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最後のいちにち

1年くらい勤めたパートを7月いっぱいで辞めました。

はじめから違和感を感じつつやっていましたが、思い切ってもうやめようと思い、あっさりと承認されてからはスッキリしていました。でも、辞めるのは1か月前に言わなきゃいけないから、実際やめることが決まってから1か月は行かないといけないわけで、「まだあと○回行かなきゃいけないな~」と指折り数えていました。が、

気づけば、あっという間の1か月。

とうとう、最後の日だわと思いました。


職場に入るドアが、どうしても重くてしんどいときが何度かありました。

最後の日にあけるドアは、とても平常心です。こうして開けるのはラストだ!と思いつつ入りました。


なんだかちょっと緊張していました。

どうやってみなさんに挨拶をしたらいいかなあ、と思ったからです。

私はラストまでいる時間帯のパートですが、お子さんが小さい方などは、3時ころにあがります。

なので、自分はまだ何時間か残るのに、その3時ごろ上がる人(しかも何人か)に、「今日が最後なんです、お世話になりました」と次々と言うのもねぇ、と思いました。

みんな忙しいのに、「あーはいはい、いまそれどころじゃないねん、自分のことばっかり」と思われるんじゃないかとか思ってしまいます。まあ、実際そんなには思われないとおもうけど、こっちはそう思ってしまいます。

ある程度出入り(辞めたり入ったり)がある職場だと、そういうお別れはよくあることだし、長く勤めた人ならまだしも、それほどでもない1パートさんが辞めることなど、

「あ、そうださん辞めるんだね。へーそうなんだ」という程度でしょう。だから、あまり「辞めるんです!最後なんです!」アピールは恥ずかしい。

だから、3時ころはいちばんどうしよう、と困りました。

向こうから「今日最後なんだよね。おつかれさまでした。」と言ってくれるといちばんいいんですが、そう言ってくれる人は1人だけだったので、言ってくれた人にはもちろん深くお辞儀をして感謝の意を表しましたが、

それ以外の人には、さらっと特に何も言いませんでした。なんとなく、みんなわたしが辞めることは知っているっぽかったし、まあ、いいか、と。

あ、でも、一番仲良くしてもらってた人が、前日に小さなプレゼントをくれました。わたしも用意してたので、物物交換になっちゃいました。お互い結構助け合ったので、とても寂しがってくれました。自分的にしんどい気持ちが多い職場だったけど、お互いに「いてくれて本当によかった」と言い合える人ができたのは、とても嬉しいことでした。

そして、ほんとに自分が上がる時間が近づきます。

あと10分。

あと5分。

あぁ、あと1分だ。

なるだけ平常心でいつも通りの作業をし、いつも通り片付けて、

「あのー、お菓子持ってきたんですけど渡していいですか?」

と社員さんにいうと、丁重に受け取ってくれて、おつかれさまでした、と言ってくれました。

ロッカーのものを全部出して、社内用のバッグとロッカーの鍵をロッカーに残して、会社を出ました。

「終わった、終わった!」

とひとりつぶやき、安堵感と、なぜかほんの少しの敗北感のようなものを感じながら、もうこの道を通らなくていいんだと思いつつ、帰りました。

私にとっては、またひとつの区切りができました。

あしたから、また次の仕事を頑張ろうと思っています。

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