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経済に関するメモ(6) 【経済と植物】

本メモは経済の基礎的な内容に関するメモです。


1. 様々な植物と世界史 38項目

…歴史を動かすのはカネ・経済、カネ・経済という概念は植物から生まれる

コムギ

…その一粒から文明は生まれた、狩猟生活から農耕生活へ
世界で2番目に多く栽培されている
→メソポタミア文明、エジプト文明、インダス文明

1-1. 古代の地球環境は安定の時代
…温暖な気候・高い二酸化炭素濃度、木が発達
→白亜紀、巨大な大陸が分裂して移動、引き裂かれたところは湿地帯、ぶつかったところは山
→地球環境は変化の時代へ、木から草へ進化、ゆっくり木を作る余裕はない
→単子葉植物、スピード重視、直線構造


1-2. 最も進化したのはイネ科
…成長点を低く、少しずつ茎を伸ばして地面スレスレに枝を増やす、
葉は固く栄養価はない、栄養を地面スレスレの茎に蓄える
→草食動物の進化、反芻で栄養を作り出す、盲腸の微生物で栄養分を作り出す、大量に食べないと


1-3. ・コムギは種子が落ちない、非脱粒性、植物にとっては致命的
…人間は種子を食べることができる、種子を植えて育てれば増やすことができる
→農業は重労働、自然が豊かでない場所で農業は発展、乾燥化・寒冷化、川の周辺に集まる
→メソポタミア、牧畜、肉と乳、イネを食べさせる、砂漠に水路


1-4. 種子の炭水化物は発芽するための栄養、イネ科はほとんど炭水化物、他の栄養を作る余裕がない
…食べずに残った種子は人間に富という概念を認識させる、将来の収穫、肉は腐るから分け合う
→人口が増えて村・国を作る、富を求めて争うようになる


コメ

…日本を作った、世界で3番目に多く栽培されている
→長江文明、インダス文明

1-5. コメ伝来前はサトイモが主食
…日本人がネバネバ食感を好むのはサトイモの遠い記憶か?
→呉越の戦い、ダイズの黄河文明 vs コメの長江文明、敗れた越の人間が日本に漂着
→東日本は自然豊かで最初は農業を受け入れなかった
→気温が下がり東日本の環境が変わる
→富という概念により徐々に受け入れる、道具・技術の発達は争いに活かされる、青銅器・鉄器


1-6. コメは栄養価に優れる
…炭水化物だけでなくタンパク質・ミネラル・ビタミン
→アミノ酸、メチオニンは多いがリジンが足りない
→ダイズで補える、ご飯と味噌汁は最強


1-7. コメは極めて生産性が高い
…30倍に増える、1つの種もみから約1,000 粒、コムギは3倍
…栽培するのに大量の水を必要とするが日本の夏は降水量が多い・冬は雪が積もり溶けて川になる
→戦国時代、田んぼ、平野部は住めないくらいの湿地帯、山間部の水の流れをコントロール
→棚田、洪水を防ぐ、多くの地域でコメを作ることはできずヒエ・アワ・ソバを作った、同じ島国のイギリスに比べて 6 倍もの人口がいた
→コメは貨幣になった、偽物かもしれない小判より信用できる、石高という限られた戦い
→江戸時代、新田開発、関東平野、川の下流部に広げる、山間部から平野部へ、城と城下町、人口密度は高い、少ない農地で食べていける、二毛作、
コメが貨幣であればお金があっても食糧不足で死んでしまうということがない
→コメを無制限に増やしていくとコメバブルが起きて弾ける、インフレ
→徳川吉宗、享保の改革、コメ価格を上げる


ダイズ

…軍事食、味噌・醤油は栄養豊富な保存食、
世界で5番目に多く栽培されている
→黄河文明

1-8. ダイズはタンパク質・脂質を多く含む
…マメ科は空気中の窒素を吸収できる、それができるまでのタンパク質が種子に含まれる
→コメとの相性がいい、ご飯と味噌汁、納豆ご飯、いなり寿司、きな粉餅、醤油煎餅


1-9. 古代中国を支えたコメ・ダイズ
…農作物を収穫すると土の栄養が外に持ち出される、ミネラルのバランスが崩れ有害物質が出る
→コメは川の水で栄養補給・有害物質を排出、ダイズは栄養のない土で育つ・窒素を吸収できる
→縄文時代以前、中国から日本に伝わる
→奈良時代、味噌・醤油などといった加工技術が中国から伝わる
→戦国時代、味噌が軍事食となる、セロトニンの分泌を促進、心が落ち着いて前向きになれる、レシチンで迅速・冷静な判断、アルギニンで疲労回復・免疫強化、塩の代わりに塩分を備蓄
→三河の赤味噌、コメ麹を入れない、コメ麹は発酵を早める、味噌カツ・味噌煮込みうどん
→信州の白味噌、コメ麹を入れる、行軍の間に発酵、ほうとう
→江戸時代、ペリーがアメリカに伝える、アメリカの人はダイズを受け入れようとしなかった
→世界恐慌、トウモロコシオイル価格が下落、ダイズオイルの需要拡大、ほとんどが家畜の餌
→第二次世界大戦、南米で日系移民がダイズを栽培、生産量 1 位はアメリカ、生産量 2 位はブラジル
→戦後はダイズはアメリカが栽培、日本で加工してアメリカへ


