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読書メモ17

81.不便益のススメ

必ずしも、不便=わるいもの 便利=良いもの ではない発想の本
どこでもドアはあったら便利そうだけど、どこでもドアを使った旅行より乗り物を乗り継いだり自分の足で行った旅行の方がオモロいんじゃない?的なこと
チート使ってゲームで無双してもすぐ飽きちゃうでしょ。という発想は、便利にするために大切なことを見失わないようにするために重要なことなのかも。

著者は京都大学の川上教授で、人工知能や進化論的計算手法をシステムデザインに応用してきたが、京都大学共生システム論研究室に配属後、人と人工物の関係を考え直し、「自動化」に代わるデザインの方向性を模索中。というおもしろい経歴。

不便益を使ったデザインについては『「人工物に囲まれた生活の弊害」に警鐘を鳴らすトレンドでも,「昔の生活に戻れ」と主張する市民運動でも,単なるノスタルジー でもなく,不便益を活用するシステムデザインの指針を研究しています。』と説明してて、混じり気のない感じがすごくわかりやすい。

それにしても、岩波ジュニア新書っていうシリーズだったので読みやすかったけど、内容は結構専門的な視点で面白かった。これを読むジュニアは将来有望そう。



82.宮城壮太郎

昨年に世田谷美術館でやっていた展示会の図録兼読み物
宮城壮太郎は大学の大先輩にあたるプロダクトデザイナーで自分の好きなデザイナーの一人。デザイナーとしての個性を前面に主張するような感じではなくて、縁の下の力持ちとしてのデザインが表れていてかっこいい。
あ、それも宮城壮太郎だったんだ、みたいな製品も多い。
どこのオフィスにもあるアスクルの製品の多くは宮城デザインで、どこのオフィスにもあるようなモノだからこそ馴染むデザインが徹底されていて素敵

人が使うモノである以上、しっかり使えて尚且つ美しいモノ。という哲学は自分の中にも留めておきたい。

83.リバー

分厚い、、、

去年めちゃくちゃ流行ってた犯罪小説。
図書館で予約したものがようやく到着。分厚い。650ページ越えの大作は通勤電車で読むのも少々大変だった。

内容は本よりも分厚いしっかりとした深い内容になっていて面白かった。
なんというか出てくる登場人物も設定も細かくてリアルですごい情報量なんだけど読みやすい。

最後の方まで犯人は確定しないのだけど、こいつが犯人!?というようなサプライズ感よりも事件に関係する人々の思いや行動を細かく体験していく中で犯人が見つかる、達成感のある内容。ミステリーというよりも事件に関係する人全員の物語って感じ。

大人気の作品なので、これだけの分厚さがあっても読もうと思えたけど、口コミなかったらなかなか勇気が出ないサイズ。

84.おいしいごはんが食べられますように

写真撮り忘れた。
去年の上半期の芥川賞受賞作

ごはんを中心に主に3人の関係を描いた小説
恋愛要素もありつつも、なんかこう現代ならではの生きづらさみたいなのが表現されていて面白かった。

個人的には共感する部分も多くて、モヤっとしていることに折り合いつけながら仕事する感じとか、リアルだなあと。

タイトルが可愛らしくて、表紙も明るいので、もっと軽い話かと思いきや、思ったより暗い部分も描かれていて深みがあってすごかった。

あと、リバーの後に読んだのであっという間に読み終わったけど、読後感はずっしりで読み応えを感じられた。

85.初めてのUIデザイン

入社して間もない頃に、UIデザインについて意見を出す機会があって、デザイン出身者として下手なこと言えないと思い、購入した一冊。

基礎の基礎から丁寧にまとめられていて、デザイン専門外の人が読んでも理解してくれそう。実際にソフトウェアエンジニアの後輩に貸しても好評だった。

UIは製品とユーザーとの重要な接点を担うわけだけど、考え方や情報の整理の仕方はとてもロジカルで面白い。

改めて読んでみると、必要な要素の整理やプロトタイピングの心構えなど他のものづくり、例えば機械設計なんかでも大切なことが多くて、3年前に読んだ時とは違う気づきがあって良かった。


改めて同じ本を読んだ時、その時の状況とかで全く感想が違ったり、考えることが違う気がするから、少しのコメント程度でも書き残せるといつか自分で読み返した時楽しそう。もっと読んでコメントためて、過去の自分のコメントみて思い出に浸るやつやろう。



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