ちいさなブランドを生業にするために必要なことを、1つ選ぶとしたら。
「自分のブランドを生業にするために必要なスキルってありますか?」
というご質問をいただいて、こんなふうにお返事しました。
とても月並みな返事ですが、これさえできるなら他の必要なスキルは後から身につけられるので、こうお答えしました。
ただ、最近になって「あ、こうお返事すればよかったな」と思った切り口があって。
それが、こちら。
「一番のファンである」とはどんな状態か
「自分が一番のファンであること」は、スキルというよりも "自分の在り方" という感じもしますが、とにかく個人が始めるちいさなブランドにおいては大切なことです。
もしただ単にお金を得るためだけならば、自分の楽しさは一旦置いて、とにかくニーズを見つけて効率的に応える仕組みをつくる方が重要です。自分がそのブランドを好きになれなくても、ニーズに応えることに振り切るという道もあると思います。
でもそうではなくて、自分が楽しいことで、誰かをちょっとハッピーにしたいと願う個人の営みの場合、自分自身がその活動を「大事にしたい」と感じていることが重要だと思うのです。
「自分がそのブランドの一番のファンである」というのは、つまりこういうこと。
なぜ「一番のファンであること」が大事なのか
自分がブランドのファンであるとしたら、そのブランドが健やかに続いていくことを願うと思います。
その気持ちさえあれば、「このブランドを大切に守り育てたい」と感じるはず。
そうすれば、冒頭に書いた「続けること」や「試行錯誤すること」という部分も自然とついてきます。
またその他にも、自分がファンであるということは、ブランド運営において以下のようなことも言えると思います。
ブランド運営をしていると、「運営者の自分」の思考が強くなって、数字に目が行きがちだったり、それゆえに結果が振るわないと弱気になってしまったりもします。
でも「ブランドのファンの自分」という面も持ち合わせていれば、運営者の自分が弱気になっても、ブランドの力を信じようと思えたり。
「運営者の自分」と「ブランドのファンの自分」が脳内で会議をして、ブランドを守り育てていけると良いですよね。
余談:じぶんジカンの場合、大切にしていること
わたしが運営する『じぶんジカン』の場合は、そもそも自分が「こういうプロダクトやコンテンツがあったらいいのに」と感じてきたものをつくっているので、やっぱりブランドの一番のファンは自分です。
ただ一時期、「じぶんジカンをもっと育てていくためには、自分が欲しいとは思わないけど、ユーザーさん達が欲しいと言ってくれるものも作った方がいいのかな?」と悩んだことがありました。
悩みに悩んだ末、出した結論は「やっぱり自分が欲しいものだけ作る」でした。
ユーザーさんの期待にはもちろん応えたい気持ちが大きいのですが……ただ、その声だけを頼りに「自分が欲しいとは思わないもの」を作ることは、自分の感覚ではなく他者からの評価に依存しながらものづくりをすることになってしまう。大きな企業であれば体力もあるでしょうし、それもひとつの選択肢だと思いますが、個人が営んでいるちいさなブランドにおいては、エネルギーの注ぎ先はそこではないかな、と。
それに、もしも「自分が欲しいと思わないもの」を販売したら、じぶんジカンのファンである「自分」は、とても悲しむでしょう。自分のためのブランドではなくなっていく感じがして。ひょっとしたらファンを辞めてしまうかもしれない。
そう考えて、今は「じぶんジカンでは、自分が欲しいものだけを作る」ことを大事にしています。
ここで言う「自分」は、今の自分だけでなく「過去の自分が欲しかったもの」も含みますが、いずれにせよ「自分が欲しいもの」というところは、これからも大切にしていこうと思っています。
おわり
ちいさなブランドをつくるための、ひとつの参考書のような本をつくりました。
・自分のブランドをつくってみたい方
・つくり始めたばかりの方
に向けた内容となっています。自分のお店やブランドを大切に育てるために、ご活用いただけたら嬉しいです。
【お知らせ】「ちいさなブランドの学校」2期の募集がはじまります!
個人でブランドを運営している方々が集う場「ちいさなブランドの学校」というものを運営しています。
5月〜7月に開講する2期の募集が、いよいよ始まります。
これまで総勢14名の方が参加していただき、講座後も引き続きslackでの相談や雑談、勉強会の実施など、大切にしているブランドをいっしょに育てる場となっています🌱
詳細はぜひ、こちらからどうぞ。
この記事が参加している募集
サポートもうれしいですが、記事をSNSでシェアしていただけると力になります!