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アートに関するメモ(9) 【茶道・庭園】

本メモはアートの基礎的な内容に関するメモです。


1. 茶道 48項目

1-1. 茶道
…チャを客人に振る舞う儀式
→「今ここ」に集中することでうまくいかないことがあっても目的を見失わずに前向きになれる

→オンリーワンの自分を信じてひたすら努力できる


1-2. 死が常に隣り合わせでの世界
…いかに精神を慰めてポジティブにいられるか
→死を表現するものに触れて自分の生をしっかり全うしようと思う、
生を瞑想で認識して自分の生をしっかり全うしようと思う


1-3. 奈良時代、中国からチャが伝わる、茶の湯
→平安時代、香道の要素が加わる、立ち振る舞いは能の所作から
→鎌倉時代、武士の楽しみになる
→室町時代、華道の要素が加わる、村田珠光
→安土桃山時代、禅と結びついて体系化される、仏教修行の 1 つと捉えていた、武野紹鴎、千利休、一瞬一瞬の時間を大切にしてその時間を過ごす自分を知って大切にする、人生を楽しめる
→江戸時代、茶道と呼ばれる、儒教の影響


1-4. 三千家
…武者小路千家・表千家・裏千家


1-5. 茶道は心の状況を映し出す
…静けさの中に身を置いて自然と一体になり無心になる
→雑念をなくす、今の自分を俯瞰的に見て置かれている状況を把握できる
→自分への問いが残る、どう解決するか前向きに考えることができる


1-6. 型
…無駄のない洗練された動き
→無駄がないため自分の心が現れやすくなる
→型を身につけていくプロセスは自分への気づき、自分と向き合うための心を養う時間
→何事もまずは型を身につける、
型を身につけた後にオリジナリティを出そうとするのが型破り、
型を身につけずにオリジナリティを出そうとするのは型無し


1-7. 人の脳波
❶デルタ波、0.4~4.0 ヘルツ、深い睡眠、意識はなく話しかけても目覚めない
❷シータ波、5.0~6.0 ヘルツ、浅い睡眠、瞑想状態
❸アルファ波、7.0~14.0 ヘルツ、ウトウトした浅い睡眠、深いリラックス状態
❹ベータ波、15.0~26.0 ヘルツ、通常の活動、不安・緊張を含む
❺ガンマ波、27.0~ヘルツ、興奮、怒り・不安・恐怖による
→茶道では❷❸が発生、発想力・感性・記憶力・集中力が育まれる


1-8. お茶事
…3~6 人、正客・連客は事前に決められる、招待状と礼状
→15分前に着くように、4時間続く、2部に分かれていてお庭での休憩を挟む、帰ってから礼状
→一期一会のもの、お客様と亭主でその場を作り上げる


1-9. お茶会
…1席20~50人、お客様がお茶券を買って参加する、不特定多数
→正客とお次客の分だけを弟子が点てる、あとは水屋で点てられたものが運ばれる
→連絡なしに欠席できる、複数席に出席できるお茶券の場合はどの席に参加してもいい


1-10. おもてなし
…待遇、お客様に出すご馳走
→行為の場合は誰に向けてというのがない
→亭主七分客三分、自分をもてなすことができればお客様も楽しめる
→まず自分という土台がなければ何事も成り立たない、
自分に余裕がないと他人に何かしてあげることはできない


1-11. もてなす側・もてなされる側にルールがある
…ルールには意味がある、配慮の気持ち
→おもしろさ・奥深さ、学びは一生続く


1-12. お辞儀
…真・行・草


1-13. 君子の交わり淡きこと水の如し
…立派な人物の交際は淡泊であるがその友情はいつまでも変わることがない
→茶道の人間関係、あまり相手の中にズカズカ入っていかない


1-14. 和敬清寂
…和やかな雰囲気で相手を敬い感謝する、動じないように心に余裕を持つこと
→お茶を点てる瞬間はプレッシャーがかかるものの、
緊張感を見せることなく気持ちよく時間を共に過ごすのが理想
→心に余裕を持つためにお稽古で同じ動きを繰り返す


