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地方移住して3ヶ月 / 東京育ちのわたしが驚いたことTOP3

2024年2月に静岡県・伊豆高原へ引っ越してきて、はや3ヶ月が経ちました。

「いつか自然豊かな場所で暮らしてみたい」という自分の願いを今世で叶えてみようと考え、えいやっと思い切ってこちらにやってきました。

しかし、なにせわたしは、東京育ちの世間知らず。

事前に描いていたイメージとは違うこともたくさんありました。もちろん「都会とは違うのだ」と覚悟してきたのだけれど、その見積もりが全然甘かったな〜、と。

ということで、地方移住して3ヶ月の記録を以下に綴ってみます。


そもそも静岡県・伊豆高原へ移住した理由

伊豆高原の観光地「大室山」からの景色

「いつか自然豊かな場所で暮らしてみたい」と、思っていたことが一番大きな理由です。

東京の江東区という、わりと都会で育ちました。東京駅まで電車で15分ぐらい。高校も東京、大学も東京、そして都心の会社に就職し、満員電車に揺られる日々。

便利だけれど、息苦しい。刺激が多いのに、つまらない。

いつしか「東京ではない場所のほうが生きやすいのではないか」と感じるようになりました。


これまでの引っ越し歴

伊豆高原近くの赤沢温泉からの景色

そんなこんなで、結婚してからは少しずつ東京を離れる引っ越しを重ねました。

「海の近くに住んでみたい」という漠然とした想いから、まずは東京から横浜へ。そして横浜から湘南へ。さらに湘南から静岡県・伊豆高原へ(今ここ)。


自分のお店を持ってみたくて地方へ

店舗となる物件

自然豊かな暮らしという夢とは別に、もうひとつ叶えたかったのが「自分のお店を持ちたい」ということでした。

わたしは今文房具のブランドのWebショップを運営しているのですが、その実店舗を持ってみたい。できればカフェ併設にしたい。夫がやりたがっている本屋さんも実店舗でいつか開いてみたい。

そしてそれを金銭的に叶えられる場所を探していたら、どんどん東京から離れていった……という結果論みたいなところもあります。


夫婦ふたり暮らしなので気軽に挑戦できたとも言える

わたし達は夫婦ふたり暮らしで、昨年「子どもを持たない」と決めたことにより、「だったらお店づくりや地方移住に挑戦してみよう」と決断できました。

そのあたりの話は、こちらのnoteに。

古民家平家の工房兼店舗と、アパートの家で暮らしています

地方移住と言っても、暮らす家の形によっては大きく印象が異なる気がします。例えば古民家に住むのと、新築マンションの高層階に住むのでは、ぜんぜん暮らしが変わりそうです。

わたしは今、古民家の平家を工房兼店舗としてセルフリノベーション中なのと、それとは別に築浅のアパートで暮らしています。

そんな人間の地方移住の感想だと思って、参考程度に読んでもらえたら幸いです。


前置きが長くなりましたが、ここから地方移住してみて思ったことをまとめていきます。


自然豊かな地で3ヶ月暮らして驚いたことTOP3

伊豆高原を一望(大室山リフトより)

書きたいことがたくさんあるのですが、ある程度まとめてお届けするために、ランキング形式でどうぞ。

まずは「自然豊かな地で暮らしてみて驚いたことTOP3」です。

(おそらく自然豊かな暮らしをしてる方々からは「そんなの当たり前でしょう」と言われてしまう内容かと思うのですが、東京育ちの世間知らずの感想だと思って笑ってやってください!)


3位:ネットスーパーの配達がない / 配送の指定ができない

「スーパーが近くになくても、今はネットスーパーもあるし大丈夫でしょう!」

と、移住前は思っていました。

しかし実際に引っ越して来てみて、伊豆高原エリアは大手ネットスーパーの配達がないエリアだと知りました。

地元のスーパーの配達サービスみたいなものはあるのですが、それもそんなに使い勝手が良いものではなく(おそらく年配の方などどうしても買い物に行けない人向け…?)。当然ながら出前館やUberの配達もありません。生協とかは調べていないので、ひょっとしたら生協はあるのかなあ。

また、佐川急便など一部の運送会社の時間指定配達ができないエリアでもあります。これまで当たり前のように日時指定して配送してもらっていたので、それも驚きでした(ヤマト運輸は営業所が近くにあるため時間指定ができます)。


2位:夜19:00には真っ暗で店もほとんどやってない

移住前に下見に来た時から思っていたのですが、夜の暗さが尋常ではないです。街灯も少ないし、お店も19:00ぐらいに閉まるところが多いし、真っ暗!

