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基礎ができていたらすぐ立ち上がれる

日本テレビで毎週金曜夜に放送されていたanother skyという番組が好きだった。新型コロナの影響で海外ロケが難しくなったため、残念ながら13年続いた放送に今秋幕を閉じた。

有名人が日本を飛びだし、自分の「another sky=第二の故郷」である海外の色々な国で取材。普段見ることができない一面を見ることができるのと、一緒に海外旅行に行った気分になることができる番組だった。そんなanother sky好きの私が録画した最も古いものが、2011年・今井翼さんのスペインの回で、それから毎週欠かさず録画していた。

おおよそ10年見続けてきて、今も消去できずに残してある回がある。

それは建築家・安藤忠雄さんが出演された回だ。言わずと知れた日本を代表する建築家である。

安藤さんの作品として、表参道ヒルズ、地中美術館なら全く知識のない私でも知っているが、それ以外にも世界中に安藤さんが携わった建築物があるらしい。

私はちょっと気合を入れたい時、元気をチャージしたい時に安藤忠雄さんのanother skyを見返すようにしている。

ちなみに安藤さんのanother skyはアメリカだ。建築家になる前に出発した世界一周の旅、そのゴールがアメリカ・ニューヨークだった。海外旅行が解禁になった翌年、安藤さんは旅にでた。ヨーロッパを経て、アメリカ大陸へ。ロスから100ドルで100日間乗り放題のバスでニューヨークを目指したそうだ。

番組では、マサチューセッツ州で建設中(といってももう10年くらい前の番組ですので実際にはオープンしています)のクラーク美術館の建設現場が紹介されていた。素人目から見るとまだ建物らしいものが見当たらず、重機も点在し雑然としていて、「これが美術館になるの??」と思ってしまう。しかし安藤さんは、

「7割くらいはいっとるやろな?」

え?これで7割??

安藤さんによれば「建築は基礎ができれば大体半分完成」とのこと。ぜ、全然わからない世界だ。そのあとこう続く。

「(基礎ができれば)上は割と簡単なんですよ。

人間も一緒でしょ?人間も基礎がきっちりしていたら、すぐに立ち上がるやんか。」


このセリフ、いつも深いなーと思いながら見返している。

私の基礎の部分はきっと子供の頃から少しずつ築きあげられてきた。祖父母、両親、友達、地域の人によって、愛や優しさという部分を作ってもらったと思う。

もう一つは、自分で頑張った部分。夢や努力、挫折、成功、失敗…さまざまな経験が私の基礎となっている。


安藤忠雄さんは大学には行かず、独学で建築家になった方だそうだ。最初は「学歴のない奴が」と散々叩かれ、ご自身もそれをハンディキャップと思っていたと番組で語っている。
しかし先に海外のメディアで注目され、その後は名だたる大学の教授として呼ばれ、現在も活躍されている。

今も全く英語は話せないとのことだが、世界共通用語は情熱であると言い切る。

条件が悪い、難しい、
それを超えていく時に人生面白いことがあるんじゃないか
夢を持ったら夢ができるんじゃないですよ。
夢を持ったら、過酷な時間を過ごしていかないかん

どれも番組内で安藤さんが仰った金言であるが、自分の人生と重ね合わせてもそうだよなーと納得することが多い。

私のことを少し話すと、少しでもやらない理由を探している時はやらないことにしている。
どんなことをしてもやり遂げたい!そう思える時は、条件が悪いことなどお構いなしなところがある。

でないと「患者さんのために」という情熱だけで、フランスには行かなかったと思う。

それでも道のりは大変だった。最初はフランス語もわからなかったし、日本で資格を取った後もどんなに頑張ったって全然認めてはもらえなかった。

それでも「待っている患者さんのために」という情熱があったからこそ努力を続け、夢を叶えた。

本当にそう。夢を持ったらすごく大変。でも夢は必ず叶う。(と私は信じている)

そのあと思った。
私のソシオエステティックを受けた人や一緒に働く人が、私の仕事を喜んで、認めてくれればいいや、と。


人種も国籍も違う。
なのになぜ世界中の人々を魅了してやまないのか。
それは安藤忠雄自身が、過酷の積み重ねを基礎として立ち上がった、最高傑作だから。

番組は最後にこのナレーションで終わる。

安藤さんの努力と建築への情熱、そして何事も諦めずにいれば成し遂げられるというメッセージを感じられる、素晴らしい番組内容だったと思う。だから、私は何度も見直して元気をもらっている。

この番組が終了してしまったのは本当に残念だが、またいつの日か復活することを願って…^_^

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