1-15. 放下著
…モノへの執着をなくす、モノを捨てることは自分と向き合う時間
→何もないのがいいというわけでもない、何を残して何を捨てるのかということを自分と対話する


1-16. 喫茶去
…お茶を一服召し上がれ、地位や損得は関係ない
→お茶を一服飲んで出直しなさいという意味もある


1-17. 坐禅・瞑想
…無心になる、今ここを感じれば無心になれる
→自分の行きたい道を選択できる、自分の人生の主人公は自分、
周りの価値判断に惑わされることなく生きたい道を日々選択できているか?
→他責、他人の価値基準に責任を負わせている、他人がいいと思うか・他人が何をしたいか
→自己肯定感が低い、いつも自分の意思決定が不安、間違いを犯すことを怖がる
→承認欲求、相手に求めてもらいたい、期待すること、自分で勝手に失望する


1-18. 自分とは?
…一瞬一瞬で変わる認知のまとまり
→心理状態・思考回路・言語で変化する
→一期一会、今の自分と今の他人が会うことは 2 度とない、次に会うときは次の自分と次の他人
→今はとても貴重なもの


茶道の構成要素

…着物・茶室・茶庭・香・花・軸・茶道具・もてなしの会話・懐石・和菓子
→季節との一体感を香・花・軸・茶道具・和菓子で表現、
見る・聞く・触る・嗅ぐ・味わうという五感に季節・自然を感じさせる

1-19. 着物
…間にきる一重、帯揚げ、帯締め、襦袢、半襟
→季節によって変える、夏と冬
→場所によって変える、着物の格、無地・模様・紋・帯


1-20. 茶室・茶庭
…モノがないスッキリした空間
→情報過少の環境が情報過多な現代を生きる人の心身を休ませて余白を作る
→引き算の美学、意味のあるものだけが存在しその価値が際立っている、無を味わう場所
→お客様と亭主の動線を考えて部屋・床間・炉の位置を決める、作り・素材
→草庵風茶室、わび
→書院風茶室、わびさび


1-21. 茶室の入り口は小さい
…頭を下げる、刀を持ち込めない
→茶室では身分は関係なく皆平等、全て剥ぎ取った自分という人間がお茶を味わう、非日常


1-22. 茶室に入る前
…靴下は白いもの、座ったときに膝が見えない丈のもの、
茶などの香りを邪魔しないように香水をつけない、
道具を傷つけないようアクセサリーを外す、髪をまとめる、
茶碗を汚さないようにリップをつけない、
扇子・懐紙・古帛紗、手・口を清める
→デジタル機器を持ち込まない、場所・時間・人々への敬意


1-23. 席入り
❶部屋の前で扇子を置いて座り中を見る
❷にじって入室して正客に一礼
❸床間の前に進んで一礼、軸を拝見
❹座ったまま身体の向きを変えて花と花入れを拝見
❺もう一度床間の方に身体の向きを変えて軸を拝見して一礼
❻立って炉の前に移動して座る、正客に背を見せない、釜と炉を拝見
❼座ったまま身体の向きを変えて茶道具を拝見
❽立って自分の席に移動して座る


1-24. 香
…公家の雅の香・武家の精神の香、冬の練り香・夏の香木
→煙は天上界につながるもの、浄化してくれるもの
→香りで非日常の特別な空間を作り出す、集中力を高める、リラックスできる、記憶に残る


1-25. 花
…茶室の中で唯一生きているもの、散りゆく姿に命の無常をみる
→花は仏の命・浄土の美しさを表す
→技巧は凝らさず自然に、花は野にあるように
→傍らにある命に気づいてその命と向き合うことに意味がある、力強さと儚さ


1-26. 軸・書道
…お坊様が独特な字で書いていたり万葉仮名で書かれていたり読むのが大変な場合も多い
→古書を読む知識が必要
→意味は仏教や古典の知識がないとわからない


1-27. 茶道具
…陶磁器・塗物・金物
→取り合わせ、テーマに沿って揃える、形・模様だけではなく銘も大事な要素
→道具は個々に存在しているのではなくその組み合わせで深い意味に変わる


