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養老先生の人生哲学は、ゲーミフィケーション思考!?

こんにちは。「リアル世界を神ゲー」にする、日本ゲーミフィケーション協会 代表賢者Lv98 きっしーです。

『なるようになる。-僕はこんなふうに生きてきた』(2023、養老 孟司)を読んで思ったこと。

「養老先生の人生哲学は、ゲーミフィケーション思考」!?

そう思った所を紹介します。


ない方が面白いか、ある方が面白いか、それだけのことであろう。

1番目。ブータンのあるお寺を訪れた養老先生は、

和尚さんに「どこかでお会いしたような気がするんですが」と話しかけたら、「あたりまえじゃないの、遠い日本からわざわざこの田舎の寺に来るなんて、以前から決まいたことなんだよ。お釈迦様はとうにご存じだった」と言われてしまった。(中略)

どうしてそう思うかと言っても、そう思ってしまうの方がない。たまたまプータンに行って、たまたまお坊さんに会った、でもいいのだけれど、それじゃあ面白くないのである。だから現代人の人生はつまらなくなる。
前世だの因縁だの、そんなものはない。もちろんなくていい。ない方が面白いか、ある方が面白いか、それだけのことであろう。

なるようになる。-僕はこんなふうに生きてきた p2-p3

ゲーミフィケーション思考だと思ったのは、前世の因縁を否定した上で、”ある方が面白い”と考えているところです。
人が見ている世界は、その人それぞれの脳が認知している世界なので、たった一つの世界ではない。その世界にどういう意味を持たせる、人それぞれ、「面白い方が良い」と考えるのがゲーミフィケーション思考。「リアル人生ゲーム」です。

ゲーミフィケーションデザイン6要素で言うと、
 (1)能動的な参加 たのしそう、やってみたい
が一番当てはまります。

また、ゲーミフィケーションデザインレベルだと、
 レベル3:自分で”面白い”をデザインする
という高いレベルの活用です。


世の中にはくだらないことが多い。なぜ、それがあるのか、よく考えることが、カッコ良く言うと、自分を育て、自分を磨くことにもつながる

2番目。

僕が、「つまらない本だと思ったら、どうしてこういうつまらない本を書くのかを考える」と言うのも同じ理由からです。「くだらない」のひと言ですますと、それは「ない」ことになるが、世の中にはくだらないことが多い。なぜ、それがあるのか、よく考えることが、カッコ良く言うと、自分を育て、自分を磨くことにもつながるととはいえ、この言葉が独り歩きし、一七年後に『バヵの壁』が誕生するなんて考えてもいませんでした。

なるようになる。-僕はこんなふうに生きてきた p64

ゲーミフィケーション思考だと思ったのは、養老先生はバートルテスト4分類のエクスプローラー(探究者)の視点で、人生をプレイしていること。

ゲーミフィケーションデザイン6要素で言うと、
 (6)独自性の歓迎 工夫してよい
です。

逆の立ち位置から対象を眺めることは、ゲームデザインでも使う、オズボーンのチェックリストの逆転(逆にしてみたらどうか?)とも通じます。


最短距離で勝つ方法や思いがけない着手を発見する――そこが面白いんだよ。

3番目。

読書やゲームをよくしました。もともとテレビゲームが好きで、任天堂の「ファミリーコンビュータ」が発売されたときには徹夜でゲームをし、女房に怒られたほどです。僕はロールブレイングが好きでね。最短距離で勝つ方法や思いがけない着手を発見する――そこが面白いんだよ

なるようになる。-僕はこんなふうに生きてきた p127

養老先生はゲーム好きだったのですね。そこでも動機づけは、自分で発見すること

ゲーミフィケーションデザイン6要素で言うと、
 (6)独自性の歓迎 工夫してよい

です。


人生の問題に正解なんてない。

4番目。

一つ思い出すのは、娘さんのいる女性から講演会後に、「おかげで親子げんかが終わりました」と言われたことです。「バカの壁」は誰にでもあり、話してもわかり合こともある。人生の問題に正解なんてない。そう書いたのを読んで、気なったのかな。

なるようになる。-僕はこんなふうに生きてきた p135

ゲーミフィケーション思考では、すでにある正解ではなく、未来に正解になるような自分自身の納得解を探すことを重視します。
そのキーワードは、面白いこと、楽しいこと。

ゲーミフィケーションデザイン6要素で言うと、
 (6)独自性の歓迎 工夫してよい
です。


「この男は気が向けばよく働く」

5番目

前手になって数年後、オーストラリアに留学する際に先生が書いてくれた推薦状を見せてもらったことがあります。「この男は気が向けばよく働く」。誰でもそうだと思ったけれど・・・【笑、率直な先生でした。

なるようになる。-僕はこんなふうに生きてきた p92

養老先生は「誰でもそうだと思ったけれど」とおっしゃていますが、その「気が向く」状態を自分自身でデザインできることに気づいている人は少ないと思います。
そのデザイン手法の一つがゲーミフィケーション思考です。「面白い」とやる気になる人には特にささります。



メタバース(インタークーネット上の仮想空間)の行く先に関心があります

6番目。

「脳化」が進み、人は頭で考えたことを都市という形にしてきましたが、住む世界を頭の中につくり、アバターの自分が入っていくメタバースはこの脳化の純粋系で、行く先に関心があります。

脳化の逆の身体化を好み養老先生が、メタバースに興味を持っているのが面白いです。好きではないけど、どんなものか知ってみたい。まさにゲーミフィケーション思考と言えるでしょう。自分の人生をゲーム化する、この世の中をゲームと考えて、神のデザインしたゲームの攻略法を考えることを面白がる。

こんな養老先生の様な人生ゲーミフィケーション思考を楽しみたいものだと思いました。私ももっと楽しみます。
(おわり)

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