小さな生きづらさを、ひとつ減らせた話。
小さいことが、気になってしまう。
下階からかすかに漂ってくるタバコの臭い。電車やカフェでの周りの声。職場で誰かが怒っていないか。飲み会で自分の周りの空気が白けていないか。
多くの人からは「気にしすぎ」と言われる。例えばわたしが「ねえねえ、タバコの臭いしない?」と言うとき、夫は「うーん、言われてみればするかな…?」程度だったり。
たぶん、異常に "気にしい" なのである。五感が過剰なのかもしれない。
HSP(ハイリーセンシティブパーソン)の提唱者であるアーロン博士によると、こういう気質の人は世の中に15〜20%いるらしい。
逆に言えば、大多数の80%からは「それって気にしすぎじゃない?」と言われてしまうのだろう。いろいろ気になる上に、「気にしすぎ」でバサッと切られてしまう。そりゃあ、この世が生きづらいわけだ。
音に敏感すぎるわたしを救う、救世主登場
そんなわたしの「気になって擦り減って生きづらいポイント」を、ひとつ軽減してくれたものがある。
そのアイテムが、ノイズキャンセリング機能付きの「AirPods Pro」である。
「今年1番いい買い物をした!」とさえ思っている。投資した自分を本当に褒め称えたい。よくやった。高いけど。おかげでクオリティオブライフがめちゃくちゃ上がったよ!
様々なことが気になるタチのせいで、電車を含め人が多い場所にお出かけをするとドッと疲れていたのだけど、そんなわたしの「すり減りポイント」に今年新加入したのが感染だ。
周りの人がマスクをしているか、大声での話し声、せき、くしゃみ、手すりや吊革。
あまり気にしすぎても仕方がないと思いながらも、気になってしまう。
ただでさえ心配に埋もれてアップアップしていたわたしの頭は、もうパンパン。お出かけするのが以前にも増してつらくなってしまった。
そこで導入したのが、AirPods Proだった。
初めて買った「ノイズキャンセリング」機能付きイヤホン。周りの雑音をシャットアウトできるアイテム。
気になることが増えてしまった世界で、少しでも自分の負担を減らすためにぴったりな機能だと思った。
わたしにとっては高い買い物だったので、迷った(といっても1日だけだけど)末に、「今のイヤホン古いし」「仕事でも使うから」と自分を奮い立たせてポチりと購入。
ちなみにノイズキャンセリング付きイヤホンは、他にもたくさんある。けれど「わたしはiPhoneユーザーだから」という理由だけで、AirPods Proに決めた。
つまり比較検討した結果「AirPods Pro最高!」とお伝えしたいわけではなく、ここではノイズキャンセリング機能がわたしにもたらした幸福をお伝えしたいだけなの(!)。
ノイズキャンセリング機能によって得たもの
ノイズキャンセリング機能を使ったことがある人はわかるかもしれないけれど、最初は変な感覚があった。
「あ、わたしコレ無理かも?」と思うほど、変な感じだった。
周りに雑音がなくなり、代わりに機械によってつくられた「シーン」という音が流れるような感覚。
しかし、違和感を抱いたのは最初だけ。次第に慣れていく…どころの話ではなく、わたしにとってノイズキャンセリングはお出かけの必須機能となった。
「静かな世界って、こんなに居心地が良いんだ!最高!!」
本気でそう思うほど、わたしの心は軽くなり、足取りさえ弾んだ。これまでどれだけ「音」に気をすり減らしていたのかが、よくわかった。
レアかもしれないけど、こんなときも役立った
ちなみにわたしは先日、ちょっと体調を崩して入院した。その時にもAirPods Proが役立った。
世間がこんな状況だから個室の部屋に入院するのは難しく(希望者が多いらしい)、わたしには女性用の6人部屋が割り当てられた。
入院しているのは年配の方ばかりで、長い間そこにいる人も多く、全員が顔見知りになっていた。無論おしゃべりも多かった。
わたしは長くとも数日後に退院できることがわかっていたので、その会話に入りたいとは思わなかった。AirPods Proで音を遮断し、病室ではひたすら映画を見続けた。
イヤホンさえ耳に入れれば、おばちゃん達のおしゃべりも、イビキも、意識の外側へ追いやることができる。このイヤホンがなかったら、入院生活はもっとストレスフルなものになっていたと思う。
(ちなみにおばちゃんのイビキが壮大すぎて、ノイズキャンセリング機能さえも突き破ってくる瞬間もあったけども)
軽減できる生きづらさは、どんどん減らしていきたい
他にも、細かいことを言い出せばいろいろ助けられた場面がある。
家の向かいの建物の工事音を気にせず、仕事ができたこと。夫が毎日のように見る野球中継の中でも、集中して本が読めたこと。などなど。
正直これまでイヤホンは3000円ぐらいのものしか使ったことがなかったから、3万円という値段は「嘘でしょ?」と思ったのだけど、使ってみて納得。この静けさを3万円で手に入れられるなら、高くない(いや、高いは高いけど)。
神経質なわたしの生きづらさが、ひとつ軽くなったのだった。
ただ、ここまでおすすめしてきたけど、わたしが最初に違和感を持ったように、ノイズキャンセリング機能には合う合わないがあると思う。
合う人にとっては「静けさを手に入れる最高の道具」だと思うけれど、合わない人にとっては「音がコントロールされる感覚が気持ち悪い」かもしれない。
安いものじゃないから、もし検討する場合は、一度試してからの方がいいかも。
と、これまで4年間Webに文章を書いてきて、実は今回初めて「今年一番買ってよかったもの」について書いてみた。
(それぐらい良かったから…!)
音が気になってじわじわ神経がすり減ってしまう人は、参考にしてみてね。
おわり
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