WBC日本優勝から考える「所得格差」「税」「公平さ」
WBC日本優勝、おめでとうございます‼
こんにちは!自由主義研究所の藤丸です。
今日は、対アメリカの決勝戦。みごと勝利‼
監督や選手の皆様・関係者の皆様、本当におめでとうございます😊
ところで、大活躍で話題の大谷選手ですが、
年俸が40億!とのこと。
これについていろんな意見を聞きますので、
私が思ったことを3点書いてみます。
1,スポーツ選手とサラリーマンの所得格差
「大谷選手は一年で40億稼ぐ。
日本の平均的サラリーマンは一生で2億。
おかしくないか?」
という意見を耳にしました。
ここでは、経済の観点で考えてみます。
世界中の非常に多くの人が、テレビやネットの中継から、
大谷選手のプレイを楽しんでいます。
これはスポンサー企業や野球関連企業にとって、
ものすごいものすごい経済効果を生みます。
彼はそれほど市場で需給がある。
報酬は、それほどのサービスを提供している対価なのです。
もちろん、これは経済の観点からの話で、
人間として道徳的に、誰が優れているかという話ではありません。
もしかしたら、
「サラリーマンは一生で2億。おかしくないか?」と言った人は、
日々の自分の仕事での頑張りが否定された気がしたのかもしれませんが、それとこれとは違う話です。
2,高収入と税金
野球選手に限らず著名なスポーツ選手や芸能人・漫画家で、
年収が話題になることがありますが、
実際の手取りはどうなのでしょうか?
所得税には、累進課税があります。
たとえば同じ1億円の所得でも、
■毎年1000万円ずつ10年間で得られる場合
■9年間は準備期間で所得がほぼなく、最後の1年で一気に稼げる場合
この2つでは、「税率」が違うので、
手取りは違うことになります。
後者は累進課税で税金が多くなり、手取りが減ってしまうのです。
何十年の努力がわずか数年間に報いられる(しかも成功した場合だけ!)スポーツ選手や芸術家、学者や発明家に対する課税の場合、
累進税では「過去の準備期間の努力」を無視されていると感じます。
これは良くないと思います。
税の観点では、
公務員やサラリーマンのような、
1年ごとの収入が比較的一定の職業が優遇され、
スポーツ選手や芸術家のような、
1年の収入に差が大きい職業が差別されているともいえます。
このような累進税は止め、フラットタックスの方が望ましいと思います。
ちなみに、
最初に累進税の主張があったのは、
フランス革命期~1848年の2月革命にかけての、
社会主義者の宣伝の中です。
当時の累進税は、率直に再分配を目的としていました。
1848年の「共産党宣言」でマルクスとエンゲルスが、
ブルジョワから資本を収奪する手段として、
高度の累進税を主張しました。
累進税は、もともとこのような意図で生まれたのです。
3,世の中は、公平であるべきか?
そもそも人生は、世の中は公平でしょうか?
本人の努力はともかく、
生まれつきの才能や運は、とても公平にはみえません。
人生はけっして公平ではないのです。
これは良くないことなのでしょうか?
私たち凡人が、ときに嘆き、ときに羨むその不公正さ自体から、
私たちは、どんなに多くの利益を得ているかを認識することは重要です。
WBCの選手の野球を観て、多くの日本人が夢中になって楽しみました。
超人的なプレイに興奮し、喜びややる気をもらいました。
これらの楽しみ・喜びは、
彼らのような才能を生み出した自然の「不公平さ」があったからです。
(彼らの努力は相当なものがあると思いますが、一旦、努力の話はおいておきます)
全員の才能がまったく同じならば、
それはとてもつまらない社会でしょう。
多様性がなければ、ここまでの超プレイを見ることはできなかったはずです。
最高の才能に恵まれた選手たちが、最高の努力をし、最高のコンディションでプレイをする。
その姿が感動を呼ぶのだと思います。
不公平さが、世の中に利益をもたらしているともいえるのです。
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(藤丸)
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