ゴルフ帰りの蕎麦

蕎麦ほど、ゴルフの帰りの反省会に合うものはない。

そんなことを思うようになったのは、つい最近である。

ひところは、ゴルフ帰りと言えば、焼肉。とにかく、おいしいお肉を食べたいと意気込んだが、30代半ばを迎えようとしている昨今は、

なんといってもお蕎麦。

僕は、ゴルフの帰りに、一旦家に帰り、荷物を置いてから、反省会をするという一連の流れに、若さを感じる。全く嫌いではない。

反省会と称して、ゴルフの話はあまりしないことが多い。

スコアは、その日その日で、よかったり悪かったりする。人によっても、その日がよいスコアの日だったか、否かは様々だ。

それでも、ゴルフをした皆で集って、あーでもない、こーでもないと、語り合う。

疲れがあるので、中身のある話にはならない。ゴルフの話はあまりしないと書いたが、少しはその日のゴルフに触れるひと時がある。

そういう時に、「今日の17番のあのショットはよかった」と他人のショットを思い出して、褒めてみたりする。

他人のショットを覚えていることは、ゴルフを始めたばかりの人には難しいらしい。

僕は、他人にショットを褒められて、嬉しくない人はいないと思うし、自分自身も、一言、褒められるようになりたいと思っている。

蕎麦屋は、そういう一言を言うのにちょうど良い雰囲気だ。

蕎麦を待っているひと時、つまみで一杯、日本酒をやるひと時。

「今日のあのショットよかったよね」

それだけで、日本酒がおいしくなる気がする。言われるほうだけでなく、言っている方も。

だから、ゴルフ場のお昼に、お蕎麦はあまり頼まない。

夜にとっておくことこそ、なんとなく大人である。