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個人の好き/得意で仕事をつくっていく組織のあり方(前編) 〜仕事が先か人が先か〜

おはようございます。JPTアンバサダーのちひろです。

5月の下旬、ようやく外を歩くと汗ばむ気温になってきました。
空を見上げると、萌黄色の葉っぱたちが太陽に透けています。

梅雨もまだ来ない、夏至もまだ先(お陽さまは日に日に元気になる)、夏もまだ手つかずで残っている。

そんな今の季節が、一年で一番好きです。

さて、今日は「好きなことや得意なことだけを仕事にすること」というテーマでお送りします。

記事が長くなったので、前編と後編に分けました。
・個人の好き/得意で仕事をつくっていく組織のあり方(前編) 〜仕事が先か人が先か〜 ※本記事
個人の好き/得意で仕事をつくっていく組織のあり方(後編) 〜実際の仕事の決め方と会社側のメリット〜

前編の今回は、好きなことや得意なことを仕事にできるのか、そのためには会社・社員側の双方がどのような態度でいればいいのかを、考えてみます。

好き/得意を仕事にすることは可能か

一般論として、好きなことや得意なことを仕事にすることは可能だと思っています。
「好きなことを仕事にしたいか?」という話はまた別として。

ある程度は自分で好きなように仕事を作れる、フリーランスや個人商店として独立する場合が大多数かと思います。

でも、独立するということは、商売をする上での諸々も自分で引き受けることを意味します。

営業、値段交渉、経費精算、クレーム処理、売掛回収、確定申告。

守ってくれる法律は、サラリーマンでいるよりもよっぽど少ないし、労働時間を長くしてでも売上を取りに行かないと生きていけない状況に陥ることもある。

そういうあれこれも含めて、仕事が好き/得意でいられるか?
多くの人にとっては、なかなか難しいと思います。

そういうわけで、サラリーマンの道を選んだ人たち。
彼らが自分の好きなこと自体をビジネスモデルにしていくケースは、おそらくあまりありません。

与えられた仕事を好きになれたら、ラッキーであり、それができる「器」があったということになるかもしれません。
残念ながらそうでない場合は、仕事を嫌いになるか、そもそも仕事に対する感想を捨ててしまうか。

サラリーマンとして好き/得意を仕事にすることはできる?

でも、もしサラリーマンという守られた身分を保持したまま、自分の好きなことができたら素敵だと思いませんか?
そんなうまい話、あるわけない?

私がアンバサダーをしているJPTでは、まさにそういう取り組みを会社と社員たちで作っているんだという現場を目の当たりにしています。

そもそも、サラリーマンをしながら「好き/得意」を仕事に昇華することはなぜ難しいのでしょうか?

原因はいろいろと考えられます。
「すでに製品コンセプトがあって、それを形にできる人が必要だから」
「すでに商品が出来あがっていて、それを売ってきてほしいから」
「ルーチン業務の担当者が辞めて、欠員が出たから」
「大きな仕事をチームでしてほしくて、そのためには個人の好みよりも協調性が優先されるから」
などなど。

中でも、最後の「個人の好みよりも協調性が優先される」というのは大きいんじゃないでしょうか。

日本は特に「仕事はしんどいもので、それを頑張ってくれるお父さん・お母さんに感謝しよう」的な雰囲気がいまだにあるように思います。

その流れで、「リスクも取らずに自分の好きなことや得意なことばかりを仕事にできるなんて、甘えた考えだ」という思想に至るのかも知れません。
百歩譲って、与えられた仕事を楽しめる人は評価しようという流れが、かろうじてある。

会社側から見た「好き/得意」な仕事のつくりかた

前提として、ここでいう「仕事が好き」「仕事が得意」というのは、会社から割り当てられた仕事を楽しめる自分になる、という文脈ではありません。

JPTでは、先に業務が決まっていて、そこに自分が社員として配属されるという図式はなく、組織に入った時点では、自分が取り組むべき業務は存在しません。
自分という人間があるのみ。

つまり、「JPTに採用される=自分という人間そのものを受け入れてもらっている」ということになります。

これって、実はすごいことだと思うんです。
会社と社員の雇用関係って、社員側の能力や経験、ポテンシャルと、会社の業務/ポストが合致して初めて採用に至るものだと思いこんでいました。

私、間違っていますでしょうか?(笑)

JPT役員陣はまず、社員と徹底的に面談を行い、彼らの苦手なこと、得意なこと、好きなことを把握します。
そして、顧客(ここではグループ企業)の課題や会社の大きな方針を総合的に踏まえて、仕事をつくっていきます。

「喜んでくれる人がいるなら、何でも仕事になる」
これはJPT社長の成川さんの言葉です。

社員側から見た「好き/得意」な仕事のつくりかた

そんな中、好き/得意を仕事にするために社員ができること、すべきこともあるはずです。

それはおそらくさほど難しいことではないけれど、考え方によってはよりシビアかもしれません。

わがままと苦手の違い

好きなこと、得意なことを仕事にするとはいえ、わがまま放題できるわけではもちろんありません。

「今日は仕事したくないな、明日もしたくないな、仕事せずに給料もらえることが、自分の好きなことだな」
大げさな例えですが、こういうことは許されませんよ、ということ。

でも、朝8時に仕事を開始する必要はない。
顧客からの電話に1コールで出る必要もない。
お昼休みに同僚とランチに行って、全然休まらなかった、なんてこともしなくていい。

でも、自分の仕事が誰かのためになる必要はある。
誰かに喜んでもらえる形になるまで、やり通す覚悟は必要です。

こぼれ仕事の存在を知る

誰もが自分の好きなことや得意なことだけで会社が回れば、理想です。

でも実際には、誰もやりたがらない、あるいは気がつかない「こぼれ仕事」というのが避けがたく存在します。

これを誰がやるのか。
JPTでは、おおむねうまく個人の好き/得意で仕事が回っているようですが、やはり役員陣のキャパの大きさに依存している部分は否めないかもしれません。

JPTが大きくなっていくにつれ、社員それぞれのキャパシティを広げたり、社員の好き/得意の全体バランスを考える必要が出てくるのかもしれません。

まずは、そういう仕事の存在を知っておくだけでもいいかも。

省エネな協調性

それぞれが好きな仕事を、好きなペースでやる。
この環境をつくるためには、会社が柔軟な仕組みを作るだけでは足りません。

例えば、日報を書くこと。
例えば、大事だと言われているMTGにはなるべく出ること。
例えば、納期に余裕を持たせる工夫を自分なりにすること。

こういう小さな、自分に負荷のあまりかからない「協力」をすることで、結果として自分に理想的な仕事内容/環境を獲得できるのだと思います。

次回は、私がアンバサダーとして参加しはじめた頃の自分たちの仕事のつくりかた、それが会社にもたらすメリットについてのお話です。

(執筆:ちひろ)

→次回「個人の好き/得意で仕事をつくっていく組織のあり方(後編) 〜実際の仕事の決め方と会社側のメリット〜」に続く

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