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過去はすべて黒歴史【繊細さんと失敗】

失敗が頭から離れない

夜寝る前、過去に犯したいろいろな失敗が蘇ってくる瞬間があります。

「あの時、もっとああしていれば……」

「あれはああ言うべきだったのか……!」

先生に当てられた時、期待された答えを返せず「君は本当に期待に応えないね」と言われたこと。

バイト先でクレーム対応を間違えたこと。

その日の夜になってから、昼間に交わした会話への良い返答を思いついたこと。

 後から振り返らないと分からなかったこと、当時は気づけなかったこと。

もし当時にタイムスリップしたら、昔よりも上手くやれるのに。

そんなことを考えているうちに、過去のことはすべて黒歴史的な認識になってしまいました。

失敗ばかりに見えるのはなぜ?

実は、過去が失敗ばかりに見えるのは、単なる考え方ではなく気質が関係している話。

エレイン・N・アーロン先生の著書『ひといちばい敏感な子』には、

自己肯定感が低く、落ち込みがちな人は、失敗した記憶を全て同じファイルに入れているので、一つの失敗や弱点によって、自分の失敗全てを思い出してしまう傾向があります。

という記述があります。

初めてこの部分を読んだ時、「私はこれだったんだ!」と思い、今まで誰にも共感してもらえなかった、自分しか持っていない「変」だと思っていた感覚が、自己肯定感の低いHSPに共通する傾向であることが分かりました。

過去の成功はどこへ行ったの?

人間生きていれば、成功も失敗もするもの。

「いや、自分は失敗ばかりだよ」と感じる時は、「少なくとも、『失敗はしてないなと思える出来事』」と心の中で言い換えています。

成功した/失敗しなかった記憶も、もちろん頭の中には残っています。

しかし、それらはきちんと時期順に並べて記憶されているので、「失敗ファイル」ほど一覧性に富んではいないのです。

逆に言えば、誰かと会って話している時に「小学校時代」が話題になれば、話しているうちに「こんなことがあった」「あんなこともあった」と楽しかった方の思い出も浮かび上がってきます。

消えてしまったのではなく、整理されているからこそ取り出しづらいだけなのです。

今でも圧倒されることはあるけれど

「私はHSPなんだ」と気づいたからといって、急にすべての物事がポジティブになるわけではありませんでした。

未だに疲れていて、思考がネガティブに陥りやすい時は、布団の中で失敗ばかりが思い出されて「自分はダメな人間だ」と思えてしまうこともあります。

けれど、以前のようにどこまでも落ち込んでしまう瞬間は減りつつあります。

「失敗ばかりを思い出してしまうのは、HSPの特徴のひとつだ」という気づきを得たからです。

「自分はダメな人間だ」というセルフイメージが真実ではないと分かっていられて、多少なりとも強い心を持っていられます。


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