テキスト生成AI「ChatGPT」を使い倒してみた
今話題の「ChatGPT」についてJPT社員のKさんに使い倒してもらい、記事化しました。今後も面白い技術やサービスについて不定期に紹介できればなと思います。
という事で本編です!
(執筆:社員Kさん、監修:CTO長尾)
ChatGPTとは
テキスト生成AI「ChatGPT」、流行ってますね。
2022年11月30日に公開されてからたったの6日でユーザー数は100万人を突破、その後も各所で話題になり続けています。
これっていったいどんなサービスなんでしょうか。
うーん……とりあえずChatGPTに聞いてみよう!
ChatGPTは2020年7月にOpenAIが発表した自然言語モデル「GPT-3」を人間が好むようにより意図を反映し加害性を低くした回答を返せるよう改良した「InstructGPT」をさらに対話特化させたモデルで、人間からのフィードバックを反映させた強化学習を行っています。
GPT-3とまだ発表されていないGPT-4の間、GPT-3.5にあたるモデルだと言われています。
質問に答えたり、間違いを認めたり、不正確な前提に反論したり、不適切な要求を拒否したりすることもできる会話形式の対話モデルです。
しかし、もっともらしく聞こえるものの事実とは異なる答えを返すこともあり、なぜなら……
ChatGPTの始め方
ChatGPTは誰でも簡単に始めることができます。
パソコンでもスマートフォンでも完全無料で使い放題!
(2023年1月6日現在Free Research Preview段階であり、今後有料化する可能性があります)
ただしChatGPTに送信する文章は送信者本人が著作権などすべての権利を持っていて、送信した文章は OpenAIが永続的に無償かつ無制限に活用するということが規約で明言されていることには注意が必要です。
ここでは、パソコンでの始め方を簡単に紹介します。
ChatGPT: Optimizing Language Models for Dialogue にアクセスし、左下の[TRY CHATGPT]ボタンをクリックし、アカウントを作成
2. ChatGPTの解説を読みながら [Next] を何度かクリック
3. 右下のテキストボックスに聞きたいことを入力
4. これでChatGPTとお話しできるようになりました!
簡単ですね!
ChatGPTの活用方法
それでは、実際に会話してみましょう。
質問
しかし、時々もっともらしい全力の知ったかぶりをしてくることもあるようです。
そんなときはこうして、
また、同じチャット内で事前に英語で聞いて文脈を近付けてから改めて日本語で聞き直すのも効果的みたいです。
質問(前提知識付与)
とはいえ、知ったかぶりされているかもしれないと心配しながら質問するのも何だか変な話ですね。
なら、こちらから前提となるマイナーな専門知識を教えた上で質問してみるとどうなるでしょうか。
しっかり前提知識を踏まえた上で答えてくれています!
あらかじめ専門知識として長文を入力した上で、FAQなどに用いると良さそうですね。
しかし、ここまで卒なく答えられていると元から知っていたんじゃないかと思えてきます。ちょっと別のチャットに移動して、前提知識を与えずに同じ質問をしてみましょう。
はい、まったく知らなかったみたいです!笑
要約作成
要約といえば、2021年8月に一般公開された3行要約AI「ELYZA DIGEST」もオススメです。
翻訳
ある程度むちゃくちゃな英文の校正もしてくれます。便利ー!
和製英語の「note PC」を「laptop」にちゃんと直してくれているところがかっこいいです。
こうして単語表を作ってもらうこともできます(参考:ChatGPT for SEO: 20 Ways to Leverage ChatGPT in your SEO Activities)。
英語や日本語だけでなく、ドイツ語、フランス語、スペイン語、ロシア語、中国語、韓国語、アラビア語など様々な言語に対応しているようです。
また、翻訳に関してはいわゆる「おまじない」があります。
Awesome ChatGPT Prompts によれば、以下のプロンプトを実行することでChatGPTは優れた英文翻訳・校正者になってくれるようです。
文章の校正
文章の言い換え
表現の仕方を変えた文章をいくつも出力できます!
いくつか見比べてみて、どれが一番良さそうか選ぶのも楽しそう。
タスクリストの作成
適当なつぶやきからタスクリストも作成できます。
ちゃんと時系列を意識できているのが凄い。
ネガポジ判定
しっかり判定できていますね!
表形式で出力できるのが便利です。
業界分析
なんと、PEST分析をしてくれます!
そしてSWOT分析も!
(ちなみに、途切れた場合はこのように催促すると続きを書いてくれます)
3C分析だってできちゃいます。
すごいですよね!
ただしこういうこともあるので注意です。
事実調査
ChatGPT for SEO: 20 Ways to Leverage ChatGPT in your SEO Activities 9. からの引用です。
裏付けとなる引用元付きで様々な事実を提供してくれます!
が、日本語で聞いた場合精度がかなり怪しいので、これは特に英語で聞いて適宜翻訳した方が良さそうです。
レビュー調査
商品のレビューを挙げてもらうこともできます!
なお、新しい製品には対応してないみたいです(Google Pixel 6aは2022年7月28日発売)。
ChatGPTの訓練が終了したのが2022年初頭だからかもしれません。
なりきり回答
ChatGPTにインタビュー的な質問をしても、通常だと「私はコンピューターですから」という感じでうまくかわされてしまうことがあります。
ですが、先に「○○になりきって回答して」と指定しておけばそれらしく対応してくれます!
これで漫才とか作れないかな..
英語でのなりきり用プロンプトは Awesome ChatGPT Prompts に詳しいです。
プログラミング
こうしてコードを実行してもらうこともできます。
(なお、コードにエラーがあっても文脈を判断し補完した上で出力してしまうようです。今は雰囲気程度に使っておいた方がよさそうです)
ところでよく見たらこの関数、ちょっと冗長じゃないでしょうか。
妙にif文のネスト(入れ子構造)が深いです。
こんなときはリファクタリング(挙動を変えずに内部構造だけ整理)です!
いい感じにスッキリしました!
ついでに、関数のドキュメント(解説)も作成してもらっちゃいましょう。
オススメのライブラリ(便利なプログラムの部品群)を教えてもらうことだってできちゃいます。
その他の文章生成
他にもいろいろなジャンルの文章を作成してくれます。
こんなに優秀ならなぞなぞも出してくれるでしょうか。
まとめ
ここまでいろいろな活用方法を見てきましたが、ひとつ重要なことがあります。
それは、ChatGPTは今のところ自分の出力が真実かどうかを確認できないため、自信満々に大ウソをつきかねないということです。
質問への回答や業界分析や事実調査などは、自力で事実確認せずにそっくりそのまま使うにはかなりの問題がありそうです。
けれど、叩き台としては使いやすいかもしれませんね!
逆に、用いるほとんどの情報が入力文に含まれているタイプの課題、例えば前提知識を与えた上での質問、それに要約作成や翻訳、文章の校正や言い換えなどはかなり実用性が高そうです。
ただし再度になりますが、 ChatGPTに送信する文章は送信者本人が著作権などすべての権利を持っていて、送信した文章はOpenAIが永続的に無償かつ無制限に活用するということが規約で明言されていることには注意が必要です。
出力された文章に関しては著作権は文章を入力した人に帰属するようですが、商業利用は不可だとされています。
ChatGPTと同時期に公開された text-davinci-003 などのOpenAIのAPIから使える有償モデルであれば、(規約を遵守する限り)入出力共に権利は利用者側にあり、必要ならデータ活用の制限などを行うことができます。
ビジネス用途であればこちらを使うのもアリですね!
有料版の ChatGPT Professional も現在検討されているようです。
……。
だそうです!! ここまで読んで下さりありがとうございました!