1-28. 茶碗
…薄茶の茶碗は濃茶よりも気軽なものを使う
→金継、傷跡をなかったものにするのではなく景色として新たな調和を生む
→季節・茶席のテーマ・飲む人に合わせて選ぶ、一つ一つに銘があり物語・思いがある


1-29. もてなしの会話
…懐石・和菓子・お茶を待っている時間にお茶会のテーマと道具の説明をする
→正客だけが亭主と会話できる、自分の持っている知識で取り合わせに込めた思いを引き出す、
連客は正客を通じて伺う、香・花・軸・茶道具にヒント
→これでお茶会の出来栄えが決まる、一番難しい


1-30. 懐石
…簡単なお料理、修行僧が空腹をしのぐために温めた石を懐にいれた
→出てくるお茶は基本的に濃茶であるため胃に負担をかけないようにする


1-31. 和菓子
…主菓子、懐石のあとのお口直し、次の濃茶の味を引き立たせる、饅頭・羊羹・練り切り
→干菓子、濃茶の後の薄茶の味を引き立たせる、素手で摘んで懐紙にとる、落雁・おこし
→あまり凝りすぎない方がいい


1-32. 点前
…お茶を点てる手順、清めの儀式
→茶筅通しのときに茶筅を茶碗に打ち当てる音は灑水に由来、香を入れた水を仏具にかけて清める


1-33. 和菓子をいただく
❶上座の隣のお客様が自分との間に和菓子の器を置き『お先に』と一礼(畳の縁の外側)、一礼を返す
❷上座の隣のお客様が和菓子をとった後に和菓子の器を自分の近くに置いてくれる、両手でとって下座の隣のお客様との間に置き『お先に』と一礼
❸和菓子の器を自分の前に戻して亭主に一礼
❹懐紙を束のまま取り出し袋状になった方を手前にして膝前に置く(畳の縁の内側)
❺和菓子の器に片手を添えてもう片方の手で和菓子を懐紙の上にとる
❻和菓子を触った手を懐紙で清める
❼和菓子の器を下座の隣のお客様の近くに置く
❽全員が和菓子をとったところで亭主から『お菓子をどうぞ』と声がかかる、正客が『ご一緒に』と声をかけるので懐紙ごと和菓子を持ち上げて一口ずついただく


1-34. 茶室から退出する
❶床間の前に進んで一礼、軸を拝見
❷座ったまま身体の向きを変えて花と花入れを拝見
❸もう一度床間の方に身体の向きを変えて軸を拝見して一礼
❹立って炉の前に移動して座る、正客に背を見せない、釜と炉を拝見
❺座ったまま身体の向きを変えて茶道具を拝見
❻出口の前に座りににじって退出する