タマネギ

…古代エジプトの薬効、巨大ピラミッドを支える
→エジプト文明

1-10. 中東で古くから栽培される、タマネギは保存しやすい、乾燥に強い
…乾燥地帯で生き抜くために葉に栄養を蓄える、食べているのは葉、根でも茎でもない
→殺菌・防腐成分は病原菌・害虫から身を守るためのもの、疲労回復・免疫強化、球根で増加
→古代エジプトに伝わる、壁画では腰にタマネギをぶら下げている、ミイラの目のくぼみや包帯
→ヨーロッパでは魔除け、白い見た目と神秘的パワー、ユニオはラテン語で真珠、ニンニクも


1-11. 大航海時代、船乗りはタマネギを重宝した
…江戸時代、オランダから日本に伝わる、日本の人は受け入れようとしなかった、観賞用
→明治時代、西洋野菜の導入とともに栽培開始、ラッキョウのお化け、コレラに効くと広まる


コショウ

…ヨーロッパが渇望した黒い黄金、肉をいい状態で保存して美味しく食べるための魔法
→大航海時代のきっかけ

1-12. 冬はイネ科の草原がなくなる
…冬になる前に家畜を肉にして食いつなぐ、コショウは贅沢な食生活を実現してくれる
→コショウはヨーロッパで栽培できない、高級品、アラブ商人・ベネチア商人、税金高い


1-13. スパイスの辛味成分は植物が病原菌・害虫から身を守るためのもの
…涼しいヨーロッパでは病原菌・害虫が少ない、高温多湿なインドなどでは病原菌・害虫が多い


1-14. 十字軍の遠征
…イスラム圏の食べ物を食べる、コショウなどのスパイスを知る
→インドから海路で直接持ち込みたい、海の向こう側は一度行けば生きて戻れないような世界
→エンリケ航海王子、アフリカのボジャドール岬、マラゲッタペッパーと奴隷を持ち帰る
→大航海時代、ポルトガルとスペインの植民地、アメリカと中南米、乱暴な植民地支配と凋落
→イギリスとオランダは丁寧な植民地支配を心がける
→イギリスはスペインを破る、オランダはポルトガルを破る
→コショウで競い合う、輸送コスト、コショウ購入価格上昇、コショウ売却価格下落
→東インド会社、複数の商社をまとめて会社を作る
→産業革命、大量のコショウが運ばれコショウ価格下落
→東インド会社はチャに目をつける


1-15. 織田信長、日本に最初に来たのはポルトガル、鉄砲、ザビエル
→徳川家康、スペインとの外交をオランダが邪魔する、スペインは伊達政宗と手を組む、使節団
→出島、オランダ、プロテスタントであり布教活動がなかったため OK


トウガラシ

…コロンブスの苦悩とアジアの熱狂、コロンブスはトウガラシをコショウと呼んだ
→アメリカ大陸で発見

1-16. トウガラシのカプサイシン、ニコチン・カフェインと同じような魔力
…人間の味覚に辛味はない、痛覚、カプサイシンの痛み
→早く消化しようと胃腸が活発になる、食欲増進、アドレナリンの分泌を促して血行が良くなる
→エンドルフィンも分泌される、疲労・痛みを和らげる、陶酔感と快楽


1-17. 果実が赤くなるのは鳥を呼んで果実を食べさせて種子を運んでもらうため
→熟した果実は赤くて甘い、トウガラシは赤いが甘くない
→食べさせるのを鳥に限定するため、鳥は辛さを感じない、哺乳類は辛さを感じる


1-18. コロンブス、アメリカ大陸でトウガラシ発見、コショウと勘違い
…意図的に間違えていた・言い張っていた可能性、イザベラ女王からの多額の資金援助
→ヨーロッパの人はトウガラシを受け入れようとしなかった、ピーマン・パプリカなら
→カブラル、アメリカの東に到達、ブラジル、船乗りはトウガラシを重宝した、トウガラシはビタミンCを多く含む、船乗りを悩ませる壊血病はビタミン C 不足から
→ポルトガルの航路によってトウガラシはアジア・アフリカで広まる
アジア・アフリカの人はトウガラシを受け入れた、保存に便利、暑さで減退する食欲を増進、アジアでは栽培もしやすい


1-19. 日本にもトウガラシ・ジャガイモ・サツマイモ・トウモロコシ・カボチャが広まる
…中南米原産だが中国から持ち込まれたため中国からだと勘違いする
→日本の人は受け入れようとしなかった、肉食は仏教で禁止、素材の味が活かされない
→韓国の人は受け入れた、元寇で支配された時に肉食が習慣化、日本からだと勘違いする


ジャガイモ

…アメリカを作った、悪魔の植物、世界で4番目に多く栽培されている
→インカ文明、アメリカ大陸で発見

1-20. アメリカ大陸でジャガイモ発見、ヨーロッパでも栽培できる
…イモは雨期と乾期が明確な地域に多い、雨期に栄養を地面の下に蓄えて乾期を乗り越える
→ヨーロッパの人はジャガイモを受け入れようとしなかった、誤って芽や緑の部分を食べ死亡、ナス科はほとんど有毒、聖書にも書かれていない、悪魔の植物、魔女裁判で火炙り
→食用ではなく観賞用として栽培される、大凶作のヨーロッパでは食用として広めたい
→イギリス、エリザベス 1 世、ジャガイモパーティ、エリザベス 1 世はソラニン中毒

ドイツ、フリードリヒ 2 世、自ら食べて宣伝、ジャーマンポテト、豚はジャガイモを食べる

フランス、ルイ 16 世、パルマンティエがドイツの捕虜となる、マリーアントワネットの花飾り

→貴族に広まる、盗んではいけない張り紙を出すが夜は警備を手薄にして盗ませる


1-21. ヨーロッパの食料が安定、肉食が広まる、人口が増加、産業革命を支える
…ジャガイモを豚の餌にできる、豚は肉にできる、
ムギを牛の餌にできる、牛は肉にできない
→大航海時代、船乗りはジャガイモを重宝した、ビタミン C
→オランダから日本に伝わる、ジャガタラ(ジャカルタ)からきた、ジャガタライモ
→日本の人が受け入れ始めたのは明治時代、肉食が広まってから、中央構造線沿いで栽培、作物を育てにくい、貴重な食料、凍み芋とチューニョ、磁場が少なくパワースポットになる


