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読書メモ20

96.挑戦 常識のブレーキを外せ

大好きな藤井聡太7冠とノーベル賞受賞の山中伸弥教授の対談本

お二人はこの対談が初対面ではなく、これまで何度も会う機会があったようで、仲が良い感じが伝わってきて嬉しかった。

特に、山中教授から仲が良いからこその素人質問がよかった(電車好きの藤井さんに対して「乗った電車の駅名とかはすべて覚えているんですか?」など)

お互い別の分野でトップの活躍をしている中での心構えや人工知能との付き合い方などが主なテーマになっていて、お二方ともしっかり自分を持ちながら相手の話を吸収している様子が対談からも伝わってきた。

「もし棋士になっていなかったら何になっていましたか」の質問に対して、「それは将棋よりもはるかに多い分岐があるので難しいですね」と答えていて、確かに人生は、それこそ人工知能なんかでも読みきれないほど無限に広がっているな、と勝手に感銘を受けてしまった。

97.機械設計の基礎知識-はじめて設計をする人へ


機械設計の基礎の基礎が詰まった本
機械設計の分野は割と完成された分野で、こういう設計をするとこうだから良いみたいな科学的に解明された常識が多くある。
仮に航空宇宙分野の最先端の機械を設計する際にもこの常識は前提としてあって覆らない。

この本が発行されたのは自分が生まれる前であるが、内容は色あせずこの本で機械設計の基礎知識が分かる。
他の分野であれば、30年前の本は前提が覆っていたりするけど、今でも使えるって学問の完成度がすごい。

世の中のほとんどのものが、物理法則の上に成り立つ機械設計の基礎に基づいて設計されてると思うとなんだかすごいし、デザイナーとしても知っておきたい内容だ。
逆に、この本の内容が覆るときはどんな時代になっているだろう。
今更、基礎的な物理法則にアプデが入って「今までよりふんわりジャンプできるように重力を小さくしました」とかはできないし。
新しい材料が開発されたりで、強度に革命が起きるとかはワンチャンあるかな。
あとは生物分野からの新素材かな、自分で修復できる橋とか、今でも傷が治る塗料とかあるけどそういうの。

98.設計要点・資料(基礎編)


これ読書なのか、って言われたら微妙だけどメモなので。
この本はさっきの本の基礎を実践寄りにシンプルにまとめた本
「悪い設計」と「良い設計」とその説明がまとまっていてわかりやすい。
これも機械設計という分野らしさだと思うんだけど、いわゆる正解が存在する。
ここでいう良し悪しは機械設計の視点では覆らない。

これが「良いデザイン」「悪いデザイン」だと視点によって結構違うと思う。
たまにSNSとかで「このサイトのデザイン良くしてみた」と世の中のものを作り直して発表している人いるけどあれは良くなっているのかわからない
でも例えば(ないけど)「応力分散して部品の強度上げてみた」だったらちゃんとやれば正解が出せる。

デザインと機械設計にかかわるようになって思ったのが、
デザインは正解が無くて、機械設計は正解が複数あるイメージ
ここだけ切り取って欲しくないけど、そんな感じする。

99.「もの」はどのように作られているのか?プロダクトデザインのプロセス辞典

すべての工業製品はなんらかの工程を経て作られているわけで、材質や用途などによって作り方は全然違う。
工程の違いはデザインの違いに直結するので、一回目を通すだけでも価値のある一冊。
隅々まで読むと身の回りのものの作られ方も想像できるし見る世界が変わる。すごい。

世の中は誰かの仕事でできていて、人と人とのつながりは切っても切れない。社会人になってからより細かく誰かの仕事がどんなものか想像しやすくなってより強く思うようになった。

100.パン屋再襲撃

村上春樹の短編集
初村上春樹作品。いわゆる村上ワールドに初めて触れた。
実は、環境が変わって通勤時間に本が読めなくなったためaudibleで朗読を聴いた。

村上春樹の細かな描写との相性が悪いのか、運転との相性が悪いのか、朗読を聞くのに慣れてないからなのか、なかなか時間がかかってしまった。
それでも、村上春樹の世界観はこんな感じかというのが分かったし、たまに笑えるような描写も良かった。

audibleで聞いて初めて気づいたけど、自分は基本的に読むのがはやくて、それでいて本を読む時に一時停止して少し考えたり、遡って確認することが結構あるっぽい。

通勤時間は貴重な読書時間で、それがなくなるのは残念だけど、代わりに家にいる時に読むようになった。通勤時間での読書習慣が、そのまま生活の習慣として根付いた。


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