茶道と四季

1-35. ・二十四節気
…季節を24に分けて表現する、俳句の季語


1-36. 五節句
…人日、上巳(ひな祭り)、端午(子供の日)、七夕、重陽


1-37. 皐月の茶、5 月
…立夏・小満、茶の湯の節目、炉を閉じて風炉が据えられる、柄杓、香は香木を使い始める、茶碗は平茶碗が使われる、口が広く浅い

・皐月の点前
…基本と向き合う、釜が風炉の上に据えられることで身体・目線が自然に起き上がり凛とした構えになる、柄杓の置き・切り・引きという扱い

・皐月の禅語
…薫風自南来、若葉を渡る風が心も清々しくしてくれる
→常識や目先の利害に捕われないで心を自由にし自分らしく行動しよう

・皐月の花
…菖蒲、大手毬、利久梅、山法師、鉄線、一輪草、都忘れ、海老根

・皐月の季語
…新緑、青楓、薫風、早乙女、早苗、五月雨、菖蒲、青苔、不如帰、松涛


1-38. 水無月の茶、6月
…芒種・夏至、水と命の深い関わりを意識させてくれる、遠くの山は青っぽく見える、島国特有の水蒸気が多く含まれた空気を通してみるため

・水無月の点前
…雨の季節を楽しむ、葉蓋、葉を水指の蓋にする、赤目柏・芋・蓮・桐・ふき

・水無月の禅語
…雨後青山青転青、雨の後の山は青がいっそう青い
→雑念がなくなれば今まで見えなかった本質が見えるようになる

・水無月の花
…山紫陽花、二人静、木槿、鳴子百合、半夏生、額紫陽花、捩摺、丁子草

・水無月の季語
…岩清水、苔むしろ、深緑、せせらぎ、花菖蒲、燕子花、夏衣、青すすき、蝸牛


1-39. 文月の茶、7月
…小暑・大暑、風の通りを意識する、簾・打ち水、暑さを避けて朝茶事・七夕の茶事が行われる、暑さを和らげるために服装の無礼があっていい

・文月の点前
…茶事を体験する、懐石・濃茶・薄茶、茶の湯の全体像と世界観を掴める、
茶事の流れを知ることで礼儀作法の意味合いや点前の位置付けがわかる

・文月の禅語
…清寥寥白的的、透き通った心と無心の境地
→先入観・駆け引きなく人に接すれば心が通って打ち解けることができる

・文月の花
…露草、朝顔、弟切草、待宵草、金水引、藪茗荷、蛍袋、木槿

・文月の季語
…青田、雲の峰、天道虫、岩清水、打ち水、草生きれ、七夕、初蝉、夕凪、草笛


1-40. 葉月の茶、8月
…立秋・処暑、残暑が厳しいが秋の訪れも感じる、秋の虫の音も聞こえるようになる

・葉月の点前
…水の役割を感じる、茶碗の水を湖に見立てる、水を入れた平茶碗に茶巾を入れて運び水の中から引き上げてお客様の前でたたむ、引き上げるときと絞るときの水が滴る音を聞く

・葉月の禅語
…行雲流水、空を行く雲も流れる水も自然の成り行きに身を任せているだけ
→物事に執着することなくありのままに生きよう

・葉月の花
…山吹升麻、女郎花、山不如帰、田村草、桔梗、河原撫子、紫苑

・葉月の季語
…星月夜、天の川、走馬燈、花火、日暮し、法師蝉、鳳仙花、盆の月、雁渡し


1-41. 長月の茶、9 月
…白露・秋分、夜の長さが長くなって昼とほぼ同じになる、
祈りや感謝という穏やかな心と共に茶の湯の成り立ちに想いを馳せる

・長月の点前
…心でお茶を点てる、能動的な意識へと広げることで点てるお茶も違うものになる、お茶をいただくから点てるへ、香を嗅ぐから焚くへ、花を見るから生けるへ

・長月の禅語
…中有風露香、相手を思う振る舞い・言葉には香りが漂う
→普段の心の持ち方が姿にそのまま現れる

・長月の花
…芙蓉、萩、すすき、我木香、蓼、秋明菊、藤袴、風船葛、桔梗

・長月の季語
…秋風、虫籠、野菊、露衣、初雁、野分、残月、松虫、山里


1-42. 神無月のお茶、10月
…寒露・霜降、神の月、夜が長くなり夜風が清々しい、虫を聞き月を見る

・神無月の点前
…余韻を楽しむ、名残、茶壺の茶葉が少なくなり 1 年の終わりを惜しむ
→今を味わうことで次への心の準備をする間合い、人間関係も 1 つ 1 つ区切られたモノではなく静かな流れで次へと続く、五行棚、天板と地板の間に五行が収められていて宇宙の摂理を表すとされている

