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橋の下から拾ってきたという私

いつも皆不機嫌で、でも何故か居間に全員集合の
我が家は、曾祖母、祖父母、父母、兄の7人家族だった。

幼い頃兄はあまり居間にいた記憶がない。
祖父なり母が、
私を橋の下から拾ってきたのだと言う。
祖母が笑う。

私『お母さんから産まれてきたんだよ』
母『産んだ覚えはない』

ある時は、海外にいる母の妹が私の母だと言う。

そうやって私は家族から精神的虐待を受けており
こんな会話はよくされていて、
出来の良い兄は家の子で、
私は捨てられていたのを拾ってきたという話を
繰り返し繰り返しされていた。

私が自分で、自分はこの家の子なのだと分かったのは
確か小学校の半ばくらいだったと思う。

いつものように居間でそんな会話がなされている時に曾祖母が、
そんなに言ったら本当にそうなんじゃないかと
思ってしまうのではと言ったからだ。

あぁ私はこの家の子だったんだ。
棄てられていたのも、拾われてきたのも、
叔母の子なのも、嘘だったんだ。

私は既にどんなことでも
ヘラヘラ笑う癖がついていたので、
心底驚いていたけれど恐らく
同じようにヘラヘラ笑っていた。

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