1-22. アイルランドでジャガイモの疫病が発生
…1 つの品種しか育てていない、対応できない、飢饉が発生
→アメリカを目指すしかない、アメリカの工業化を支える、ケネディ、レーガン、オバマ、ディズニー、マクドナルド兄弟


1-23. イギリスでカレーライスの誕生
…インドの植民地、コメは野菜と同じ感覚、航海食としてジャガイモ、海軍の軍隊食、とろみ
→日本の海軍では脚気が流行る、脚気はビタミン B1 不足から、肉やジャガイモはビタミン B1 を含む
→日露戦争、日英同盟で日本の海軍にカレーが普及、終結後は帰還した兵士によって家庭に普及
→カレーの調味料をカレー粉から砂糖・醤油に変えると肉じゃがになる


1-24. パンがなければブリオッシュを食べればいい
…マリーアントワネットの言葉ではない、ルイ16世の叔母の言葉


トウモロコシ

…食糧・資材・エネルギーになる、宇宙からやってきた植物、
世界で1番目に多く栽培されている
→アステカ文明、マヤ文明、アメリカ大陸で発見

1-25. トウモロコシの祖先が謎
…中南米のテオシントが祖先とされているがテオシントに近い植物はない
雄花は茎の先端・雌花は茎の中、イネ科は 1 つの花におしべとめしべを持つ
→種子を皮で包んでいるため種子を落とすことができない、食べられる前提
→マヤ文明の伝説では人間はトウモロコシから作られたとされている


1-26. 大航海時代、アメリカ大陸で発見、ヨーロッパに伝わる
…ヨーロッパの人は受け入れようとしなかった、聖書の自然の摂理に反する、家畜の餌

→産業革命、食品加工に使われる、コーンオイル、コーンスターチ、果糖ブドウ糖液糖、工業用アルコール・のり、ダンボール、バイオエタノール
→世界的に栽培されている、分布を広げることに成功


トマト

…世界の食文化を変えた、世界で6番目に多く栽培されている
→アステカ文明、アメリカ大陸で発見

1-27. トマトは赤すぎる、リコピンという赤の色素
…人間は赤い色を見ると副交感神経が刺激されて食欲が湧く
→アントシアニンという紫の色素、カロチノイドという橙の色素、赤に近づける
→ヨーロッパの人は赤い果実を見たことがなく、初めは毒々しいと感じた、観賞用


1-28. トマトは果物
…植物の果実、デザート的に食べるのが果物という考えも、野菜か果物か裁判
→果物には税金がかけられなかったため輸入業者は果物と主張
→日本では野菜、草本性の植物、イチゴやメロンも


1-29. アメリカ大陸でトマト発見、ヨーロッパでも栽培できる
…メキシコのアステカ文明の人々が食べていた、アステカ文明制圧、エルナン・コルテス
→ヨーロッパの人はトマトを受け入れようとしなかった、青臭い、ナス科
→ナポリ王国、飢饉が起こりやむを得ず食べたのが最初、トマトソース、パスタとピザ
→アメリカに伝わる、アメリカでトマトを使ってケチャップを作る、ケツイアプという中国の魚醤
→フライドポテト・ハンバーガー・オムレツなどケチャップ文化が花開く、生産量1位は中国


ワタ

…世界の衣服文化を変えた、羊が生えた植物
→産業革命のきっかけ、欲望と戦争

1-30. ワタは実にある繊維が繊維となる、種子を守る、他の植物は茎にある繊維
…ヨーロッパでは繊維は羊毛だった、羊毛と同じ感じ、羊が生えた植物
→東インド会社がインド貿易を始めるとワタが大人気、インドからのワタ輸入を禁止
→人気がありすぎて国内生産へ、マニュファクチュア(工場製手工業)
→人気がありすぎて作っても足りない、飛び杼と紡績機の発明、作業は分業化、工場は大規模化

→産業革命、蒸気機関により作業が機械化、ワタ価格が下落、インドの織物が大打撃
→ワタの生産地はインドだけでは足りない、アメリカへ、タバコは価格が安定しない
→アメリカに労働力がなかったのでアフリカからの黒人奴隷を使う、三角貿易
→南北戦争
北部の人はイギリスから輸入される工業製品に関税をかけたかった、保護貿易
南部の人はワタを輸出したかった、自由貿易、輸出をやめるとイギリスが支援してくれるかも

→奴隷解放宣言、リンカーン大統領、イギリスが支援しづらい、北部の勝利
→ロシアはワタの栽培を始める、水不足、ウズベキスタン、アラル海、有数のワタ生産地


1-31. 日本にワタが伝わるのは平安時代、インド人が漂着
…日本の人はコメの栽培にリソースを割いていた、中国・朝鮮からの輸入、高級品
→戦国時代から江戸時代、大名はワタの栽培、三河など、田んぼが作れなかった
→徳川吉宗、質素倹約、ワタの着物、ワタは質素なものとみなされるくらい普及
→瀬戸内海地域、今治・豊田・倉敷、北九州工業地帯
→木製人力織機の発明、豊田自動織機、トヨタ、浜松の織機、スズキ、オートバイと軽自動車


