面接に落ち続けた私が、障害者枠でエンジニアに転職するまで。【社員インタビュー】
目に見えない障害を持つということ。
それは、一般枠で働くか、障害者枠で働くかを選ぶ必要があるということとイコールである場合があります。
社会に出たものの、どうもうまく会社で成果を出せない。
彼らの中には、自分にとって無理のない環境で働くことで成果につながるように、あえて障害者手帳を取得し、病気や障害を隠さずに働く人たちがいます。
JPTで働いてくれている社員のみなさんは、どんな環境で、どんな思いで働いているのでしょうか?
今回は、入社1年目のGさんにお話を伺いました。
就職と転職。就労移行支援事業所を利用した理由
ーGさんは今年(2022年)の4月入社ですよね。JPTが一社目ですか?
いえ、大学を卒業したあとは工事関連の会社に入って、発電機のメンテナンスなどの現場仕事をしていました。
そこで3年半働いたんですが、きょうだいの勧めでプログラミングスクールに入りました。
スクールでは、いわゆるインフラ系の技術を学び、知識の習得やその応用については問題なくできました。
ただ、その後の就職活動でつまづきがありました。
自分の行っていたスクールは、就職サポートまでがセットでついているものでした。
スクールが会社と面接日時を指定するのですが、自分で見つけた企業ではないのと、日時に余裕がないために、どうしても志望動機が付け焼き刃になってしまいました。
ホームページを見た情報だけでは、面接でうまく取り繕うことができなくて、6社か7社受けたものの、すべてだめでした。
それで、就労移行支援事業所を利用してみようと思ったんです。
ーご自身で障害かもと気付き、診断を受けたのはプログラミングスクールのときですか?
障害の診断は大学のときに受けていました。
前職のときにも働きにくさは感じていて、特に計画を立てたり、臨機応変に対応することが難しかったです。
障害という診断がつくくらいですから、苦手な部分を努力でカバーできる範囲も限られているかもしれないし、障害者枠で働いてみたら何か変わるかも、と思って。
JPTを選んだ理由と実際に入ってみて思うこと
ーJPTを知った理由は何でしたか?
自分の通っていた就労移行支援事業所では、他の訓練生の日報を見ることができました。
JPTがインターン生を募集しているのを知ったのは、その時です。
インターンなので面接よりも気軽な気持ちで「やってみようかな」と思い、応募しました。
インターン期間中のWebアプリ制作がある程度ものにできたこと、成川さんとうまくコミュニケーションが取れたことなどもあり、内定に至りました。
障害はあるものの、目的さえはっきりわかっていれば、コミュニケーションはスムーズにできるほうだと思います。
ーこうしてお話を伺っていても、コミュニケーションにはまったく不足を感じません。就職活動のことも、障害の有無に関係なくやりづらい状況だったと推察します。
実際に入社してみていかがですか?
まずありがたいのは、しがらみが少ないこと。
面倒な人間関係に巻き込まれる心配がないので、業務そのものに集中できます。
あとは、有給休暇などの制度が形骸化せずに、しっかり機能していること。
前職では、有休を取りづらい雰囲気だったので。
評価に関しては、まだ一年目なのでわからない部分も多いですが、主体的に提案したり手を挙げる人が評価されやすいのかな、というふうには感じています。
自分はどちらかというと、与えられた目の前の仕事にコツコツ真面目に取り組んでいくタイプなので、あまり目立ってはいないと思います。それでもちゃんと受け入れてもらえている感覚はあります。
フルリモート、フルフレックスで働けることは、通院などには確かに便利です。
ただ、僕は9:00~18:00の固定で働くことが多いので、そのメリットは活かしきれていないのかも。
どこかでワーケーションできないかな、と考えています。
これまで担当した業務
ー入社して今までのおおよそ5ヶ月間でされたお仕事のことを聞いてもいいですか?
入社してすぐは、研修がありました。
内容はプログラミングに関するものではなく、就業規則の説明や、お金の勉強、自宅の災害リスクを調べてどう備えるか、といった課題を考えるワークのようなものです。
本社研修にもリモートで参加しました。
プラント業務に関連した工事の契約、図面の見方など本社事業の仕事の内容です。
研修が終わって最初に取り組んだ仕事は、本社の社内資料をあるシェアポイントから別のシェアポイントに移す作業です。
やることはシンプルなんですが、既存のファイルが何千件もあったので、手作業でやるのでは埒があかないということで、後回しになっていた作業だったんでしょうね。
それを、Pythonというプログラミング言語を用いて、自動で移すプログラムを組みました。
結局、一ヶ月くらいかかってしまいましたが。
ー移行時の人為ミスのリスクや今後も使い回せるプログラムであることを考えると、あると便利なプログラムですね。
そうですね。
システムにしておくと、何か予想外のファイルが出てきてエラーがあったときは、プログラムが止まって教えてくれるので、そういう意味ではミスを防ぎやすいです。
今取り組んでいるのは、Webアプリの開発です。
既存の社員寮管理アプリを、古い言語からPythonに書き換えています。
汎用性のある比較的新しい言語に書き換えておくと、セキュリティの向上や、メンテナンスのしやすさなどのメリットがあります。
仕事はどちらのプロジェクトも2人のチームで行いましたが、明確に役割が分かれていたこともあってスムーズでした。
普段の業務スケジュールとオフの時間の過ごし方
ー普段は9:00~18:00の固定で働くことが多いとのことでしたが、実際にどんなふうに過ごされていますか?
実は、あまりスケジュールというものは考えていません。
目の前にある仕事をどんどん片付けていけば、仕事は前に進むものだ、というような業務スタイルです。
昼礼やミーティング、調べ物をしている時間もあるので、集中してプログラムを書いているのは一日5時間くらいかな。
ー毎日5時間も集中してプログラムを書いていたら、すごく疲れそうなイメージです。
たしかに。
業務が終わると、ベッドに寝転んでしばらくクールダウンする必要がありますね。
でもプログラムを書いていたら、なんだかんだ時間が経っています。
うまく集中の波に乗れないときもあって、そのときは諦めて休みます。ムラがあるほうかもしれません。
ただ、残業はしないという会社の方針があるので、強制的に仕事から離れられる時間はあります。
ー在宅で集中して仕事をするって、出社とはまた違った疲れ方をしますよね。お休みの日はどんなことをされていますか?
山登りとロッククライミングが趣味です。
高校生の時に入った山岳会の仲間と、五月の富士山に登ったり。
雪でも山登りをするほど好きです。
普段はあまりストイックに鍛えているほうではないので、山に登るたびに「もっと鍛えとくんだった」と後悔します(笑)
これから就職する方へのメッセージ
ー最後に、今後入社を考えている方や、就労移行支援事業所に通っている方に向けてメッセージをお願いします!
会社との相性は、入ってみるまでわからないところは正直あると思います。
JPTは、自分から手を挙げる人、提案できる人、好奇心が強い人なら、すごく楽しく仕事ができるんじゃないでしょうか。
逆に、静かにコツコツ仕事を進める自分みたいなタイプも、ちゃんと居場所があって評価してもらえる会社でもあると思います。
ーお話を聞かせていただきありがとうございました。
(取材日:2022年8月22日)
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