映画食べ歩き① 〈レディ・プレイヤー ワン〉
世界で最も名の知られたオタク、スティーブン・スピルバーグの映画センス、オタクセンス、そして彼のマニアックぶりが存分に楽しめる映画。
ストーリーは大規模なVRゲームに夢中になっている近未来で創業者が遺した莫大な遺産を巡る争奪戦という、至極わかりやすいもの。同じようなプロットだと押井守監督の「アヴァロン」がありますが、映像は芸術的だったもののストーリーは非常に難解でした。その点、この映画はストーリーをシンプルにして、観客が映像を存分に楽しめるようになっています。
この映画はとにかく映像の端から端まで詰め込まれた遊び心満載の小ネタが楽しい。主人公が乗るのがデロリアンなら、ヒロインが駆るバイクは金田のバイク。クライマックスで主人公たちにメカゴジラが立ちはだかり、ガンダムがビームサーベルを手にメカゴジラに斬りつける。主人公がパワーを込めて放つは波動拳(^-^)
映画というスタイルを借りたアミューズメントパークといったところでしょう。
映画好きなら最初から最後までニヤニヤしまくりのオタク映画。何はなくとも、まずは楽しみたいという人にオススメの映画です。
とは言うものの、何のメッセージ性もないのかというとそうじゃない。天才的な才能を持ち、莫大な富を得ても、本当に欲しかったものを手に入れる事が出来なかったゲームの開発者の悲哀がオタク達の共感と涙を誘うでしょう。ストーリーはシンプルながら、観客はゲーム開発者の人生をなぞります。
ブルーレイが発売されたら、買った方がいいかもしれません。映画館で見つけられなかった小ネタを探す楽しみがまだ残っています。そういう意味では何度でも楽しめる映画かもしれません。
ちなみに、ヒロインを演じた女優オリヴィア・クックはアメリカのサスペンスドラマ「ベイツ・モーテル」に出演しています。ネットフリックスで配信されているので、要チェック。
タイトルの「レディ・プレイヤーワン」。私のように80年代にファミコンやアーケードゲームに親しんだ世代なら、このタイトルに思わずニヤリとするはずです。
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