多様性、公平性、包括性(DEI)には、会社の手厚い保障は邪魔なのかもしれない
どんな立場や属性の人でも。
どんな状況や考え方の人でも。
みんなが参加できて、機会や権利を同じように享受できる社会・組織をつくる。
そのためのベースとなる考え方として、DEI(Diversity,Equity&Inclusion)という考え方が広まっています。
DEIを実現するために会社ができることは、まだまだ目に見える段階には来ていません。
JPTは、その答えのひとつとして「手厚い保障をなくす」という結論に至りました。
今日は、貯蓄や万一の保障を、従業員に代わって会社がどれくらいするべきかについてお話します。
(先週の記事も併せてどうぞ:初年度から全員有休20日!どこよりもバリアフリーな就業規則を語る。)
(執筆:JPTミッションパートナー ちひろ)
従業員の可処分○○を増やす取り組み
生き方が多様になっていくこれからの時代、会社に求められるのは「従業員の可処分○○」を増やすことだと考えています。
可処分所得。可処分時間。可処分精神。
そのためには、会社として支払うべき対価を留保せずタイムリーに支払うこと、会社が提供すべきでないものまで提供しないこと、が必要です。
退職金制度
老後の資金は、退職金をアテにしている。
そう言える人は、だんだん少なくなってきています。
そもそも、退職金制度のない会社も増えてきています。
あなたの会社に退職金制度がない、またはとても少ない場合、それは残念なことでしょうか?
いえいえ実は、ラッキーなことかもしれません。
JPTには、退職金制度がありません。そのほうが従業員にメリットがあると考えるからです。
退職金は、節税になるなど一定のメリットはあるものの、リスク/デメリットも存在します。
会社の倒産、定年を迎える前の自己都合退職などにより、予定よりも少ない額か、まったくもらえない場合もあります。
また、勤続年数に応じて積み上がる方式のため、転職して中途入社した人は少ない額しかもらえません。
JPTでは退職金がない分、すべて給与に反映します。
子育てなどでお金が必要な時期に給与が上がるほうがいい人もいるし、投資や確定拠出年金、個人年金などに回すほうがいいという人もいます。
病気・ケガなどによる休職中の給与
もしものことがあったとき、あなたの会社は長期間の休職や、その間の給与保障をしてくれますか?
「うん、十分に手厚い保障をしてくれる。そのおかげで安心して働ける」という人は、もしかしたら損しているかも知れません。
大きな企業に勤めていると気づきづらいですが、手厚い保障はタダではありません。会社がその保障を用意する分、給与が減っているのです。
そして、その「万が一」は、本当に会社に保障してもらう必要がありますか?
日本は公的な保障制度がとても整っていて、病気やケガ、死亡したときに必要になるお金は実は心配するほど多くはありません。
そして、それを補完するための民間保険も非常に充実しています。
個々人の家庭状況/ニーズに応じてそれらを利用すれば、手厚い保障にお金を払うよりも貯金をするほうが賢明かもしれません。
「保障が薄い」というのは、一見して魅力が少なそうに見えるかもしれません。
しかし、正しく理解できる人にとっては、その分を給与に上乗せしてもらうほうが圧倒的に有利だということに気づくはずです。
JPTでは、入社後にまず就業規則への理解を深め、社会保障について学んでもらう研修を設けています。
会社が従業員に提供すべきは、画一的な退職金制度や、手厚すぎる保障よりも、少しでも多くの給与、そして正しい貯蓄(資産運用)あるいは保険への知識だと考えているからです。
病気・ケガなどによる休職期間
病気になったりケガを負った場合、仕事を休まなくてはならない期間があるかもしれません。
実は「休職」という制度は、法律で定められているわけではありません。
法定休暇(休業)以外は、原則として会社は社員を休ませる必要はないのです。
それでも、せっかく会社に貢献してくれていた社員をすぐに退職させるのは、会社としても避けたいもの。
そこでJPTでは、3ヶ月の休職期間(無給)を設けています。
少ない、と思いましたか?
大企業では、数年単位の休職期間を認め、さらにその間の給与まで保障している会社もあります。
けれどすでに述べたように、そうすることで、元気に働く他の社員から搾取していることにもなってしまうのです。
さらには、既往歴や職歴などから休職リスクが高そうだと判断されれば、実力があっても採用してもらえないこともあります。
特に障害者雇用の現場においては、精神/発達障害を持つ人への採用ハードルが上がりすぎてしまうのです。
JPTでは、最低限の休職期間のみを設けることで、意欲と実力のある人がチャレンジできる環境を作っています。
JPTはこれからも、働き方をどんどんバリアフリーにして、社員みんながのびのびと能力を発揮できる組織を作ります!
▼今日の内容は、社長の成川の個人noteでも詳しく書いています。
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