好きを仕事にするのにも、いろんな角度があって
好きなことだけして、生きていきたい。
「好きなことを仕事にすべきだ」とは思わない。だけど、わたし自身はなるべく好きなことばかりしていたいと思ってる。
人によっては「そんなの甘いよ」と思うかもしれないけれど、至極まじめに「好きなことしかしなくていい日々とは?」と意気込んで考え続けた結果、今があったりする。
自分にとって楽しいことが、誰かにとっても役立つものになって、それが「仕事」になる。
"好きを仕事に" の最も大きなメリットはそこにあって。
最高に自己中心的なのに、それで成り立つ世界。自分の楽しさの追求と、誰かの役に立つことの矢印が、同じ方向を向いているところにあると思う。
そして、この「自分の好きなこと」と「誰かの役に立つこと」の矢印の方向性をあわせるのは、それほど難しいことじゃない気がする。自分がよほど特異な発想を持つ天才でない限りは、わたしの「好き」は誰か他の人の「好き」でもあるし、その「好き」を満たすための何かを働きかけることで、矢印はたいてい同じ方向を向いてくれる。
ただ、「好きなことを仕事にしたい」と思いながら、なかなか実践できない人の話を聞いてみると、どうやらそもそも「自分の好きなこと」がわからないらしい。
…というか、それは過去のわたしでもあるのだけど。
好きなことを仕事にするときの「好き」って、何なんだろう。どうすれば見つかって、それを仕事にできるんだろう。
これは、わたしの至極自己中心的な「好きなことしかしたくないなあ」というワガママからスタートして、今に至るまでのはなし。
「書く」の何が好きなのか
わたしは「書くこと」が好きだ。
話すよりも、書いて気持ちを伝えるほうが、よっぽどスッキリする。
悩んだことは書きながら自分なりの解を見つけてきたし、嬉しいことがあっても、書き記しておきたいと思う。
そんなわけで、「書くことが仕事になったらいいなあ」と思ったのが、7年前。ライターの仕事を始めたときだ。
そこから今まで、「書く」をいろんな形で仕事にしてきた。
まずはライター、そしてブログ運営、書籍の執筆。さらに、編集者として書くことをサポートしたりもした。
どれも「書く」と繋がっている仕事だけど、全部ちょっとずつ「書く」の意味が違う。
取材したものを読者に届けるために料理して出す「書く」。
Googleのルールに則った上で好きなことを書いて届ける「書く」。
伝えたいメッセージをひとつの作品として大量の文字でまとめる「書く」。
どの「書く」も、それぞれの楽しさがあったのだけど、全部が全部「これからもずっとやっていきたい」と思えるわけではなかった。
好きなことばかりやっていたい、というわたしの願望を叶えるためには、自分がどういう「書く」を好んでいるのか、というところが重要なのだと思った。
つまり、「書くことが好き」では、まだまだ荒いのだ。
「書く」の何が好きなのか、どういう「書く」が好きなのか。
もしくは、ひょっとしたら本当は「書く」のが好きなのではないのかもしれない。実は好きなのは「ペンを持っている時間」「自分の感情を言葉にして誰かに届けること」とか、そういう「書く」の先にあるものなのかもしれない。
そこまでわかってこないと、純粋な「好きを仕事に」は難しいのだということに、少しずつ気づいていったのだった。
ずっとできる「好き」って何だろう
じゃあわたしは、「書く」の何が好きだったんだろうか。
ライター業も、ブログ運営も、楽しかった。
だけど正直に言えば、「好き」の熱量を保ち続けることは難しかった。
いろいろ試して、「これじゃない」「あれはちょっと違う」とそぎ落として残ったもの。それは「思考を整理すること」と「ノートを開いて文字を書いている時間の静けさ」だった。
そういうわけで、今はこうしてnoteで自分の頭の中を整理するように、文章を書いている。また、ノートを開いて書く時間をつくるための商品をつくっている。
これらは、頭の中だけで考えていたら、わからなかったかもしれない。「これかな?」「あれかな?」と試してきたからこそ、「書く」の何が好きなのか、自分のなかでひとつずつ手にとって吟味できたのかもしれない。
だからもし、「好きを仕事にしたい」けれども「何が好きなのかハッキリしない」という矛盾した状態に置かれてしまった人は、自分が「好きだ」と思うことを手あたり次第に試しながら、もうすこし分解して見つめてみるといいかもしれない。
それの、何が好きなんだろう。
それ自体なのか、行動なのか。
どういう部分にときめいて、わくわくするのだろう。
自分を活かす可能性を探るには
もうひとつ、「好きを仕事に」と意気込んで進むなかで、意識的に考えてきたことがある。
それは、ひとつの「好き」だけではなく、複数の「好き」を組み合わせることだった。
これには2つ理由がある。
まず、わたしは飽きっぽいので、ひとつのことを突き詰めるのは難しかった。だから、複数の「好き」を掛け合わせた方が良さそうだ、と思った。
そしてもうひとつは「仕事にする」と考えたときに、ひとつの「好き」だと難易度が高いことがしばしばあった。
競争が得意だったり、その方が燃える人はそれでいいと思うのだけど、わたしは競うことがすこぶる苦手で、できれば「誰もいない道」の方がいいと感じた。だから、「好き」と「好き」を組み合わせて、自分だけの仕事をつくろうと思った。
具体的にどうやって掛け合わせたかというと、こんな感じ。
書く×考える×ノート
=書きながら考えられるノートをつくる
「書く」も「考える」も「ノート」も、わたしの好きな物事だ。
ちなみに前段で書いたように、ここでいう「書く」や「考える」は、もっとこまかく「何が好きなのか」を言語化してある。
▼書く
思考を整理すること/文字を書く時間の静けさが好き
▼考える
心の動きやその理由を考える
▼ノート
物体としてのノートが好き/紙に書く時間が好き
好きな行動や、好きなものを掛け算すると、かなり膨大な数の組み合わせが誕生する。それらのどれも「仕事にならない」なんてことは、きっとないと思う。
ちなみにわたしも最初からドンピシャ「書く×考える×ノートにしよう!」と思ったわけではなく、いろんな組み合わせを試してみたら、これが一番「好き」だし「仕事にできる」から、今それをやっているのである。
「好き」を分解して、組み合わせていく
まずは、「好き」をもっとじっくり見つめてみること。
何が好きなのか。どんなところが良いのか、また、その対象によって何がもたらされると「好き」と感じるのか、などなど。
そうして分解してみた「好き」を、今度は組み合わせて可能性を広げてみる。
これはあくまで「わたしはこうしたよ」という一例でしかないのだけど、良かったら、試してみてね。
おわり
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「じぶんジカン」は、自分と向き合う時間をつくるノート達を販売しています。
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