チャ

…神秘の飲み物である紅茶、カフェインの魔力とアヘン戦争
→産業革命のきっかけ、欲望と戦争

1-32. 広東省ではチャー、福建省ではテ
…日本のチャ、中東圏のチャイ、シルクロード、ヨーロッパのティー
→緑茶は茶葉を直ぐ加熱して酸化させない、紅茶は茶葉を寝かせて酸化させる、痛みにくい


1-33. 中国最古の薬
…秦、始皇帝、不老不死の効果があると信じていた
→唐、仏教で利用される、坐禅の眠気覚まし
→宋、煎じるより粉末にして飲む方が良い、抹茶、日本の留学僧が日本に伝える
→明、洪武帝、貴族の飲み物を庶民へ広めたい、茶葉で飲めるように、抹茶は日本で生き残る


1-34. 大航海時代、オランダの宣教師がオランダに伝える
…日本から、茶道文化に触れる、チャは身分の高い人が飲むもの
→イギリスの名誉革命、オランダからウィリアム王、チャをイギリスに伝える
→上流階級のティーパーティが女性の社交場とされる、コーヒーハウスが男性の社交場、行けない
→男性が出会いを求めてティーパーティに行くようになる

→産業革命、労働者階級は紅茶を飲んだ、抗菌作用、水より衛生的に良い、カフェインでスッキリ
→人気がありすぎてチャを清から買うしかない、銀が流出、アメリカの独立でカネづるがいなくなる
→イギリスはインドでアヘンを作ってインドから清に売る、銀をインドから回収、三角貿易
→アヘン戦争、日本はヨーロッパの脅威を思い知る、明治維新、絹とチャの生産、旧幕臣の雇用

→イギリスはインドでチャの木を発見、アッサム種、中国種とは異なり暑い環境で育つ、病原菌・害虫が多いため抗菌作用であるカフェインが多く含まれる、紅茶に向いている、カフェインは有害物質なので排出しようとする、トイレに行きたくなる


1-35. アメリカでも茶が飲まれていたがイギリスが茶税をかける、オランダから密輸、茶条例
…ボストン茶会事件、アメリカがイギリスにキレる、独立戦争
→アメリカの人はコーヒーを飲む、アメリカンコーヒー、紅茶の味に似せて浅く焙煎したコーヒー
→南北戦争、
北部のチャ派はイギリスから自立したい
南部のワタ派はイギリスと繋がりたい


チューリップ

…世界初のバブル経済を引き起こす、投機的、余った金で買う
→欲望と経済

1-38. 十字軍の遠征
…中東原産のチューリップがヨーロッパに伝わる
→トルコで品種改良されオランダに伝わる、ターバンを意味するチュルバンから
→オランダで大人気、冬の寒さが厳しいため春に咲く花が少なかった
→チューリップを持つことはステータス、人気が高まる、チューリップ価格上昇
→東インド会社などの利益で投機的に購入、実態とかけ離れたバブルが起こる
→多くの人々はチューリップを買えなくなりバブル


2. サトウキビ 13項目

…人間を惑わす甘美さ、タバコ・コーヒーとともに
→欲望と経済


2-1. 世界商品の最初がサトウキビ、ステイプル
→サトウキビをカネにする努力がアメリカ先住民をほとんど絶滅させアフリカ黒人を奴隷にした
→その中で生まれたものが現代に役立っている・現代を作っている、
そういう世界で恩恵を享受できている


2-2. 人間は甘いものが大好き、甘味とは糖、脳・身体のエネルギー
…最初はハチミツ、農業が始まるとデンプン
→インドのサトウキビ、仏教、釈迦が食べた、薬とされた


2-3. 砂糖をどの程度食べているかでその国の文化水準がわかった
…戦後の食べ物がない時代
→初めて砂糖を口にした時に好きな人は多い
→チャ・コーヒー・タバコ・アルコールは初めのうちは苦い・渋いという不快さがある、それらに慣れると甘いものが苦手になる


2-4. 砂糖は何に使われたのか?
…薬・装飾・香料・甘味料・保存料、イスラムの医学、ヨーロッパの医学よりレベルが高かった、
慢性的に栄養不足だった時代ではカロリーが即効性のある薬になった可能性
→儀式、白さに神秘的な意味があるとされた、高かったので権威があるとされた、ウェディングケーキ、スーツも白が多い
→供給量が少なくて珍しくて高価なものだったからそういった考え・使い方が生まれた
→調味料、供給量が多くなると調味料として考えられる、
チャ・コーヒーと結びつくカロリー源となる、それまで主役だったハチミツが脇役になる


2-5. サトウキビの原生地
…インド・インドネシア、熱帯・亜熱帯に適した植物

→アレクサンドロス帝国が発見
→イスラム教徒により普及、地中海を制する
→土地の移動が必要、サトウキビの栽培で土の栄養が大量に消費されて土地が荒れる

→十字軍運動、聖地を取り戻すことはできなかったもののイスラムとの貿易ルートが作られる、イスラムの進んだ科学がヨーロッパに取り入れられる
→サトウキビがヨーロッパに伝えられる、サトウキビは高級品、貴族だけ
→サトウキビの栽培は重労働、一気に収穫・精製、プランテーション、奴隷が必要
→プランテーション、栽培と加工に集中、食料などは輸入する、
大量の資本・黒人奴隷がイギリスで使われる、ポルトガルにより普及、
ベルギーで売りさばかれる、アントウェルペン

→大航海時代、コロンブス、スペインはアメリカ大陸を発見しても満足しない、富を作りたい、サトウキビを世界商品へ
→アメリカにサトウキビを伝える、森が焼き払われてサトウキビ畑となる
→他の国もアメリカでサトウキビを栽培するようになる、アフリカの黒人奴隷
→チャがサトウキビの価値を高める、カフェインの苦味を抑える