・神無月の禅語
…吾唯足知、自分が本当に必要なものを知る
→むやみに欲しがるのではなく必要な分だけでいい

・神無月の花
…野菊、杜鵑草、千振、朮、藍蓼、柘榴、西王母、竜胆、紫式部

・神無月の季語
…薄紅葉、秋の野、照り葉、龍田姫、苫屋、赤とんぼ、晩鐘、行秋、秋時雨


1-43. 霜月の茶、11月
…立冬・小雪、風炉を閉じて炉が据えられる、茶壺の口を切って新茶を使い始める、香は練り香を使い始める、花は木もの・実ものが使われる

・霜月の点前
…炉開き、口切りの茶事、新茶の茶葉を石臼で挽くのも風情、炉壇を塗り替え畳の表替えをする

・霜月の禅語
…他不是吾、他人にしてもらっては自分のためにならない
→自分でやったこと・手に入れたことだから意味を見出せる

・霜月の花
…石蕗、蔓梅擬、令法、土佐水木、白侘助、山法師、榛、娑羅双樹

・霜月の季語
…三夕、深山路、山の錦、初霜、亥の子、落葉、冬安居、冬紅葉、時雨


1-44. 師走の茶、12月
…大雪・冬至、夜咄の茶事、夕暮れを待って5時ごろから、夕食を共にしえ 1 年を振り返る

・師走の点前
…寒さも味わいに変える、行燈と手燭、暗さ・寒さなどマイナスなものを趣とする、前茶と膳燭

・師走の禅語
…庭寒月色深、庭はどの季節よりも寒くてたまらないが月はどの季節よりも美しい
→心の乱れがなくなると真実が見えてくる

・師走の花
…大神楽、蝋梅、冬苺、南天、水仙、梛筏、万両、姫沙羅、寒菊

・師走の季語
…冬霞、猩猩、冬木立、都鳥、枇杷の花、枯野、冬凪、山茶花


1-45. 睦月の茶、1月
…小寒・大寒、初釜、災難を除くためにいいとされているお茶を大福茶としていただく、福が来るように縁起物と関わる

・睦月の点前
…相客に心せよ、茶の湯で一緒になった人と気持ちを合わせ和気の時間を作る

・睦月の禅語
…一座建立、お客様と亭主の心が通えば一体感が生まれる
→みんなの気持ちを合わせれば一期一会の時間になる

・睦月の花
…結び柳、松、寒椿、蝋梅、水仙、千両、梅、衝羽根、福寿草

・睦月の季語
…曙、鶴寿、松寿、老松、神楽、楪、寒牡丹、春待つ


1-46. 如月の茶、2月
…立春・雨水、衣を更に重ね着、雪が雨に変わって草木が芽吹く

・如月の点前
…暖かいものは暖かいように、筒茶碗、お湯が冷めにくいように、お湯の温かさが伝わるように、お客様の手を温めるために細かなところまで心を配る

・如月の禅語
…掬水月在手、水面に映る月を掬えば月は手の中にある
→自分から動きことで気づいたり手にしたりする事ができる

・如月の花
…寒芍薬、蕗のとう、福貴草、雪柳、白文字、満作、節分草、雪割草

・如月の季語
…梅が香、寒仕込、残雪、初音、花魁、春時雨、鶯、雪間草、遠山


1-47. 弥生の茶、3月
…啓蟄・春分、昼が長くなり花が咲き始める、命という茶の湯の原点に回帰できる

・弥生の点前
…侘び茶を楽しむ、釣り釜、少ない火で湯が沸くように、揺らぎが春を感じさせる

・弥生の禅
…紅炉上一点雪、紅くなった炉の上では雑念は雪のように溶けていく
→強い心を持って迷いなく信じる道を進む

・弥生の花
…白木蓮、山茱萸、猫柳、三又、夜叉五倍子、連翹、山吹、利休梅、貝母

・弥生の季語
…春雷、朧月、早蕨、陽炎、春霞、名残の雪、和気、山笑う、初筏


1-48. 卯月の茶、4月
…清明・穀雨、桜が若葉に変わる、気候が暖かいため炉の火が見えないように気遣う

・卯月の点前
…春のしつらえ、透木釜、炉を覆うように据えて炉の火が見えないようにする、鉄の釜鐶の扱いとは違う、口の大きい壺型の水指

・卯月の禅語
…弄花香満衣、触っていた花の香りがいつの間にか自分の服に移っている、
環境次第で自分は変わっていく

・卯月の花
…錨草、宝鐸草、牡丹、金花茶、都忘れ、木蓮、熊谷草、空木、木黒文字

・卯月の季語
…胡蝶、桜川、千代の春、花衣、山桜、蘖、若竹、囀、暮の春


2. 庭園 38項目

2-1. 庭園
…人工的に整備された庭
→庭園はあの世を表現するもの、死・滅びが関わる

→若い頃に興味はないが老い・死に対峙して初めて魅力的に見える
→文学の空間化、和歌・物語


2-2. 死が常に隣り合わせでの世界
…いかに精神を慰めてポジティブにいられるか
→死を表現するものに触れて自分の生をしっかり全うしようと思う、
生を瞑想で認識して自分の生をしっかり全うしようと思う


