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若い先生方へ(11)

今回から4回、教師の技「学級経営」について書くことにします。
学級経営の源に教室経営がある。教室経営にはセンスが必要。
 このことは若いころ言われたことです。この点は小学校の先生方が中学校の先生方より一般的に長けているように思います。
1 昇降口から教室まで
 昇降口から教室まで、先に行くほど美しく、教師の思いが表れるようにしたい。そこは子どもたちの思考の道であり、散歩道であり、仲良しの道である。朝は希望を胸に登校し教室に入る。夕は満ち足りて下校する。所々に目的のある置物や掲示物が必要。
 校内の各所に掲示板や置物があります。あなたの学校でもそうでしょう。各校では掲示板経営が分掌の一つとして学年に分けられ、学年セクトで掲示物が貼られてはいませんか。ここに学校としての統一感や上記のように入り口から教室までの脈絡のある流れがあるといいなと考えます。ひょっとして来校者がある日だけ掲示が行われていたりして。困ったものです。
2 教室
 教室には、花を生けたい。また、教室は学習の道場として整理整頓し清めたい。黒板も清め、最初のチョークの一筆が光るようにしたい。担任の思いがつくる教室の雰囲気、形、色や空気。一歩入ればそれが伝わるように。
 掲示板は作品だけの掲示板ではない。授業の前後もそこにある。掲示作品は全員参加であるべき。ただし、個々の特長を生かすべし。
 私は黒板についてはこだわりがありました。前の授業が終わって私の授業の前にはきれいに拭くように伝えていました。黒板だけでなく黒板の溝、新しいチョーク、ここから授業が始まることを子どもに求めていました。学級担任ではその指導をしていました。これをしつけると授業が変わり、授業に向かう姿勢が変わってきます。
3 前面刺激
 気をつけたいのは教室の前面。子どもが一日中、いや一年中感化させられる教室としたい。教室の前面は教師の舞台。掲示板に多刺激はいらない。子どもが目にするのは教師と渾身の板書、教具。これで授業が成立する。
 このあたりはタブレット授業でも根底はいっしょだと思います。前面刺激を制限すると授業が落ち着いてくると強く考えています。
4 窓はどう開けるのか
 窓は美しく開ける。教育はそれ自体意図的な活動。窓も美しく開けるとよい。子どもの手が届かないところは教師が開ける。
 窓は内側を開けなさいと習いました。窓を窓枠の真中に開ける学級もあったからです。しかし、その理由がだんだんとわかってきました。外側の窓を開けると落下することもあるからだったのです。ものには道理があることがわかりました。
5 最初が肝心
 学級のカラーは4月最初の1週間でほぼ決まり、連休までに固定化する。学級の決まりは告げたか。約束はしたか。
 学級開きからの1週間を「ゴールデンウイーク」というのをご存じですか。ここで学級を固めておかないと学期末までうまくいきません。学級憲法を創ったり、担任の思いを深く伝えたりと、、
6 チャイムの意味
 授業開始のチャイムは子どもと一緒に姿勢を正して聞き、授業はチャイムで終わる。最初と最後のチャイムで指導者として威儀を正して礼をする。これをすれば学級は落ち着く。
 また、授業間の休憩は子どものためにある。授業延長はプロの技では  ない。
 先生方、授業開始時の礼は、心の中で何と言っていますか。また、最後の礼は如何ですか。子どもは「お願いします」、あなたはどう応えますか。
「ありがとうございました」、あなたはどう応えますか。これこそ深く考える価値があることでしょう。
 時間がきました、また次をお楽しみに、「お粗末様でした」


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