→ワタの栽培、ワタ・綿織物も世界商品へ、薄くて洗濯がしやすい、ヨーロッパ・アフリカに好まれる、毛織物はヨーロッパだけ、大量の資本・黒人奴隷がアメリカで使われる
→たくさんの植物・動物が活発に移動する、馬がアメリカへ、伝染病も移動する
→人は常に新しい使える植物があるか探してきた
→教皇分界線、キリスト教の教皇が勝手に世界を2つに分けた
→トルデシリャス条約、異議を唱える、ブラジルだけポルトガル領

→オランダによってカリブ海の島にサトウキビ栽培が移動する、
アントウェルペンからアムステルダムへ、日本の奄美諸島・四国に伝わる、和三盆、金平糖
→イギリスの海賊、ジャマイカに潜む、カリブの海賊
→サトウキビ革命、先住民が消えてアフリカの黒人奴隷が人口のほとんどを占めるようになる、自分たちの独自の楽しみを作って文化にする、アフロカリビアン、音楽
→北アメリカではワタの生産
カリブ海ではサトウキビの生産
南アメリカではコーヒーの生産
スリランカではチャの生産
インドネシアではゴムの生産

→ハワイを発見、サトウキビを栽培しよう、東南アジア経由・アメリカ経由が交わる
→南北戦争で黒人奴隷を連れて来れない、ハワイの先住民は働く気がない
→中国から労働者を大量に連れてくる、賃上げと労働環境の改善を要求してきた
→日本から労働者を連れてくる、賃上げと労働環境の改善を要求してきた
→フィリピン人・朝鮮人・ポルトガル人・スペイン人
→ハワイでは多民族・多文化が共存する、日本人は女性をハワイに迎えて社会を作った
→プランテーションが広がった地域のほとんどが開発途上国として知られている、社会・経済の発展を押し曲げてしまった


2-6. 大量の砂糖がもたらされる
…イギリスで紅茶を飲む習慣とともに大量に消費される
→ピューリタン革命、王政復古、ポルトガル出身の女性が王の妻となる、王族がチャを飲み始める
→貴族が王族の真似をしてチャを飲む、元々薬だったがコーヒハウスで売られて普及、飲める人は限られていた
→チャ・砂糖は貴族のステータスシンボルになった、
商人が豊かになってきたからそれ以上だと示したい、日本酒に金箔を入れて飲むのに似ている
→市民が貴族の真似をしてチャを飲む、チャ・砂糖が大量に安くイギリスに入ってくる、地球の東の端から持ち込まれたチャに西の端からもたらされる砂糖を入れて飲む
→フランスではカフェが続く、チャではなくワインを飲むようになる、コーヒーを飲み続ける、家庭でコーヒーを飲むのが難しいため、砂糖が余る


2-7. スペインはアメリカからカカオを持ち帰る
…カール5世がチョコレートに砂糖を入れて飲む、スペイン植民地のジャマイカでも飲まれる
→イタリアがチョコレートの作り方を盗んで手にいれる、他の国も真似をしてチョコレートを飲む
→フランスもチョコレートを飲み始める、ルイ14世、ヴェルサイユ宮殿
→イギリスもコーヒーハウスでチョコレートを飲み始める
→オランダの会社がココアの特許をとる、粉末チョコレート
→イギリスの会社が固形のチョコレートを作る、カカオにココアバターと砂糖を加える
→スイスの会社がミルクチョコレートを作る、固形のチョコレートに粉ミルクを加える
→ブラジル、コートジボアール


2-8. コーヒーハウス
…コーヒー・チャ・液体のチョコレートが売られる、砂糖を入れる、タバコを吸う
→海外から来た嗜好品に囲まれてエキゾチックな感じがする場所
→情報を交換し議論しあった、多少の身分・経済力の差は問題にならない自由の雰囲気
→文学の話題、ロビンソンクルーソー、ガリバー旅行記
→コーヒーハウスで政党が生まれる、トーリとホイッグ
→ペストの流行、それでもコーヒーハウスは開かれていた、ロンドンの大火が起きてもすぐ復興
→チョコレートハウスと呼ばれるようになる、クラブ化、
お酒が出て賭け事が行われるようになって品が悪くなった
→コーヒーハウスが流行らなくなって飲み物が家庭で飲まれるようになる、
コーヒーではなくチャがほとんど、植民地でのコーヒー生産が少なかったため、入れるのが難しかったため
→チャ・ワイン・タバコがイギリスに密輸される、港町みんなの副業が密輸だった


2-9. 糖蜜
…サトウキビを臼で絞って煮詰める時にできた残りかす
→ラム酒が生まれる、黒人奴隷にも開拓者の白人にも人気だった
→北アメリカに輸出
→イギリスにも輸出、ワインの代わり、フランスからワインを買わないようにしていた
→ジンのアル中が社会問題に、ジンではなくビールを飲もうキャンペーン
→パンチ、ワイン・ウィスキー・ラム酒などにフルーツを入れたもの
→糖蜜法、砂糖法
→北アメリカの人々の不満が蓄積


2-10. アメリカもイギリスの真似をしてチャを飲む、できるだけイギリス人っぽい生活をしたかった
…タバコを栽培してイギリスに売る、そのカネでイギリスの家具・食べ物・チャを買う
→七年戦争、イギリスは債務が膨らむ、国民の税金が高くなって不満が出てくる
→印紙法、アメリカの人も税金払いなよ、アメリカの植民地守るためだから
→アメリカはイギリスからモノを買うのをやめた、イギリスの真似をやめた、アメリカになろう
→印紙法を廃止
→茶法、チャの税金だけは譲れない、それ以外は税金かけない
→アメリカはイギリスの真似をやめたためチャも買われない
→ボストン茶会事件
→アメリカ独立戦争
→アメリカはコーヒー飲もう、チャに関わるモノが残っている、カップなど
→アメリカはイギリスのせいでイギリス植民地のカリブ海と貿易できない、
イギリス植民地のカリブ海の方が痛手を受ける、アメリカから食べ物を買っていたため
→サトウキビの生産は衰退していく
→アメリカは砂糖をフランス植民地から手に入れる
→コカコーラ飲もう


