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若い先生方へ(12)

続けて読んでいただきありがとうございます。学級指導について降べきで続けます。
7 全体指導
 整然とした規律の中に自由は生まれ、おおらかさが育つ。また、個性が発揮される。学級全体の躾をするには力量がいる。先輩の技を学びたい。間接指導で「やらねばおれぬ」雰囲気をつくる。全体には厳しく、個には優しく浪花節。組織の長は学級担任である。
 間接刺激、お分かりのことだと思います。例えば身辺整理が課題のA君に
整理整頓を何度も厳しく指導するのが直接刺激とするなら、他のB君に「よく整理整頓ができていますね」と褒めるのです。そうするとA君は自分もやろうと思って心に火がつくということです。この間接刺激を効果的に使うと、あなたとマッチングのよくないこどもの指導もうまくいくでしょう。私は現役のときに多用していました。子どもだけでなく教職員にも用いていました。
8 的確な指示
 子どもへの指示は明確か。多刺激にせず端的に。学級への指示は計画的に発展的に。教室や廊下の掲示物が色あせていたら失格。
 ことばで伝えるときには、端的に伝えることが大切です。教師はどうも話し好きですし枝葉をつけすぎる傾向にあります。大切な事項を指導するときには、ことばを研ぐことが必要でしょう。また、掲示物も期日が過ぎているものはすぐに張り替えることを留意したいものです。
9 4月の躾
 躾は、身の美しさを、し続けて教えること。理解させることと問答無用のことと双方ある。明確なねらいをもって指導すること。全体指導と個別指導の組み合わせに妙味がある。
 しつけの全体指導はよくやることです。しかしできている子、できる子、できない子、気づかない子と様態は様々です。個に応じるには個別指導です。しかし、個別指導を全体の前ですべきではありません。子どもの指導はメンツをつぶしては成り立ちません。恥をかかせてはなりません。
10 朝の会、終わりの会
 朝の会は厳父、帰りの会は慈母の気持ちで。朝の会は一日の出会いのスタート。帰りの会は愛情を込めて学校から家庭に帰す。1年間同じ流れではあまりにも無策。担任好みの会でもいけない。何を躾けるのか。何を定着させるのか。
 私は帰りの会で、自己表出して、しっかり話し込みました。あなたが担任になって、何回朝の会・帰りの会を行えるでしょうか。その中で、子どもの前であなたを開き、個々の子どもの芽を伸ばすのです。楽しい時間ですし、充実した時間です。授業より濃度の濃い時間です。
11 授業の躾け
 まず、腰骨を立てて座らせる。論理的に納得させる。次に返事。抽象論を言うことなく具体的に躾ける。剣道では「気合いを入れよ」「自然体でいけ」では分からない。「もう5歩前に」「剣先を相手の目につけよ」学習の基本を躾ければ子どもが幸せになる。
 約束という掌の上で子どもたちを活動させ学ばせる。約束から外に出るようになるとそれは崩壊につながります。あなたはどのような授業規律を子どもたちに求めますか。自分も実践しますか。
12 給食指導
 食育教育は学校給食を中心に指導する。食は文化である。感謝や礼儀が作法になっている。子どもは担任に真似る。
 保護者は各々同じ額の給食費を払っている。いつも大盛りの子がいるのはいかがなものか。また、偏食があっても、片付けが済んだ後も食べさせようとするのはいかがなものか。
 給食一つにとっても、そもそも論があり指導の対象になります。「メシをクラう」ではだめです。感謝のこころから深めて人間論、宗教的心の涵養とその意義は深いと考えます。
 学校で教える内容は家庭教育の範疇、社会教育の範疇と広範であり、すべて指導の対象です。だから教師はやりがいがあるのです。想像してください。自分の前にいる子どもたちが10年後にどのような若人になっているか。その重責を担っているのが学校であり教師だと私は確信しています。
お時間が参ったようです。

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