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主は時間を守れない【僕とパーツの人生紀行】

主は、基本的に時間に遅れないことを自慢としている。

高校の頃、應援團で「時間厳守」が徹底されていた影響が大きい。

時間を逆算して準備をし、現地まで向かう所要時間を計算し、何時に出れば良いか計画する……。

そういうスキルが身についた。

……のだが、それで本当に主が「時間を守ることができる」と言えるのかは、少しあやしい。


そもそも主は、「時間が守れない」タイプの人間だ。

あれは小学2年生くらいの頃だが、親から「〇時に出かけるから、準備しておいてね」と言われることがあった。

きちんと時間管理ができる人間ならば、出発時間までに準備を整え、万端待っていることだろう。

ところが主は、どうしてもそれができなかった。

時間管理をした上で行動していると思っても、どうしても見積もりと現実の時間が合わなかったのだ。

結果、出発時間ぎりぎりまで遊んでおり「行くよ」と言われて初めて顔を上げ――慌てて準備に奔走することになっていた。

予告していたものだから、親には「なんでいつも『出るよ』って言った時間になってから準備するの」と言われ、苦手なため息をつかれ。

どうしてできないのかは、主自身にも分かっていなかった。主としては、きちんと時間を見積もっていたつもりだったからだ。

見積もった上で、遊んでいたつもりだった。

ところが先延ばしグセで「あと少し、あと少し」が重なって、結局出発時間に到達してしまう。

主はできない自分にイライラしていた。


振り返ると、先延ばしグセと時間管理の苦手さは「パニック少年」の特性である。

主は自分の苦手な特性を「パニック少年」として切り分ける(断片化する)ことで、彼、つまり自分を叱咤し「常識的に」行動するためのスキルを身に着けたのかもしれなかった。


では、ひるがえって今はどうか。

中学時代のチャイムと模試の開始時間、そして何より高校時代の「時間厳守」の規則によって、主は集合時間に間に合うように行動するスキルを身に着けた。

しかし前述のように、それが「時間を守れる」に該当するかどうかはよく分からない。

それは現地に余裕を持って着いてからの、主の行動に理由がある。

集合時間の10~30分前に着くことが多い主は、待ち合わせ場所に立って、あるいは付近の本屋に入って時間をつぶす。

ところが、立ち読みしても内容がまったく頭に入ってこない。気になるのは時間ばかりだ。

主は体感時間の感覚があいまいで、10分と思っていたら20~30分、30分と思っていたら1時間経っていたということがざらにある。

だから時間に遅れないように、でもただ立っているのはつまらないから……というような理由で、作業的にページをめくっていることが多いのだ。

集合時間までのたった「あと10分」が落ち着かず、実際に集合時間になった時には、もう気持ちが疲れていたりする。

結果だけ見れば「時間を守ることができる」に該当するかもしれないが、精神衛生の面では課題が残る。

どうにかして改善できないものなのか、誰かの知恵をも借りたいところだ。

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