組織開発とは何か?
こんにちは。こがねんです。メガベンチャー人事で「組織開発」をしています。
先日twitterでフォロワーみなさんにこんな投稿をしたら、
たちやさんからこんなコメントをいただきました。
今後「組織開発note」を書いていくうえで「富士山の登山口」的なテーマになるので、今日はこのあたりの話をしたいと思います。
「組織開発」とは何か?
組織開発の定義は様々で、専門的にはいろいろな言葉で語られていたりしますが、僕はシンプルに「組織がワークするためにいろいろ働きかけること」くらいに考えています。
また組織開発は英語で「Organization Development」と言いまして、その略称の「OD」という言葉もよく使われるのでトリビア的に紹介しておきます。
「組織」とは何か?
そして順番が逆になりましたが、そもそも「組織」とは何か、という話もしておきたいと思います。
組織と聞くと「組織図」(ピラミッド的な階層構造図)や「組織名」(○○部△△課など)を思い浮かべる人が多いと思いますが、「組織」とは「共通の目的に向かって協働するチーム」のことです。
逆をいえば組織図に書かれたり、名前が付いたりしても「共通の目的に向かって協働」していなければ「組織」ではないということですね。
「開発」とは何か?
ついでに「組織開発」の「開発」の方も説明しておきます。
「開発」と聞くと「無理やり変えること」のようにとらえる人もいますが「開発」の本来の意味は「すでにある資源を活用すること」です。
英語の「Development」も「発達」「発展」という意味で「無理やり変える」のとは違います。
ここからも「組織開発」とは「組織が本来もつ力を発揮して自ら成長していくためのサポートをすること」だとわかると思います。
「人材開発」との関係は?
「人材開発」と「組織開発」の整理もしておきます。
「人材開発」は「組織の中の人」に働きかけてワークさせることで、「組織開発」は「組織の中の人と人との関係性」に働きかけてワークさせることです。
いわば「組織」を「人」で見るか「関係性」で見るか、という違いであり、有名な「ルビンの壺」の絵のように視点を切り替えて、「人」と「関係性」どちらに注目して働きかけるかという違いになります。
「組織」は「人の集合体」なので「組織開発」をする人は常に「人材開発」の視点も持ち合わせている必要がありますし、「組織」は「人と人との関係性」なので「人材開発」をする人も常に「組織開発」の視点を持ち合わせている必要があり常に2つのカメラを切り替えるイメージです。
「どちらが上位概念か?」みたいな議論もありますが、僕は「組織開発」の中に「人材開発」も含まれるという立場をとっています。(マッキンゼーの7Sが「組織要件」の中に「人材」を入れていますがあのイメージです)
また「どちらから始めるべきか?」というご質問に答えると僕は「人材開発」から始めるべきだと思っています。理由はちょっとスパイシーな表現になりますが「未熟な人がいくら集まっても未熟な組織ができあがるだけ」だからです。
「自己啓発」との関係は?
もう一つ「自己啓発」との関係性も整理しておきます。
「組織開発」(人材開発もですが)をする人は2つの理由で「自己啓発」に精通している必要があります。
1つ目の理由は「人材開発」も「組織開発」も最終的に目指すゴールは「主体的に発展・成長をしてもらうこと」「自らの力で変化・成長してもらうこと」つまり「自己啓発」にあるからです。
ゴールである「主体的に変化・成長していくこと」(自己啓発)がどんな状態なのか、を人や組織に働きかける人は知っておく必要があるということですね。
もう1つの理由は人と組織を変えるひとは、まずもって「自らが変わる人である」必要があるからです。
人は、自分の主張を押し付ける人に変えられたりはしないです。自分の思いをわかってくれて助けてくれる人がいて初めて変わっていけるわけです。
つまり、相手に影響を与えるためには、まず自分が相手から影響を受けなければいけないということであり、人材開発・組織開発に関わる人は自己啓発できる人でないといけない、ということになります。
「組織開発」ってどうやるの?
ここまで「組織開発」「組織」「開発」「人材開発との関係性」「自己啓発との関係性」を見てきましたが、最後に「組織開発の方法」についてお伝えしたいと思います。
僕の組織開発アプローチは「矢羽のステップ」と呼んでいるフレームになります。
図にするとこんな感じです。
「①事実」「②課題」「③解決」「④評価」の4つのステップです。
もう少し詳しく書くと「①事実の把握」、そして「②課題の設定」、その次の「③解決策の実施」、最後に「④実施内容の評価」となります。
「なんだそんなことか、当たり前のことを言ってるだけじゃん」と思った方も多いと思いますが、この当たり前ができないのが「組織開発」の怖いところです。
どんなに優秀な経営者でも、どんなに優秀なマネージャーでも、人事パーソンでも、「組織がうまくいかない」ときにすぐやってしまうのが「③解決策の実施」です。
「うちの組織は一体感がないから、飲み会をしよう」
「この組織は営業力が低いから、営業研修をしよう」
「新しくできた組織に一体感がないから、合宿をしよう」
これ全部「ステップ③」の「解決策の実施」に頭が行っちゃってるということですね。4コマ漫画の3コマ目から読み始めちゃってるということであり、起承転結の「転」から始めちゃってるということです。
その前に重要なのは「そもそもこの組織の課題は何か?」ということであり、「目に見える問題」だけでなく「目に見えづらいところで何が起こっているか」「その真因は何か」を掘り下げて考える必要がある、ということです。(これが「②課題の設定」です)
そして、さらにその前に必要なのが「そもそもこの組織で起こっている事実は何か?」「定量・定性で取れている情報は何か?」ということであり、それがない中で「②課題の設定」をしても見当外れの解決策を打つことになるということです。(これが「①事実の把握」です)
詳しくはまた別のnoteに書きますが、この「矢羽のステップ」は、おそらく今後何度も立ち戻って「いかに重要なステップか」を痛感していただくことになると思います。(事実、僕がそうでした笑)
以上が「組織開発ってどうやるの?」というお話になります。
皆で「組織開発」しよう
さて、ここまで「組織開発とは何か?」というテーマで書いてきましたが、いかがでしたでしょうか?お届けできたでしょうか?
これからもどんどん記事にしていこうと思っていますが、本記事で最期にお伝えしたいことが一点。
それは「組織開発って最高に楽しいよ」ということです。
「仲間と一緒に良い仕事をしたい」「家族や友人たちと一緒に良い時間を過ごしたい」と思うとき、自分が関わっているその人たちはすでに「組織(=共通の目的に向かって協働するチーム)」です。
「組織開発」は、仕事仲間や家族や友人たちとさらによいチームになって、さらによい協働を生んで皆で幸せになるために「自分ができること」を増やしてくれる強力な武器となります。
僕自身は人生後半戦をこのテーマに捧げようと思っている人間で、twitterの二つ名にも「組織開発するマン」と名乗っているくらいですが、是非このnoteをきっかけに「組織開発するマン」「組織開発するさん」「組織開発するちゃん」が増えて、日本という国が「組織開発」でますますいい国にUPDATEされていくといいなと思っています。
皆で「組織開発」しましょう。
それでは、また。
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