2-11. 百年戦争
…南北アメリカ・インドで植民地を確保するための戦争、
スペイン植民地に黒人奴隷を供給する権利を確保するためでもあった
→産業革命、鉄道はサトウキビを早く輸送するために使われる

→イングリッシュ・ブレックファスト、イギリス風の朝食、体を使う労働者にはうってつけ、チャ・砂糖・ポリッジ、オート麦のおかゆ、お湯さえ沸かせればいい、産業革命以降は都市の労働者が増え朝食の時間があまりない、
貧民の食品と貴族の食品が重なって成立

→アフタヌーンティー、昼食と夕食の間が空いたためそれを埋める
→貴族のステータスシンボルとなっていたものがいつの間にか市民を支えるものとなっていた
→都市が発達、生産者を保護する方向から消費者を保護する方向へ世界が傾く、消費者が安く生活できれば賃金は安いままでいい
→黒人奴隷解放の動き、1807 年に廃止、実際は 1833 年まで続いた、砂糖貿易への執着
→フランス革命、ナポレオン戦争
→黒人の独立国家ハイチが建国、ドミニカ共和国での反乱、その隙間を利用
→イギリスは黒人奴隷ではなくアジア人契約労働者を使い始める、アジアの海外異民、それでもサトウキビの生産は衰退していく


2-12. 日本の砂糖
…隋から伝わった、隋にはインドから伝わった可能性
→本格的に砂糖を使うようになったのはポルトガルからのお菓子が始まり


2-13. ウィリアム・ホガース
【当世風結婚】
…地主の息子と成金商人の娘の結婚
→立派な家系図と積まれた金貨、黒人の召使い、
豊かな社会とは奴隷が生産したものを取引して得たものというだけ、
上品で洗練された文化・モノは下品で野蛮だとみなされた人の犠牲の上に成り立っている


3. コーヒー 21項目

…人間を惑わす甘美さ、タバコ・サトウキビとともに
→欲望と経済、低価格と異常気象

3-1. 日本のコーヒー消費
…缶コーヒー消費増加・高品質化
→キリマンジャロコーヒーから考える
→ジョージア、表示するためにはエチオピア産豆とタンザニア産水洗式アラビカ豆を合わせて 51%以上使用する必要
→JT、品質の劣るタンザニア南部産のコーヒー豆からタンザニア北部産のコーヒー豆へ、スノートップ豆
→UCC、レギュラーコーヒーの家庭内消費も増加


3-2. コーヒー生産
…コーヒーの木・畑は先祖から相続されたもので民族のアイデンティティである、価格変動が激しく5~10年我慢すれば1度は価格高騰の恩恵を受けられる、コーヒーを超える換金作物を見出せない、就職先も少ない、忍耐力が強い
→コーヒー危機による破壊、貧困から脱却できない
→コーヒーの重要度低下、サトウキビ・トウモロコシ・ゴム、国内のコーヒー消費量増加
→コーヒー生産量が増えても輸出量は増えない構造に変化


3-3. コーヒー生産者
…苦い現実がある
→キリマンジャロコーヒーから考える
→コーヒー畑、バナナの木などで日陰を作ってコーヒーに日光が当たらないように、下の畑はコーヒー生産に向かないため芋・豆・とうもろこしを作る
→相続、息子に相続される、人口が急増し土地に余裕がないため相続できる息子が欲しい
→息子たち、友人のコーヒー畑を管理、都市での兼業、
現金収入をコーヒー販売に依存するため住居は木製が精一杯
→次世代へ相続された時にコーヒー価格が低いままでは農家の貧困化が顕著になる可能性


3-4. 首長制度
…複数の世帯を包括する何十人もの家族のリーダーが家族を運営する
→資金の融通、社会保障的な
→昔は首長が強かったため豊かすぎる人から貧しすぎる人への分配が簡単だった、貧困救済が権威を強めた
→現在は個人的な豊かさを追求する人が増えて首長が弱くなった、首長の責務が大きすぎる、いくら稼いでも豊かにはならない
→農村の価値もみくびられる傾向
→若者が田舎に残るとばかにされるため都市に出ても就職が難しくさらに貧困化が進む可能性
→コーヒーは見捨てられない、生産者価格が上がれば、異常気象による凶作がなくなれば


3-5. イースターなどの祝日
…どんな宗教の人間でも着飾って教会に行く、行かないとばかにされるため汚い身なりでも行く
→現金収入が少ないため現金ではなく現物を教会に寄付、
ミサの終了後に教会が現物を競売にかけて現金化
→診療所が閉鎖しないようにするための寄付も多い、先進国からの援助の減少、コーヒー販売の不調、行く人が少なくなった
→コーヒー販売収入が必要


3-6. 村の農業スケジュール
❶バナナ、主食、1 年中収穫できる
❷トウモロコシ・芋・豆、準主食、6~9 月、1 年中消費できる
❸牛乳、出産期の異なる 2 頭を組み合わせて 1 年中搾乳できる
❹コーヒー、1~3 月で準備、夏に農薬、8~12 月で収穫・販売、肥料は牛の糞
→生産性は上がらない、農薬を投入できない・老木を育て続ける
→コーヒー販売収入が必要


