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【映画雑記】テレビ東京「午後のロードショー」の思い出、という話。


小学生の夏休みだった。

 横浜のおばあちゃんちですることもなく、ただテレビをつけっぱなしにしてゴロゴロしていた。時刻は大体午後の2時30分頃。俺はテレ東の「午後のロードショー」を、しかも途中から、ダラダラ見ていた。なんだか、夜の住宅街で追っかけっこ?犯罪者を追っかける刑事なのかな?まじめに追跡をしている。で!最後に急に耳のとがったゴリラみたいな怪人が現れ、あまりの唐突さに金玉が縮み上がったのです。「ウルトラマン」でドドンゴっていう怪獣が出る回に、遺跡から発掘されたミイラが甦るのですが、あのミイラ男にそっくりで、なんだかひたすら怖かったんです。あの映画は何だったんだ…と長い間思っていたのですが、その映画と思われるタイトルを、映画秘宝の増刊「日常洋画劇場」でタイトルを発見。詳細を知りたくなり、21世紀に生きる人間らしく、Google先生に聞いてみた。

 それは、 「SFこうもり人間/洞窟からの恐怖・襲いかかる無数の吸血生物群」という、いかにも昭和のテレビの洋画劇場らしいタイトルの映画だった。80年代末くらいまで、変な映画をテレビでやるときへんなサブタイトルありましたよねぇ。懐かしい。原題は”IT LIVES BY NIGHT”または”THE BAT PEOPLE”。画像と動画を調べてみたらコウモリ男も出てきた。齢四十郎のおっさんには全然怖くない。むしろ愛らしい。こみあげる想いをおさえつつまぁ二度と見ることはないだろうとブラウザを閉じました。

 横浜のおばあちゃんちで観た午後ローにはもう一つ思い出がある。これはラストシーンしか覚えてないんだけど、美女がスクリーンに映し出されたフィルムの中の醜い老女におびえて、ナイフを突き立てる。悲鳴を聞きつけた男が部屋に入ると、スクリーンにはその美女が映っていて、床にはさっきまでスクリーンに映っていた醜い老婆が胸から血を流して死んでいる…というもの。これはさすがに見つからんかと調べてみたら3分もしないで解決してしまった。シチュエーションから「ファントム・オブ・パラダイス」でもモチーフに使われた「ドリアン・グレイの肖像」かな?と思ってGoogle先生に聞いた。すると、Wikipediaの「ドリアン・グレイの肖像」の項目に「美女ドリアン・グレイの秘密(別題:幻想(まぼろし)のドリアン・グレイ)」"THE SINS OF DORIAN GRAY"というタイトルを発見・・・。You Tubeで確認したら・・・ドンピシャでした。

ネットってすごいすね。
でも、あの時に観たあれはなんだったんだ?というモヤモヤが解決するのは、すっきりした気分と謎がひとつ消えてしまう寂しさが入り混じってなんだかおセンチな気分になりますぜ。

 で、昨日、安倍ソーリーが「ぽっくん、辞めるぶぁい!」と発表し、NHKがてんやわんやで忖度丸出しの速報を垂れ流していたとき、我らが午後ローは「続・夕陽のガンマン/地獄の決斗」を放送していた。この映画の「悪い奴は死に、ズルい奴は恥をかき、我らが「いい奴」はシレッと生き延びる」というクライマックスが、まるで現実と重なるようで不思議な興奮を覚えた。

俺はこれからも午後ローと生きていく。

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