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読書メモ18

86.母という呪縛 娘という牢獄

友人がやっているラジオで紹介されていた本を読んだ。友人の感想を聞いてから読む本は新鮮。

母からの支配の下、医学部合格へ向けて9年も浪人した女性が、母を殺害してしまった事件の経緯を取材をもとに書かれた本

母親は亡くなっているので娘視点が主であるけど、ラジオで友人も言っていた通り、母親は母親で苦しんでいたことが伝わってきた。

この本を読んだ後、人間関係のことについて考えていたけれど、やっぱり家族という関係はかなり特殊だなと。自分では選べないし、なかなか抜け出せない関係であるからこそ、自分の人生への影響は大きい。

そこでの不協和とかに対する解決ってあるんだろうか。
友人とか学校の先生とか家族以外に頼れる場所があるといいけど、親ってそこすら制限できてしまう場合もあるからな。

87.きのうの影踏み

辻村深月さんの短編集。分類するならホラー。
そんなに分厚くないのに13も作品が収録されていて嬉しい。

世にも奇妙な物語とか、本当にあった怖い話とかを通しでテレビで見たような読後感。短い話はほんの数ページで終わるし、しっかり目に怖いのもあれば、不思議な話、ちょっと感動系の話が揃ってて楽しかった。

それにしても自分の子供が取り憑かれる系の話、怖い。

88.人間は料理をする 火と水

オモコロの記事で紹介されていて面白そうだったので。
本の紹介はオモコロのプロの記事をご覧ください。絶対読みたくなるので。

この本は筆者が人間と料理の関わりを、料理を学びながら取材していくストーリーになっていて、特に料理を錬金術の「火」「水」「空気」「土」に分けて捉えているのがすごく斬新

ここでは、そのうち「火」「水」をテーマに展開される。

「火」ではバーベキューが主題。日本人の自分にとってバーベキューといえば、河原とか庭とかで炭火の上に網を敷いて肉や野菜を焼くアレだけど、
本場アメリカのバーベキューは豚を丸ごと時間をかけて焼くかなりハードな料理。
筆者はバーベキューを学びながら、人と料理、人と火の関わりや歴史を紐解いていって、めちゃくちゃ面白かった。サピエンス全史の料理版のような記録に基づいた話もあれば、神話や迷信のような切り口の話もあって面白い。(最初の豚の丸焼きは火事から生まれて、また食べたい人々は各々の家に火をつけた、とか笑)
とにかく「火」を駆使して、いろんなものを食べられるように変化させた人間は劇的に効率的にエネルギー補給できるようになったので、マジでアツい(火だけに)

「水」では鍋を使った煮込み料理。鍋の登場は料理の歴史でも革命らしい(鍋の次の革命が電子レンジらしい)。煮込むことでいろんなものを柔らかく、美味しく変化させる。確かに言われてみればすごいと思った。
特に、出汁の話が面白かった。旨味というのは甘味に並んで無条件で人間が好む味らしく、母乳にも含まれるらしい。日本の合わせ出汁も奇跡的な位置付けて紹介されてて嬉しかった。

89.人間は料理をする 空気と土

ここでは「空気」と「土」をテーマに料理と向き合っている。「空気」も「土」も発酵を取り扱っている。発酵は、保存面でも栄養面でも人間が生み出したどんな加工法よりも優れているそうだ。

「空気」では、パン、「土」では野菜、肉、酒の発酵を扱っている。

人間の中には約1キロ分の微生物が住んでいて、その生物の栄養も取らないといけないみたいな話が面白い視点だなと思った。

人間は料理をする2冊を通して、料理って所謂家事の中で唯一クリエイティブな仕事で、最も人間らしい行為なのかなと思った。

原書では「Cooked」ってタイトルだけど、邦訳の「人間は料理をする」ってめっちゃ良い訳だと思った。

90.かこさとし 子供達に伝えたかったこと

絵本作家のかこさとしさんの人生と作品を辿っていく一冊

かこさとしさんの作品は、だるまちゃんシリーズやカラスのパン屋さんとか持っててよく読んで好きだったんだけど、

かこさとしさんがゴリゴリの画家で、ゴリゴリの技術者だとは知らなかった、、、

さらにびっくりしたのが、かこさとし作の子供向け科学技術本を何冊か持ってて愛読してた。あの宇宙の本とカラスのパン屋さんが同じ作者とは。科学系の本はめちゃくちゃ絵が細密ですごく面白い。

自分の幼少期は想像以上にかこさとしに支えられてたかも。



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