失ってしまうもの
レストランや居酒屋や、なじみの食事処の閉店のニュースが相次いでいる。
それぞれの事情があると思う。
一概に、こうだとは言えないが、そこに通った人たちにとっては、寂しいものだ。
きれいごとを言うつもりはないのだが、
何かを失っても、残された人の中には何かが残る。
例えば、通った校舎の多くが建て替わったけれど、
今でも、あの時の校舎でこういうことをしたという話を友達とするし、
ふと夢の中に出てきたりする。
人も同じだ。
年を重ねれば重ねるほど、人との別れが増えていくけれど、
その人の存在がなくなっても、残り続けるのだ。
僕は、小さいころそれを知らなかった。大人になって、そのことに気づいて、
死生観が変わった。
少し、大げさな話になってしまった。
好きなお店がなくなっても、そこで話した会話の切れ端や、匂いは、そのまま。
そのまま、残るわけではないけれど、残り続ける。
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