誰も歩いてない、車もほとんど通らない、静かな夜。

まわりのおうちの電気も早めの時間帯に消え始めるので、おそらく22:00ぐらいには寝ている人が多いのではないかと思っています。


1位:知らない虫と日々出会う驚き

伊豆高原に移住してくるにあたって、もっともネックだったのは「虫がめちゃくちゃ苦手」ということでした。親からも「虫嫌いのあんたが田舎で暮らせる気がしない…」と言われるほど。

そんなわたしが自然豊かな場所に来てみてどうだったかと言うと、やはり虫の数や種類にめっっっっちゃくちゃ驚いています。人生で見たこともない虫達と出会う日々です。あまりに衝撃すぎて、夢でうなされることも(!)。

ただ良かった点としては、家や工房兼店舗の中ではそれほど虫に出会っていません。コバエやアリぐらい、今のところ。おそらく、わたしの対策が功を奏しているのだと思いたい(隙間を埋めまくる / 忌避剤などの対策 / 綺麗に保つなど)。

自然豊かな外は、虫も含めた生き物達の世界であり、その中にわたし達も暮らしている……という認識なので、外にいるのはそんなに嫌ではないのです。あ、でも近づいてきたら嫌です。お互いのプライベートゾーンを侵食しないよう、うまく生きていきたいなと思っています。


「移住前の自分、甘かったな」と思ったことTOP3

家から近い漁港

続いて、自分の見積もりが甘かったと痛感していることTOP3をどうぞ。


3位:庭の整備って本当に大変

永遠に草むしりしてる庭

工房兼店舗は、庭付きの古民家です。

土地が300平米あり、建物は50平米ぐらいなので、残りの250平米は庭で、その管理が想像の1000倍くらい大変でした。

そもそも庭を持つこと自体初めてなので、雑草がこんなに早く成長するなんて知らなかったのです。

夫は草むしりが楽しいようなので、日々雑草を抜いたり整備したりすることを楽しんでいますが、それでも追いつかないくらい。

これから管理しやすい庭になるよう、整備していかなければなりません。


2位:車がないとハードモード

一応徒歩20分圏内にスーパー等がある立地を選び、家と工房も徒歩圏内なので、「車は落ち着いたら買おう」みたいに考えていたのですが、移住してきて早々に「そんなんじゃ生活が大変でしょう」と心配してくれた不動産屋さんのご好意で車を貸していただきました。

それもそのはずで、徒歩20分といっても、都市における徒歩20分(コンビニやカフェなどいざとなれば休憩できる)と、田舎における徒歩20分(途中に建物がなく坂道も多い)だと、かなり消費エネルギーに差があります。雨が降ったり風が強かったりすると、もう大変。

なかなか、やっぱり、車がないとハードモードだと実感しました。

といっても実は、わたしはいまだにペーパードライバーなので、夫の運転に頼りっきりです。いつかペーパーを卒業するのだろうか……。


1位:思っていた以上にお金がかかる

工房兼店舗

いちばんの衝撃は、これかもしれません。思っていた以上に、お金がかかる。

地方は家賃も安いし、お金を使う娯楽施設も少ないし、生活費が安くなるのでは?と思っていました。たしかにこの2点においては、使うお金は少なくなっています。

しかし前述の通り、車にかかるお金(中古車購入 / 車検 / ガソリン代 / 車の保険)もあれば、虫対策のためのお金(都市に住んでいた頃の3倍ぐらい対策グッズ買ってる)、そして都市に比べて電車やバス代が高いこと、庭の整備にかかるお金などなど、思っていた以上にお金がかかっています。

もう少し生活が整ってきて、どこにお金を使うのが効率的かがわかってくれば、出費も落ち着くのでしょうか。今はまだ、ぜんぜん都市に住んでいた頃より、お金使ってます……!


めっちゃ懸念してたけど心配無用だった人付き合いのこと

地方移住といえば「その地の人間関係に馴染めるか」という課題が大きい気がします。わたし達も、それをとても懸念していました。

しかし結論、静岡県・伊豆高原においては、この心配は無用でした。

なぜかというと、伊豆高原という場所は別荘地で、わたし達が工房兼店舗の物件を持った場所も両隣が別荘。近隣にご挨拶してみても、別荘として使っている方や、もともと別荘だったけど移住してきた県外の方がほとんど。つまり「地元感」みたいなのが少ない場所なのです。

会えば立ち話をしますし、知らない人でもすれ違えば挨拶をするローカル感はありますが、地元ならではの集まりみたいなものはほとんど無いようです。ちょっと都会っぽいサッパリした人間関係。

あまりにサッパリしすぎているので、ちょっと拍子抜けというか、寂しさもあるぐらいです。「別荘地内で餅つき大会とか焼きそばパーティみたいなこともやるんだよ」と自治会長さんが言っていたので、いつか開催される日が楽しみです。