2-3. 日本庭園は自然風景式庭園
…神道の考え、自然・モノ・ヒトに神が宿る
→神が宿る自然を庭に映そう


2-4. 借景
…庭園の背景も庭園の要素として取り込む


2-5. 奈良時代、枯山水庭園
→平安時代、浄土式庭園、寝殿造系庭園
→室町時代、書院造系庭園
→安土桃山時代・江戸時代、露地、廻遊式庭園
→明治時代、近代庭園


2-6. 枯山水庭園
…池などの水を使わずに石・砂・植物などで自然・宇宙を表現した庭園
→禅の自然観が強く影響している、僧侶が専門技術者だった
→寺院だけでなく寝殿造系庭園・書院造系庭園にも枯山水が作られるようになる
→龍安寺、大徳寺、建仁寺、高台寺、西芳寺


2-7. 寝殿造系庭園
…貴族の家と一体になっている庭園
→寝殿というリビング、対屋という個室群、渡廊という通路
→池が南にあってそれを中心に庭園が一体となって作られる
→池の際は小石を敷いた斜面になっている、池の水量がどうなっても自然に見えるように、池の後ろには松竹梅
→三神仙島、3つの中島を作って橋で結ぶ
→寝殿前の平地は白砂が敷かれて舞台が設けられる
→神泉苑、大覚寺、仁和寺


2-8. 陰陽道の風水の考え
…4つの神に適切に対応させると運気が上がる、科学的視点も含まれる
→東から水を引く、昇る太陽に浄化された水を得る
→西に道路がある、塀によって夏の暑い西日を避ける
→南に池がある、水辺を渡った涼風を寝殿に取り入れる
→北に山がある、冬の寒い北風を避ける


2-9. 浄土式庭園
…あの世を強調して再現した庭園
→仏教信仰の中心が現世ご利益から来世ご利益へ変わった
→観想、極楽浄土をイメージすることが必要
→イメージするのが難しいので庭園にしよう
→平等院、称名寺、法金剛院、毛越寺、白水阿弥陀堂、円成寺


2-10. 神道の考え
…西方浄土、死後の世界は太陽が沈む西にある
→彼岸(西側)、此岸(東側)、先祖の生まれ変わりを願って成仏を祈る
→太陽の動きを考慮して建物・池・堂内の阿弥陀如来像が意図的に配置されている
→夏至の日の出で扉を開けると太陽光が池に反射して堂内に入る、
堂内の鏡に反射して本尊のスポットライトになる


2-11. 夢窓疎石、鎌倉時代
…上下二段構成、上の石庭は極楽浄土(天国)、下の池庭は穢土(地獄)


2-12. 書院造系庭園
…武士の家と一体になっている庭園
→武家は寝殿造を民家に取り入れる、公家への憧れが強かった
→禅の寺の住居形式を寝殿造に取り入れる、畳・違棚・押板(床間)、付け書院
→禅とともにもたらされた石組が池の際に施される、天龍寺
→枯山水と池庭による上下二段構成、生垣に両脇を遮断された参道、西芳寺の影響を受ける、庭を見たいという気持ちが掻き立てられ突然庭の光景が展開される
→鹿苑寺、慈照寺


2-13. 善阿弥・相阿弥、室町時代
…色々な石がリズミカルに配置されている、石組で奥行きを強調し実際より庭園を広く見せる


2-14. 露地
…茶室に至るまでの庭園
→戦いを行う城の中にモチベーションを高める場所として作られた、明日死ぬかもしれない、不確実な世界の中で今ここに集中することで目的を見失わずに前向きになれる
→松の木の下に庭を作って茶を楽しんだのが始まり
→茶室の一期一会への準備、精神を浄化してケガレを払って再生するため
→中潜、結界としての門、ケガレを払う
→手水鉢、手・口を清める、ミソギの行為


