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【読書感想】母は死ねない

わが子が失踪した上に、自分が犯人と疑われ、心無い中傷にさらされた母親や、重度の障害のある子どもを残して、自ら命を絶った母親。

人生に居座るために結婚し、夫に生殖能力がないため「ある方法」で子供をつくり、居座り続ける母親など、さまざまな「母親」が登場します。

実名で書かれている方も多いです。

取材をするのがはばかられるような、過酷な状況に置かれた方にも懐に飛び込んで取材を続ける著者のプロ意識を強く感じました。

普通の母親が、想像を絶する災難に見舞われ、なぜ非難され、好奇の目を向けられるのか。

なぜ母親ばかり責められるのか。

コロナ対策のドキュメント『分水嶺』を書かれた河合香織さんの渾身の著作です。


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