焼き鳥屋

よく家族で行っていた焼き鳥屋。

アラカルトで、メニューにある焼き鳥を一通り食べて、

父は、「もう一周」と、つくねからたのみ始める。

焼き鳥の焼き手さんは、大根おろしに卵を乗せずに出してくれる。

うちの家族が皆、卵を乗せずに食べたいわけではないが、

父の習慣を覚えてくれていると母は喜んでいる。

焼き鳥は、格別だ。

最近、お寿司屋に行って、板前さんが用意したものが順々に出てくる店が多いという話題になった。

用意をする方からすれば、それが楽なのだ。

でも、江戸前の寿司は違うはずだとその人は言う。

お客さんがネタを見ながら食べたいものを頼む。

焼き鳥もそうだ。

つくねから行きたい時もあれば、レバーはやめておきたい日もある。

本当の顧客本位というのはどういうありかたなのか。

そんなことを思って、焼き鳥を食べた。


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