2-15. 千利休、安土桃山時代
…自然な美にこだわる、わび、色の少ない自然石を多く使う、手水鉢も自然石をくり抜いたもの、杉の緑すら嫌って色を抑えて茶室も古色をつける


2-16. 古田織部・小堀遠州、安土桃山時代
…人工的な美にこだわる、さび、人工的に四角く加工した石を多く使う、
角度をつけて露地を作る、色鮮やかな植物を積極的に使う


2-17. 廻遊式庭園
…書院造系庭園に露地を取り入れた庭園
→1周できるような作り、再生という露地の本質を輪廻の形に発展させた
→全国の名所・旅で経験した風景を露地で再現する、露地が旅路に置き換えられている
→大名庭園、全国の大名が作らせた庭園、武家諸法度、大名は政治をやめて学芸に専念せよ
→桂離宮を参考に、禁中並公家諸法度、学芸に専念するよう皇族が制限を受けて庭園を作っていた
→三大名園、岡山後楽園・金沢兼六園・水戸偕楽園
→軍事的要素を持っている、城などの防衛拠点に作られた、
池の水は川の水をサイフォンの原理で引いて作る、堀にも井戸にもなる、
築山は櫓・土塁として機能、食料となる梅などを中心に植えられる


2-18. 近代庭園
…ヨーロッパの文化の影響を受けてできた庭園
→廃仏毀釈、多くの庭園が壊されて洋風の庭園が作られた、洋風と和風とで分かれる
→洋風庭園、日本の気候にあった日本の植物・造園技術で噴水・花壇・芝生を取り入れた庭園、丘の上に立つ洋館の前の斜面に階段上に作られた、旧古河庭園
→和風庭園、伝統的ではない庭園を作る人の個性を生かした庭園、中島と石組、ジャポニズム


2-19. 小川治兵衛、明治時代
…日本庭園の新しいスタイルを確立、それまで使われなかった雑木・雑草を自由自在に用いる、石組は水平性を強調して石を寝かせる、芝生などのヨーロッパの植物を日本庭園に応用


日本庭園の構成要素

…池・遣水・滝・石組・築山・垣・苔・石燈篭・手水鉢・苑路・塀・橋

2-20. 池
…日本庭園の中心、涼しい風を寝殿に届けるために作られた、
夜は月明かりを証明にして舟遊びができる
→視覚的な中心、池を中心に視点を変えながら多様な景観を作る

❶蓮池
…極楽浄土の池には蓮華があってそこから生まれ変わる、泥の中にあっても清らかな花を咲かせる姿から仏のシンボルになった
→モネの睡蓮はモネが自宅に浄土式庭園を作って描いた

❷放生池
…魚・亀を放つ、殺生を戒める儀式のため、戦争で亡くなった人の鎮魂のため

❸山神仙島
…池には3つの中島を作ろう、不老不死を願う、蓬莱山・須弥山・鶴亀島


2-21. 遣水
…池に水を引き入れる水路
→野原の小川を再現、草を植えて虫を放つ、緩やかな起伏にしてできるだけ蛇行させる
→石を置いて流れを変化させ波・水音にも細かくこだわる、
せせらぎを触れて楽しむため石橋をかける
→舟遊びができる庭園では遣水から川に出ることができた
→曲水の宴、遣水の縁に座って流れてくる杯が自分の前を過ぎるまでに和歌を読む遊び、できなければ杯の酒を飲む、池がない庭園でも遣水だけは作られた


2-22. 滝
…日本庭園に欠かせない、日本特有の地形から生まれた景色
→水が落ちる様子と音を楽しむ、自然の重力に逆らわない、噴水とは反対の概念
→水の落とし方、直瀑・分岐瀑・段瀑・渓流瀑

❶布滝
…白い布を吊るしたように途切れなく一定の厚みで流れる滝

❷枯滝
…水が流れない枯山水庭園では石組で滝を表現、龍門瀑、登竜門の語源、上段の遠山石・中段の鯉魚石・下段の水落石


2-23. 庭石
…天然の岩石を加工しないで庭に置く、立石・伏石・平石・構石
→飛石、平らな石を進行方向に置く、一足物・二足物・多足物、二連打・三連打・雁打・千鳥掛