地方移住についてのQ&A

このnoteを書くにあたって、事前にInstagramで質問を募ったので、そちらに回答していきます。

Q. スーパーやコンビニなど、生活面は不便ですか?

A. 不便です!

都市と比べたら、圧倒的に不便です。コンビニは全然コンビニエンスな場所にありません。車で5分。我が家の場合は、コンビニよりスーパーの方が近いです。

ただ、生活に困るほどではないです。3日分ぐらいまとめて買い物をして、ちょっと多めに冷凍庫に食材をストックして……ぐらいでどうにかなっています。


Q. 知らない土地で不安になったりしなかった?

A. めっちゃ不安でした。

「移住する人って、その地に知り合いがいたりするんでしょ?」と思う人が多いと思いますが、わたし達はまったく縁もゆかりもない場所に来てしまったので、めちゃくちゃ不安でした。

ただ工房や家を仲介してくれた不動産屋さんがとても良い人で、いろんな面倒を見てくださったので(そして今もお世話になっている)、その点で少し救われた気がします。

もしもわたしが一人暮らしで、一人で移住しようとしていたら、たぶん不安すぎて無理だったかもしれません。夫がいるので、心細くてもどうにかなるかなという気持ちでした。

とはいえ、まあ言っても地元・東京まで電車で2時間弱。いつでも帰れる距離です。また、ダメだったら都市に戻ればいいという気持ちもずっと持っています。


Q. 現地のお友達はできた?

A. 少しずつ人との繋がりが増えたらいいな!

お友達という程ではまだなさそうですが、地元のカフェのオーナーさんと話せるようになったり(何か一緒にやりましょう!ぐらいの感じ)、近隣に住んでいる人とLINE交換したり、同じ伊豆エリアで発信しているYouTuberさんと連絡を取ってみたり、少しずつ広がっている感じがします。

伊豆高原に来てから出会う人たち、みんないい人ばかりです。いい場所だなーと思っています。


Q. 住む場所で気持ちや生活の変化はありましたか?

A. かなり変わりました!

わたしは周囲の環境に影響を受けやすいので、どこに身を置くかで自分自身が大きく変わります。

東京にいた時は、いつも緊張状態で、どこか見栄を張っている感じ。みんなが認めてくれる「ちゃんとした自分像」をつくっている感じがありました。

ひとつ前の神奈川県・辻堂に引っ越した時、海街のゆるやかな空気に自分もほどけて、どんどん心がやわらかくなっている感覚がありました。辻堂は、とっっても良いところです!

そして静岡県・伊豆高原にきて、さらに自然に囲まれる環境の中、日々を味わうこと、自然の一部として生きることを大事にしたいと思うようになりました。より自然体になってきた、というか。

また、生活も大きく変わりました。

前述の通り、伊豆高原は夜が非常に静かなので早く寝るようになり、朝6:00には起きていることが多いです。これまで24:30に寝て8:30に起きる生活だったので、だいぶ朝型にシフトしたと思います。健康的。


いろいろあるけど、やっぱり移住して良かったと思っている理由

近くにある赤沢温泉、めちゃおすすめ

いろいろと驚いたことを書き連ねましたが、それでもやっぱりわたしは、移住して良かったなと思っています。

今のところ「ここでは暮らしていけない」と思うような致命的なこともないですし、「自然豊かな場所で暮らしてみたい」という積年の想いを叶えたことで人生は確実におもしろくなった気がしています。

伊豆高原は素敵なカフェも多い

移住前に母から「田舎で暮らしてみるなら、若いうちが良いんじゃない」と言われたことがありました。

これは本当にそうだなあと実感していて、もしもわたしが60代で都市から伊豆高原へ移住してきたら、あまりに不便な生活と、坂道の多さと、庭の重労働に心が折れていたかもしれません。というか、身体が辛いかも。病院が少ないのもデメリットです。

わたし自身「永遠にここに住もう」なんて決意して来たわけではなく、「とりあえず10年くらいは住んでみよう」の気持ちです(店舗物件を買うための融資の返済が10年なので!)。その後のことは、何も考えていません。

今はとにかく、自分の知らなかった世界が開けた喜びと、おもしろくなってきたぞというわくわくを抱えて、日々を楽しんでいこうと思っています。


おわり


●お店づくりDIYはYouTubeにて

●お店は2024年冬頃OPENを目指しています

自分と向き合う時間を持つための、ひとりでのんびり過ごすカフェをつくっています。運営している『じぶんジカン』のコンセプトを体現するカフェになる予定です。



●新作エッセイ集、発売しました

以下2冊のSOLD OUTしていた既刊エッセイ集も再入荷しています。



運営している「じぶんジカン」では、自分と向きあう時間をつくるノートをお届けしています。もっと心地よく自分を生きるための一歩目に、よかったらどうぞ。



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