。もちろん、私たちにも、改善する点はたくさんあるに決まっています。飲食店や販売店などのアンケートでも、具体的な改善策が書いてある方が役に立ちますよね。それと同じで、学校に対しても具体的な改善策を書いてくれれば良いのですが、ほとんどがその保護者の感情で書かれた文句であることが多いです。(またはそれを考えるのもあなたたちの仕事でしょ、という内容が書かれています。)
子供たちにもよく話すのですが、文句を言うのは1番簡単です。思ったことをただ喋ればいいので、何も考えずに言葉を並べることができます。そういったものを人は悪口と呼ぶのですよね。
しかし、改善策を考える場合は、相手をどうにかしようと言う気持ちが生まれますから、自然と相手を思いやる気持ちも出てきます。

よく聞くのが、「ママ友も言っていた」「みんな言っていた」など、自分以外の人も巻き込んででも、自分の意見を通そうとする言葉です。自分1人の意見では認めてもらえないと思うのでしょう。そういった場合は数で勝負してこようとします。
そのように攻撃された先生は、どう思うでしょうか。先生たちも人間ですから、あの保護者の子供にはもう触れないようにしよう。あの保護者の子供にはもう関わらないようにしよう。と、その子を避けるようになります。文句を書いた保護者としては、そうやって書けば、自分の子を見てもらえると思っているのか、自分が良い気持ちになりたくて、ただ文句を書いているだけなのかわかりませんが、いずれにしても特に意味を成さないものだと言うことがわかるでしょう。


アンケートの受け止め方


これから教師になろうとしている皆さん、このような読み手を傷つけるアンケートの回答を平気で書いてしまう保護者の方もいるのが現実です。一つ一つ間に受けると、自分自身が傷つくだけです。
そのアンケートを書いた人が、自分のことしか考えていない人なのか、学校や教師、子供たちのことも一生懸命考えて書いていることなのか、そこを見定めていかないといけません。どうにかしようと一生懸命に考えている保護者の方とは、力を合わせると様々な問題が解決でき、互いにとっていいことがたくさんあります。ですから、自分にとって必要な言葉であるかどうか判断し、選んでいくことも大切です。

この仕事を目指す人たちは、至って真面目です。その裏を掻き、無自覚ながらも相手を傷つけている。これは明らかに教師に対するいじめです。一人の教師に対し、ママ友と言われる人たちと徒党を組んで文句を言う。その子供たちも同じように周りの子を傷つけ、いじめます。苦情といじめは違います。

教師になった際には、子供の人間性に疑問をもったとき、その子を育てたのはその親だということで、親子の行動に注意を向けておくことは必要です。噂や作り話で攻撃してくることがありますので、常に細かく事実確認をしていくことが自分の身を守ることになります。今の時代はいじめやハラスメントを訴えることができますので、されたことも記録に残しておくといいでしょう。

最後に

相手の人間性に疑問をもつには、自分の人間性を高めることが必要です。よく子供たちにも言いますが、尊敬できる、高め合える友達をつくることが大切です。そういった人と関わると、人間性を高めていくことができます。自分を成長させてくれる相手と一緒にいることが、いろいろなものの見方を変えていくのです。

ほとんどの保護者の方は、協力的だったり、何とかしようと努力していたりします。
そのことを忘れずに、日々過ごしていきましょう。

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