→火成岩は粒が荒くワイルドさを醸し出す、山石、
水成岩は粒が細かくマイルドさを醸し出す、川石・海石


2-24. 石組
…2つ以上の庭石の組み合わせ
→同系同色の石で大小が対比的なものを組み合わせる、位置・形・組み合わせに意味がある


2-25. 仏教的石組
…須弥山、仏教の宇宙観を表現した石、真ん中に背の高い石を置く、
周りに九山八海に見立てた石の集団を置く

❶三尊石組
…如来と両脇の菩薩を表現した石、庭園の高い場所、真ん中に背の高い石を置く、両脇にそれよりも背が低い石を置く

❷礼拝石
…三尊形式にとらわれずに1つの石で礼拝の対象となる石

❸十六羅漢石
…悟りを開いた 16人の有名な僧を表現した石

❹影向石
…仏や神が出現した場所に置かれた石、磐座、神社の起源

❺楽器石
…菩薩が奏でる楽器に似た形の石を置いて菩薩を表現した石

❻坐禅石
…禅の僧が瞑想を行って修行するための石、古墳の石が崩れて落ちてきたものを置くことも、人は死ぬと無になるという考え

❼陰陽石
…男性器・女性器を表現した石、子孫繁栄の願いをこめる、後継がいないと家が潰される


2-26. 風景的石組
❶滝石組
…滝を作るための石

❷連山石組
…連なる山々を表現した石

❸護岸石組
…池・遣水の岸を水から守るための石


2-27. 築山
…池を掘った土を盛り上げてできた山
→野筋、築山の中で傾斜が緩いもの


2-28. 垣
…庭園の境界を定めるための囲い、自然と調和する

❶袖垣
…竹などの材料を四角く組み立てて縄で固定して囲いにする、四つ目垣・矢来垣

❷生垣
…苗木を育てて囲いにする、大刈込・小刈込、低木を幾何学形に整える、キリスト教とともに伝わる


2-29. 苔
…日本特有の気候が育んだ植栽、湿度の高さ、日陰を好むものと日向を好むものに分かれる


2-30. 木
…四季の見どころを作る、針葉樹・落葉樹・竹・笹
→松は不老不死のシンボル、月も、松は東南に植えられることが多い、月を見る上で一番いい位置


2-31. 石燈篭
…庭園の照明
→露地に取り入れられたのが始まり、花崗岩がよく使われる、御影石・白川石
→宝珠・笠・火袋・中台・竿・基礎・基壇


2-32. 手水鉢
…口・手を清める水が入った鉢
→自然石手水鉢・富士型・鎌型
→見立てもの手水鉢
→創作手水鉢銭型・木瓜型・流れ手水


2-33. 苑路
…庭園の中の歩道、さまざまな視点から庭園を見ることができる、燈篭・手水鉢・外腰掛
→先細りさせて遠近感を強調、生垣で囲って庭園を見たいという気持ちを高める


2-34. 塀
…庭園の境界を定めるための囲い、垣とともに使われる、自然を引き立てるような板・漆・瓦


2-35. 橋
…庭園を眺めるスポットであり庭園の景観も作る、この世とあの世の結界を表す

❶平橋
…水平な橋、軽快さがあり周りの自然と馴染む、存在感を強調したくない中島へ渡る橋などにも使われる

❷反橋
…曲がった橋、中国の影響を受けた、あの世に渡る結界を浄化するという意味

❸石橋
…自然石を加工せず使って作った平橋

❹土橋
…丸太を並べて土を踏み固めて作った反橋

❺呉橋
…屋根・腰掛をつけて作った平橋


2-36. 荒磯
…池を海に見立てるために荒い海岸のようにゴツゴツした石を置く


2-37. 洲浜
…池を海に見立てるために玉石を敷く


2-38. 舟着
…舟の拠点


おわりに

ここまでご覧いただき、ありがとうございます。
修正の際は、番号を指定して、フォーマットをなんとなく合わせていただけると助かります。

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