3-7. 結婚しなきゃいけない社会
→家を持ちたい、結婚ができない
→結婚したら子供の教育、就職のため
→教育に恵まれない、コーヒー販売の不調
→教育に恵まれても就職が難しい、就職してもお金を村に投資
→コーヒー販売収入が必要
→たとえ違法でも高く買って売ってくれる人がいれば村は生き残れるという意見も
→村の開発組織も存在する、若者会、コーヒーの苗木生産・養蜂・魚の養殖のプロジェクト、図書館・学校・診療所の建設
→コーヒー以外に目を向けよ
→トウモロコシ、品種改良、化学肥料、換金


3-8. 価格形成の市場メカニズム
…需要供給で価格が決まる
→現実の市場取引は価格基準がなければ成り立たない、需要と供給の場が地理的・時間的に大きく離れているものの場合は価格形成が難しい
→供給側・生産者が発展途上国で、
需要側・消費者が先進国であるため不公平になりやすい、
背景には植民地支配の時代
→生産から消費までの各流通檀家で価格形成のメカニズム・基準を分析する必要


3-9. フードシステム
…食料品の生産から消費までのプロセスに沿った各要素・各産業の相互依存的な関係
❶連鎖構造
❷競争構造
❸企業結合構造
❹企業構造・企業行動
❺消費構造・消費者行動
→❶❷を解明することが重要
→価値創造の連なりに着目


3-10. 生産者
→流通業者
→加工工場
→検査所
→競売所
→輸出業者
→海運業者
→輸入業者
→焙煎業者
→小売店・カフェ
→消費者


3-11. コーヒー生豆の貿易価格
…ニューヨークのコーヒー先物価格が基準
→生産輸出のパワーバランスで割引く、品質・業者間
→先物価格に連動して焙煎業者までの価格変動が激しくなる
→焙煎業者からは高いシェアを持つ企業が決定力を持つ、小売店・カフェも、価格変動は少ない


3-12. ニューヨークの先物価格の変動要因
…短期では投機家の動向、長期では産地の天候・生産輸出量
→投機家の動向で複雑な動きが生まれて短期長期に関係なく異常な価格変動が起こる可能性
→共有信念、投機家が共有信念を持っていれば価格は安定する、
共有信念を疑い始めると戦略的合理性が作用して過剰な価格変動が起こる、
共有信念が崩壊すると自己言及的合理性が作用して価格暴騰・暴落が起こる

→産地の天候が安定していれば、投機家は低価格で安定するコーヒー先物には目もくれない
→産地の天候が不安定になる可能性が出てくると、投機家はコーヒー先物でリターンを追求
→異常気象が現実になると、投機家は実際の価格変動を予測できない、
ヘッジファンドを追いかけるようにたくさんの投機家がコーヒー先物でリターンを追求し始める
→生産輸出という供給実勢は全体の1割しか占めない
→生産者が十分な利益を得るためには異常気象を待ち望むしかない


3-13. コーヒー生豆の貿易価格の不公正さ
❶基準価格・変動要因が外国にある、生産輸出の必要性が価格に反映されない
❷基準価格が先物価格、投機家の動向が生産者の家計を不安定にする
→国際コーヒー協定、輸出割当制度、価格安定帯を設定し価格が下回らないように輸出量を制限
→停止してしまった、農産物価格支持政策を軽視、生産国の共産化の脅威がなくなる、生産国間の生産性格差
→コーヒー危機、下支えを失ったコーヒー価格は最安値をつける


3-14. 生産国間の生産性格差
…タンザニア、畑が急で狭いため農業機械が使えない、木の管理に手間がかかる、寿命を超えた木ばかり
→ブラジル、畑が平地で広いため農業機械が使える
→ブラジルは輸出割当制度の復活に積極的でない、
価格低迷も大規模農園には大きな損失にならない
→コーヒーの香り・味と標高の関係、標高が高いほど上質な香り・味が生まれる
→価格を維持しないと上質なコーヒーは消費者に届かない
→コーヒー先物の最安値は生産者・消費者の両方にとってマイナスでは?


3-15. 多国籍企業による買いたたき
…コーヒー生豆の流通が自由化すると民間企業は工場経営ができるようになった
→多国籍企業は輸出ライセンスと農村買い・加工のライセンスを持つようになった
→商社も強い、コーヒー現物貿易とコーヒー先物によるヘッジ
→農村価値を算出、あらかじめ消費国の輸入業者・焙煎業者から注文を受ける、コーヒー豆の量・質・貿易価格が決まっている、コストと利益の一部をマイナスして算出
→農村買い・加工・輸出のライセンスは 1 年ごとに更新
→価格カルテルの形成、農村買い段階・競売段階で多国籍企業同士の競争が起きないように
→対抗できるのは協同組合の販売事業のみ、協同組合は収穫量激減で弱体化、カネがない、銀行も貸し出せない
→協同組合の支払額は低いまま、価格の最低基準も低いまま
→カネのために木を切る、農薬・管理に使うカネがない
→コーヒーの質が低下


3-16. 日本では焙煎と抽出の加工が加わることで価格が跳ね上がる
→焙煎豆小売価格は世界2位、ファストフード店のコーヒー価格も高い
→キーコーヒー・UCC などの市場シェアが高い、小規模の喫茶店の取引力の弱さ、人件費・地価、最高品質のコーヒーを好む日本の消費者
→コーヒー生豆の安さが生産国タンザニアの経済発展を停滞させる一方で、その安いコーヒー生豆にできる限りの付加価値をつけることで消費国日本の経済発展が促進される、南北問題の本質
→生産者価格のコーヒー生豆の価格に対する弾力性は大きい、消費者価格のコーヒー生豆の価格に対する弾力性は小さい
→コーヒー生豆の価格低下、タンザニアで削られた所得を日本がごっそり取り込んでいる


