「我慢」はすべき?しなくていい?
子どものころ、お父さん方のおじいちゃん、おばあちゃんも一緒に住んでました。
おじいちゃんは明治生まれ、おばあちゃんは大正生まれです。さすがに令和となると、昔感半端ない。
だから、というか当然というか、今では到底考えられないようなもろもろの事柄がおばあちゃん達にはありまして、それに伴って、我慢することを結構教えられて育ったような気がしてます。ヨメであるお母さんも、たいがい我慢が多かったと思います。
結婚して子どももできてから、わたしは実家のお母さんに「子どものとき、実はこれが嫌だった、あれが嫌だった」と、当時言えなかった分、今になってぶちぶち言って(ほんまにやな娘)嫌がられます。ところが以前、お母さんがわたしに、こう言いました。
「そやけど我慢ができる子になったのは、よかったと思ってるで」。
そうなのね。ほめてくれたのね。
とその時は思いました。でも、本当によかったんだろか。と思うことが時々あるのです。
我慢するのは当たり前??
まあ、無事にきちんと、十分に育ててもらえて、結婚して子どもも持てて、何を我慢してるの、とどこかから言われそうな気はしますが、それはちょっと置いとかせてもらって…
例えば、家族でどっか行くときとか、自分(お母さん)の希望は、ほとんど言いません。主人や子どもたちがどこに行きたいか、どこで何を食べたいか、といったことをどうしても優先させてしまいます。普通っちゃ普通なのかもしれないですけど、ちょっと違和感もつこともあります。
ここで、自分が「これ食べたい」とか言って、みんながしぶしぶついてきて、パパや子どもたちが不満げな顔でもされたら、もっとめんどくさい。
それなら、平日のどこか時間のある時に、ひとりだけで食べにくればいい、とか思うわけです。だから、その場は我慢。
えーっ、でもなんかやっぱおかしくないかな。書いてて思いました。なんでお母さんばかりがそうなっちゃうんでしょうか。
一度、家族で外食するときに、パパと子どもたちが「〇〇軒のラーメンが食べたい」と言いました。わたしは、あんまラーメン好きではないのです。
で、そのお店の向かい側にサンドウィッチがおいしい喫茶店があって、「あたしはあっちに一人でいったらダメ?」と主人に聞くと、びっくりされ、「そんな協調性のないことある??」と言われ、あきらめてラーメン。
だって、どうせ700円近く出すんだったら、好きなもん食べたい。君たちラーメン食べたいなら食べればよい。わたしはサンドウィッチのほうがいいから、しかもすぐ前にあるんだから、食べ終わったら集合でいいじゃん。
と言ったんですが、なんか皆、納得できかねます、みたいな表情で。
ほんの30分あるかないかの間だけじゃん。と思ったんですが、わたしおかしいかしら。そう思いながら、我慢しました。ま、ラーメンもおいしいはおいしいんだけど…わたしはべつにサッポロ一番で十分なわけです。
これがでも、パパや子どもが例えば「サンドウィッチがいい」と言ったならば、たぶんラーメンではなく、その喫茶店に行ったと思うのです。
最近の風潮は「我慢せずに好きなことを」
ところが、最近はどちらかというと「好きなように生きましょう」的な風潮のように感じます。
例えば、断捨離のやましたひでこさんがおっしゃるには、ごはんも一日2回、食べたいときに食べるそう。
ま、やましたさんくらいの年齢になると、もう様々な責務は終えられているわけでそれができるのでしょう。でも、若いママさん向けのコラムとか読んでみても、自分も好きなことをすることが大事、みたいなのをよく見かけます。
となると、好きにすればいいのかぁ、とその場は思いますが、どうもなかなかできそうでできないような。「こんなこと言って反対されるのは嫌」「波風立てるとややこしくなって結局めんどくさいから、ここはわたし我慢しとくのが一番手っ取り早い」とか、思っちゃいます。
それもよくないんですよねー。
よくない、と思うと、また「我慢しないようにしなくちゃいけない」となり、もうなんのこっちゃわからなくなってきてしまいます。
「我慢する」「我慢しない」のバランスと判断が大事かと思われる
そうかといって、まったく我慢できないのもやっかいでしょう。
子どもを育てている立場としては、いまの世の中に沿って「好きなようにやりたいことやりなさい」と言い切りたいものの、実際はそればかり言ってられないこといっぱいあるし。
ただ、昭和的に「我慢するのはエライ」という発想から、令和的に「我慢しないのも、自分の気持ちに忠実でエライ」という発想になるには(平成はどうしたらいいのかしら)、時間や慣れが必要な気がします。
また、その時々に応じて我慢すべきか、しなくていいかの判断を、自分でしていかないといけません。
そのバランスがうまくとれるように、徐々に自分も社会も変わっていけるといいなあ、と思う今日このころです。
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