かこ

昭和ラスト生まれ、都内在住。 「文を書くことは恥をかくこと」をモットーに、絶賛恥のお裾…

かこ

昭和ラスト生まれ、都内在住。 「文を書くことは恥をかくこと」をモットーに、絶賛恥のお裾分け中。 手相占いが出来たりするよ🔮 https://twitter.com/Tominokoji

最近の記事

【創作大賞】血塗れのわたしたち

「ガガガガガガ…ミッシミッシ」 歯科医がペンチみたいなもので歯肉から”そこにあるべきでない”ものを引っこ抜こうとする その前には、もはや猿くつわのようなものを口にはめられ、 彼は嬉々として、この私の非常に厄介な生え方の親不知の事例を写真に収めた ただそこに生えただけなのに、自然に成長しただけなのに 邪魔者扱いされ、こちらの一方的な意志だけで取り除かれる 口内には唾液を吸うパイプが突っ込まれ、血も出ているのだろう 生暖かい体温が口中に広がる ずっと口を開け続け、耳にけた

    • 色男図鑑~「湿り気ある色気」というワードがプチバズったので、男性の色気ポジショニングマップを書いてみた~

      中村倫也さんの魅力について余すことなく伝えたいと書いたコラム。 ありがたいことにファンの方々から沢山の反響をいただいた。 中でも「湿り気のある色気」という表現に思いの外リアクションがあり、 かく言う私も「確かに”色気”って一口に言ったって、色んな種類があるし」と思い当たる節があったので、 「男性の色気ポジショニングマップ」を早速作ってみることにした。 ※これはイケメン図鑑ではなく「色気のある男性のポジショニングマップ」です。 また完全に個人の独断と偏見によったものであり

      • ひとりだけど ひとりじゃない〜元マテリアルガール 吾唯足知〜

        ”ゆたかさ”を思うとき ”人から切実に必要とされていて、それを感じられること”というのもひとつ本音だし、 かと思いきや、 過去マテリアルガールだった私の頭によぎったのは かつて漫画家の西原理恵子さんが国際女性デーにちなんで朝日新聞に寄稿された 「寿司と指輪は自分で買おう」を読んだ時に思った、 ”それでもやっぱり指輪は好きなオスからプレゼントされたいし”って気持ちも、 生活を彩ってくれる瞬間の一部だし、 旅先で目にした野花の名前をサラサラ口にして、 目に飛び込んでき

        • それでも捨て切れないもの〜村上春樹『猫を棄てる』を読んで〜

          副題にある通り、著者によって自身の父親との思い出が淡々と、 むしろ意識してなのか抑えめの筆致で終始描き出される。 著者と父・村上千秋は最終的には”20年以上顔を合わせず、 ほとんど口もきかず連絡もとらなくなった”といい、 父親との関係には長年しこりのようなものを抱えていたようだが、 彼らの間ではるか昔に交わされた「トラウマの継承」こそが 戦争体験者から未経験者への歴史の伝承、命のバトンであり、 前もっての世代交代の準備であり、 ”自分の人生に相手を巻き込む”という家族同士

        【創作大賞】血塗れのわたしたち

        • 色男図鑑~「湿り気ある色気」というワードがプチバズったので、男性の色気ポジショニングマップを書いてみた~

        • ひとりだけど ひとりじゃない〜元マテリアルガール 吾唯足知〜

        • それでも捨て切れないもの〜村上春樹『猫を棄てる』を読んで〜

          初めてコラムを書かせてもらった作品『はじこい』と横浜流星くんの魅力について掘り起こしてみた

          少し前に再放送されていたドラマ『はじこい』こと『初めて恋をした日に読む話』 リアルサウンドさんで初めてコラムデビューさせていただいたのが この作品なので、私にとっても思い入れのあるドラマ。 先輩から「今、はじこいと凪のお暇の再放送にはまりだして、カコが書いてたコラムを読み返そうと思ってた」とLINEをいただき嬉しかったので、 下記にまとめてご紹介。 『はじこい』で演じたピンク髪の高校生役ゆりゆりで一躍人気者となり、 その後の活躍は皆さまの知るところとなる横浜流星くんです

          初めてコラムを書かせてもらった作品『はじこい』と横浜流星くんの魅力について掘り起こしてみた

          手紙 〜拝啓 人生で一番血迷っていた二十六の君へ〜

          拝啓 この手紙読んでいるあなたには 誰にも話せない悩みの種がありますね こちら2020TOKYO、 満を持して未来の自分から今アンサーを送ります。 26歳と言えば、あなたが一番血迷い、自分で自分の視野をどんどん狭くしてしまっていた暗黒時代です。 そのきっかけとなった大きな出来事は、 親友2人が示し合わせたように同時期にトントン拍子で結婚を決めたことで、 あなたは急に焦りだすのです。 「女子ってやっぱりライフステージによって悩みも優先順位も変わってくるから、 既婚/

          手紙 〜拝啓 人生で一番血迷っていた二十六の君へ〜

          再放送に備える『凪のお暇』おさらい編

          今、一挙手一投足が記事化されちゃう田中みな実様もドラマ好きだと公言されておりますが、 田中みな実様と世代の近い私も例に漏れずドラマ好きであります。 (ドラマ好きなおかげで世代以外にも共通点があった) ドラマ・映画好きが高じて、完全に趣味の延長で 「リアルサウンド 」や「TVログ」でコラムを書かせていただいております。 コラムを書かせていただいているおかげで、 オンエアー時の自分が感じた所感を残しておけるので 最終話まで見終わった後に初期の頃の感想を振り返ったり、 再

          再放送に備える『凪のお暇』おさらい編

          文通相手は母親。母娘の14日間戦争

          高校時代、2週間に渡る母親との冷戦が繰り広げられたことがある。 その間、一切互いに口を聞かず代わりに母娘間で文通が始まった。 趣味:文通、文通相手は母親。 その幕開けはあまりに突然すぎて、10年以上経った今でも鮮明に覚えている。 そしてまた母親からの手紙の冒頭も唐突だった。 「カコちゃんへ お母さんは何も知らずにカコちゃんの机の引き出しを開けました。 そうするとそこには…もう書かなくてもわかりますよね。 お母さんはショックです。ヨウスケくんは年上だから大人なのかな?

          文通相手は母親。母娘の14日間戦争