アラサーまで無職だった私が、未経験でエンジニア就職できた話。【社員インタビュー】
勉強も仕事もできる。
むしろ、他の人よりもいい成果を出せる。
それなのに、特定のことが極端に苦手なために、就職が叶わない人がいます。
ちょっとした環境整備さえあれば、とんでもなく高い成果を出せる人。会社にとっても、欲しい人材です。
JPTでは、そういったマッチングを目指して採用活動をしています。
実際にJPTで働いてくれている社員のみなさんは、どんな環境で、どんな思いで働いているのでしょうか?
今回は、入社1年目のSさんにお話を伺いました。
(執筆:ミッションパートナー ちひろ)
苦労の多かった20代
ーSさんはJPTが一社目だと伺いましたが、20代まではどのようなことをされていたのですか?
実は、20代は就職したくてもできない状況だったんです。
障害の診断を受けたのは大学1年生の冬頃です。
高校生の頃から徐々に学校に行けなくなってしまって、当時はうつ病ではないか? と診断されていました。
センター試験ギリギリまで補習してようやく出席日数に届きました。
大学生になるとき、「よし、心機一転がんばるぞ」と意気込んでいたんですが、うまくいきませんでした。
特に寮での生活がストレスで、学生寮で引きこもり状態になっていたため大学病院に行って、そこで詳しい検査を受けて診断が出ました。
周りのサポートがあったにもかかわらず、卒業までに7年半もかかってしまいました。
ーそれは大変でしたね。不安も大きかったでしょうね。卒業後は?
就職活動でも困りました。
大学のサポートセンターに通って、まずはハードルの低いアルバイトから始めようと思いました。
でも、飲食店のバイトすら受からなかったんです。
今よりコミュニケーション能力も低かったですし、仕方なかったのかな。
そのサポートセンターで、ある就労移行支援事業所を紹介してもらいました。
勉強や作業そのものに大きな問題はなかったと思うのですが、出席日数が足りなくて、辞めざるを得なくなる寸前でした。
人混みや、予測のつかないことが苦手で、通勤ラッシュで倒れちゃうくらい移動がストレスだったんです。
担当の方にも、「週3回しか来られないのは、厳しいよ」と言われてしまって。
その頃、ある企業の障害者向け長期インターンシップのことを知り、応募しました。
ここでも20人弱の参加者の中でリーダーのような役割をさせていただき、社長面接まで行ったんですが落ちてしまって。
今思うと、自分のできないことを正直に書きすぎて敬遠されてしまったのかも。
でも、その時に一緒に活動した東大院生の方が「AI系の就労移行支援事業所があるよ」と、ニューロダイブというところを教えてくれました。
ここでも半年くらい頑張ったのですが、週3回が精いっぱいで。
やはり「週3回しか来られないのは難しい」と言われました。
コロナ禍の始まりとJPTとの出会い
ーすごく優秀なのに、通えないというだけでそこまでハードルが上がってしまうんですね。よく折れずに頑張られましたね。
いやいや、社長面接まで行ったのに落ちたときはかなりへこみましたよ。
「私、もうダメかもしれないな~」って、冗談抜きで思いました。
でも、ニューロダイブに通い始めて半年くらい経った頃に、ちょうどコロナが流行しだして、すべてリモートになったんです。
そこからはすごく集中できるようになって、成果物をどんどん出せるようになりました。
JPTのインターンシップを知って、応募したのもその頃です。
仕事の質そのものは、うまく成果を出せていたと思います。
ただ、最終面接の結果連絡に2週間かかって、待っている間は不安でかなり体調を崩してしまいました。
返事が来ないのが、苦手なんです。すごく不安になってしまって。
入社してからこれまで
ーそれでも、面接に合格され、晴れてJPTの社員になったわけですね! おめでとうございます。
JPTでの働き方は、ご自身に合っていますか?
はい。まずフルリモート・フルフレックスなのが最高です。
自宅で働けるので集中できるし、疲れたら自分のタイミングで休めるし。
仕事が早く終わってしまうので、上司や取引先からの返信が追いつかないタイミングは、やはり不安になります。
でも、余った時間は勉強に充てて良い、と言ってもらえているので、最近は割り切るように心がけています。
急な予定変更や、何かを決断したり優先順位をつけるのも苦手ですが、入社時に伝えていたので配慮してもらっているなと感じます。
先日入籍したんですが、夫にも「一社目からそんなホワイトな会社を引き当ててうらやましい」と言われました。
でも一番ありがたかったのは、アラサーの私が実務未経験でAI関連業務をさせてもらえること。
業界ではありえないことです。
ーやっと、ご自身の能力を万全に発揮できる環境に出会えたんですね。就職もご入籍もおめでとうございます。これから人生バラ色ですね!
4月からこれまでのお仕事について教えていただけますか?
5月までは研修でした。
その後は、本社のプラント業務に関連して、画像認識の技術をメインにした開発を行いました。
これも、2週間くらい前倒しでできてしまいました。
本当なら複数の業務を並行してできるといいのですが、それだと集中力が分散してしまうので、難しくて。
今は、機械学習(AI)と画像処理の技術を併用した開発に取り組んでいます。
これももう終わってしまうので、またちょっと時間が空いてしまいますね。
ー実務未経験者とは思えない活躍ぶりですね。Sさんが思い切り仕事をするには、あまり返信待ちの必要ない仕事ができるといいのかもしれませんね。
普段の業務スケジュールとオフの過ごし方
ーご自宅なら、フルタイムでもあまり疲れないんでしょうか? 普段の業務スケジュールがあればお聞きしてもいいですか?
自宅なら、いくら集中してもたいして疲れません。自分のリラックスできる環境を作れるし、疲れたら気軽に休めるし。
ーそれだけの時間、プログラミングに熱中して疲れないというのは、私からすると驚異的です。
オフの時間はどんなふうに過ごされていますか?
土日は、夫とデートすることが多いです。
夫は2代目さかなクンと言ってもいいくらい魚に詳しい方で、一緒に水族館に行くと楽しいですね。
今はまだ一緒に暮らしていないんですが、夫は料理も上手なので、よくご飯を作ってもらいます。
これから就職されたい方へメッセージ
ーお話を聞かせていただき、ありがとうございました。
最後に、同じように就職活動がうまく行かずに悩んでいる人へ向けてメッセージをお願いします。
私は、大学時代からつい半年くらい前まで「私はだめだ。もう人生うまくいかないんじゃないか」と思い続けていました。
心が折れかけた時期も何度もありました。
それでも、大学のサポートセンター、就労移行支援事業所、企業インターン、ニューロダイブ、そしてJPTと、うまく行かなかった時期も含めてすべてがつながって、ここまで来れた気がします。
私は特にいい方々に恵まれたこともありますが、何より自分自身が諦めずに続けていれば、いつか自分の力を発揮できる場所に出会えるかもしれません。
ダメなことも、前進です。私はそう信じて、なるべく前向きに頑張ってきました。
(取材日:2022年8月25日)
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