大学生のジェットエンジン設計〜熱力学編〜
前書き
前回の投稿から随分と時間が経ってしまいました。。
今回から設計についての記事にして行きます。設計と言えば、寸法を考えたり部品の選定をするという”機械設計”を考えてしまいそうですが、最初に決めたのは外径が5cm程度というだけで、今回の設計では、
step.1 熱設計
step.2 空気力学設計
step.3 機械設計
という風にして行きます。熱設計では、実際にそのマシンがする推進力(N)や仕事量(J)を決定します。これが決まらなければ空気の設計も出来ません、、
ただし、その熱設計が空気力学的に実現できるのかstep.1とstep.2で計算を繰り返しました。
この計画をするにあたり、『ガスタービンの基礎と応用』という専門書を参考にしています。(できる限り理解しようと努めていますが誤った解釈をしてしまっているかもしれません。。)
熱サイクルの設計
熱サイクルと言っても、車などのレシプロエンジンとは違い、すべて連続的に起こっています。分かりにくいですね、、
推進力については、PV線図の面積から求めるよりも空気の流入速度と流出速度の差から空気の運動量の変化を求め、その反作用と、入口面と出口面の圧力差が推進力になる、と考えたほうが簡単ですね!
F = ρ*A*vin*(Vout - Vin) [kg*m^2/s] + A*(Pout - Pin) [Pa*m^2]
今回の製作の目標は動くことなのでココにはあまり制限をかけません。
空気の速度が音速を超えると衝撃波が発生しエンジン内で大きなエネルギー損失があるようなので、Vout: 空気流出速度 がマッハを超えないようにします
(低い圧縮率、そこそこの高温でも実現できるように推力50Nに設定しました)
ジェットエンジンが動くために最も重要な条件は
(コンプレッサーがされる仕事量)<(タービンがされる仕事量)
こうじゃないと運転し続けられませんね
簡単に計算するためにコンプレッサーでの圧縮過程、タービンでの膨張過程は断熱変化として、仕事は
W = Δh = cp*ΔT
と簡単にかけます
熱力学の基本式や理想気体の性質を表す式を解いて、コンプレッサー出口(燃焼室入口)、燃焼室出口(タービン入口)、タービン出口の温度を決め、コンプレッサーやタービンが果たすべき圧力変化量を決めます
補足((理想的な計算だけでは動かないので、損失を大体で係数を掛け補正していきます。例えば、上の式に0.9倍した値を実際の値にするということです。運動エネルギと、熱エネルギと圧力エネルギをセットにして考えられるように全圧、全温を導入すると計算が楽になります))
一応、実際に計算に使ったメモを載せておきます。
全然見やすくないですね、自分で見る用だったほんとのメモ書きです、、
推力50N、圧縮比1:2、燃焼後温度1000K(静温)、軸方向の空気流速120m/sなどという設定になってます。当然設計、制作自体ほぼ初めてのど素人ですからこの通りにはならないでしょう泣
でも勉強のためにもどうしてもやりたい、、
短くまとめようと思っても書くことが多くて大変です。今回はこのぐらいにしておきます。見てくださった方ありがとうございました!
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