忘れてしまうこと~クリニックの窓~
何か、非日常的なことが起こると、それは記憶として残るが、
ふとした感情は忘れてしまう。
今日初めて行ったクリニックで、自分自身、体調が悪いということはないのだが、
窓や壁に向かって、椅子が並んでいて、それぞれ、そちらを見て待っている。
なんだか、不思議な感情なのだ。
クリニックというと、横並びで、番号なり名前なりで呼ばれるのを待っているのが当たり前という感覚。
それに反するように、もしかしたらプライバシーの観点からなのかもしれないけれど、窓や壁を向く。
これがどうにも落ち着かない。
壁を向いている席は、何か、壁に足がつきそうなほど、近く、
窓に向かっている席は、外から見えるのではないかと、落ち着かない。
「3番の方、どうぞ」
そう呼ばれて、よかったと思って、診察室に行く。
クリニックの受付の男性が、ばたばたとしているのも、何かこう、落ち着かなくさせる。ファイルを持って走って診察室に行っている姿を見ると、
こちらまで、せかせかする。
それに比べて、診察をしてくれた医師は落ち着いていた。
そういうところが、やはり、精神的に患者に与える安心感という点では重要なのだ。
こういう感情は、日にちが経つと忘れてしまう。
書き残すほどのことでもないのだけれど、書いておきたい。
そう思った。
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