3-17. シングルライセンス制度
…民間企業は農村買い・加工・輸出のいずれか 1 つしかライセンスを所有できない制度
→多国籍企業は輸出を放棄するわけにはいかず農村買い・加工のライセンスを撤退せざるを得ない、競売所のカルテルを潰す
→多国籍企業はコーヒー生豆を競売所で素直に買うようになった、
農村買い・加工の業務のための子会社を設立、農村買いの断念
→コーヒー先物は低いままで限界がある
→生産者側から価格を引き上げようとする動き、
農民は協同組合で新しい組織を設立して直接競売所へ売る、連合会を通さない
→2004 年以降はコーヒー先物価格が回復
→無農薬栽培の普及、病害に強い新品種、虫害に対してはまだ弱いため対策が必要、農機具は一族で調達してシェア


3-18. フェアトレード
…国際貿易における公平さを追求するパートナーシップ

→消費者の輸出価格の保障
→生産コストと生活水準が全ての生産地で毎年同じにはならない
→プレミアムの支払い、生産者に民主的に管理されて生産地の社会発展を導く

→ケイパビリティ、個人にとって望ましい生き方を実現するために複数の機能を選べるか、機能の中に人間の基本的な機能が含まれない状態を貧困という
→社会の良し悪しは経済合理性だけでは評価できない、
個人が自由な生き方を追求できる可能性がどれだけあるかが重要
→フェアトレードによる価格形成が今までの価格の不公正さを除去・回避できるかで評価する、
生産者支援をしていても販売できているということが価値、
生産者支援をしたら販売できないよという販売力を優先する企業には価値がない
→生産者との交流を深めて生産地の社会経済を熟知していることが必要、経費になってしまう、私的価値だけでなく社会貢献的価値を追求したい消費者で構成されたネットワーク
→消費者に伝えるには限界がある
→品質表示、ルカニ村に図書館を建てよう、ルカニ村に無農薬コーヒー生産を普及させよう
→生産者支援の品質で民間企業が競争するのが望ましい、
社会的責任格付が整備されればもっとフェアトレード参入社が増える可能性
→企業の更なるマーケティング・ビジネスには繋がっていない、
新しい消費者が生まれればもっと進む
→病虫害・異常気象による輸出量の変動が著しい


3-19. 農家経済学
…家計と経営が混ざっている経済を考える、消費経済と所得経済

❶バナナ・マメ・イモ・フルーツ・ニワトリ
…家での消費、少額の収入、生活必需品の購入
→最低限の家計を維持するための保障
→バナナは栄養繁殖するため販売量が増えている、親株の根本から子株が自然に生えて育つ
→青空市場で売られる、財布のような役割
→バナナの収穫量が減る時期はトウモロコシの収穫が増える
→マメ・イモ・ニワトリの卵は 1 年中確保できる

❷コーヒー・トウモロコシ・ウシ・ヤギ
…高額の収入、家・教育・医療の購入
→経営の資金、主に農薬、進歩・開発するための資金


3-20. 畑の階層構造
…林
→フルーツ・バナナ
→コーヒー
→マメ・イモ
→ウシ・ヤギ

→ウシ・ヤギのふんはバナナ・コーヒーの肥料となる、バナナの葉・牧草がウシ・ヤギの餌になる

→林・フルーツ・バナナ・肥料からコーヒーに水分・養分が提供される、
林・バナナを残してコーヒーのために日陰を作る
→アグロフォレストリーに近い

→現金が足りなくなると林を伐採して材木店で現金化、トウモロコシ・牧草の生産に特化し始める
→森林破壊が促される、日光を当てるため林・バナナ・コーヒーなどを全て伐採
→トウモロコシへの転作、トウモロコシも換金用作物とみなす、
バナナを育てる人が少なくなるので主食が減る、食料保障機能の弱体化
→寒さに強いトウモロコシが普及、食糧不足による価格高騰でカネになる


3-21. シアトル系カフェ
…高級感・ファッション性を売り物にしたカフェ、都会度を測る指標
→低価格でのコーヒーを提供できる、マニュアル化・店舗の簡素化・チェーン展開で効率を追求
→喫茶店は顧客を失い店舗数が激減
→ヨーロッパ・アメリカでは低品質低価格が主流で高品質高価格がニッチ
→日本では高品質高価格が主流、2 つのニッチに挟まれている、低品質低価格・プレミアムコーヒー
→マーケティング、ブルーマウンテン・イギリス王室御用達、神聖さ・高貴さを強調する、映画
→日本の総合商社による高価格での買い占めがコーヒー生豆の調達を困難にしている
焙煎業者に対してコーヒー生豆の調達・その後の缶コーヒー・ペットボトルコーヒー用工場・流通・販売の支援・融資
→輸入協議会、生産者支援のための融資、返済がコーヒーの現物で行われている、為替の乱高下に巻き込まれて損失を被る総合商社も少なくない
→サステナブルコーヒー、スペシャルティコーヒー、有機・森林保全
→日本でフェアトレードが普及しない、生産者を支援する商品に魅力を感じない、公的支援の欠如
→ATJ、農水産物のフェアトレード、生協が立ち上げた、
国内で確立した地産地消運動を途上国に拡張、
生産地育成プロジェクトを進めて育つ組織と生協の交流


おわりに

ここまでご覧いただき、ありがとうございます。
修正すべき点やご意見などあればXでお声をいただければと思います。
修正の際は、番号を指定して、フォーマットをなんとなく合わせていただけると助かります。

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