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中国で「チェキ」が爆発的に人気な理由

インスタントカメラ「チェキ」。皆さんも昔使った経験があるのではないでしょうか?FUJIFILMのロングヒット商品です。

もうしばらく使ってないなぁと思っている人が大半かもしれませんが、日本では実は品薄状態になったとニュースも出ましたし、同様に中国でも手に入らないくらいの人気なんです!

デジタル先進国で何でインスタントカメラが人気やねん!って話なんですが、実は「推し活」に必要なアイテムだからです。

日本でもアイドルなどの握手会の「課金アイテム」として知られています。一般的にはツーショット1枚500~1000円などの価格帯で販売されており、アイドルはこのチェキの売上が自身の収入になることも多く、ファンとしても何とか買い支えてあげたいと思うわけです。

翻って中国。実は中国でも同じように使われています。つまり日本の「推し活」カルチャーが、一部若者にほぼそのままの形で伝わっているのです。

ただ、値段が違います!中国だと1枚二千円とか三千円とかでも飛ぶように売れていくのです。
日本からすると「え?」と思う金額ですが、その人が有名であれば中国では特に反感を与えない金額感です。そもそも会場に来ているファンの中でも、並んだ数十人くらいしか買えない商品なので。

もちろん、撮って終わりではなく、そこにサインを入れてその間お話できるという時間も含めた金額なのですが、推し活の熱量の違いみたいなものを感じます。

とある中国の大学で行われたポップアップイベント

中国の若者を理解するキーワードとして「儀式感」というものがあります。面倒なことでも手間がかかることでも、それを「実行していること」自体に気分が高揚する心理的な効果です。つまりはアナログなプロセスが大事で、そのプロセスが実体験の満足感を引き上げてくれるし、そのプロセスが「動画映え」するのであればシェアしてバズが生まれる、というロジックです。

一般的にはアミューズメント施設の入店前の事前説明がお芝居形式で行われたり、レストランのコースのメインディッシュが小さな箱の中に入れられて届けられたり、そういった演出の類だと思っていただければと思います。

そういう意味で、好きな有名人(もしくは友人)と出会い、アナログな写真にアナログなサインや落書きをしてもらい、アナログな時間を一緒に過ごすことが「儀式感」の一つとして、却って特別な体験であることを押し上げる効果があるのかも知れません。

実際、直近弊社が中国イベントブッキングした方は、1時間ちょっとのサイン会の時間でチェキ3,000円で100枚以上売って帰ってきました

中国で知名度がある場合、そういったオフラインのビジネスも考えられますし、中国のファンだってそれを求めているのです。

ちなみに、中国といえばそこに追従する企業が現れて価格競争を仕掛けてくるのが常ですが、実はチェキに関してはインスタントフィルムの技術がすごすぎて追随を許していない状態だそうです。

ただ、最近シャオミがポケットプリンターなるものを開発してめちゃ話題になっています。

AR機能が付いていて、スマホを印刷した写真に向けると動画が流れるようにできたりすごいハイテクなんですが、推し活好きの皆さんはもっぱらチェキ派のようなコメントが多い印象です。市場をひっくり返すことができるのか注目です。

そんな訳で、中国の推し活事情の紹介でした!

本日はここまで。謝謝閲読!

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