豆腐屋

通勤路に豆腐屋さんがある。

僕は、毎朝、そこで豆乳を買っている。

無添加、加工物は何も入っていない。

冬は温かみを感じ、夏は、もう少し冷たいといいなと感じる

人間は自分勝手だ。

在宅勤務が続き、豆腐屋の前を通ることもめっきり減った。

いつも、お母さんとおばあちゃんが出迎えてくれる。

他愛ない会話をするようになった。

アンダーアーマーのコートを着ている日に、

「うちの息子もアンダーアーマーを着ています」

なぜか、嬉しい。

日々の仕事は、画一的ではなく、かといってクリエイティブでもない。

毎日、ルーティーン的に同じことをしたいと、いつからか考えるようになって、

そこで豆乳を飲んでいる。

今日は、在宅勤務。

天気が良いので、豆腐屋まで走ることにした。

いつもと同じ笑顔があった。

僕はまだ、豆腐をその店で買っていない。

今日も、チャンスを逃した。

いつか、豆腐を買おう。

本当に小さいが、1つ、直近で叶えたいことである。


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